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これまでの放送

第65回 2007年10月16日放送

背伸びが、人を育てる 校長・荒瀬克己


ぼんやり見る

荒瀬は、折りをみて校内を漂うように歩く。生徒や先生に気軽に話しかけては、表情や雰囲気を見る。それは真剣に見つめるのではなく、あくまで、ぼんやり見る。そうやって学校内の「空気」を感じ取ろうと努める。「渦中に入ると見えなくなるというのがあるでしょう。だから、リーダーは渦中に入ってはいけない」と荒瀬は言う。

写真すれ違いざまに生徒に声をかけるいつもの光景


直球で勝負する

思春期の真っただ中にある生徒たちの心は、繊細で、日々揺れ動いている。相手の気持ちを正確に理解し、言葉を投げかけることは容易なことではない。教師に出来ることは、ただ全身全霊で向き合うことだけだと荒瀬は考える。そのため荒瀬は、真正面から構え、言葉をかけ、そして話を聞く。「まっすぐに聞き、まっすぐに見る」という直球勝負のスタイルを荒瀬は貫く。

写真生徒の心に言葉の直球を投げ込む


背伸びが、人を育てる

とかく大学合格実績が話題にされるが、堀川高校は勉強だけでなく、クラブ活動や文化祭などの活動も積極的に行われている。学校行事のほとんどを生徒自身が企画・運営するのも堀川流だ。荒瀬たちが考える社会で役立つ力の1つは、「段取りを組む力」。数値化できない見えない力を生徒につけさせるため、荒瀬は生徒だけでは出来そうにもないことを、あえて任せる。

写真8月に行われた高校生による環境サミット。
堀川高校はホスト校の1つとして会議の企画・運営に参加。


プロフェッショナルとは…

やるべきときにやるべき場所にいて、やるべきことをしっかりする人。そして人事を尽くして天命を待つ。そういう人だと思います

荒瀬克己

The Professional’s Tools

探究科の「要旨集」

堀川高校の学校改革の目玉は、「探究基礎」という独自の授業。生徒自らテーマを決め、大学のような専門的な研究を行う授業だ。そこでは、生徒が「知りたい」と思ったことを徹底的に勉強できる環境が整っている。探究基礎は、受験勉強が目的ではない。しかし、その授業は生徒の心に、ある変化をもたらすと荒瀬は言う。
「『知る』喜びを実感できれば、生徒はひとりでに学び出す。もっと専門的に勉強したいと思うと、大学へも何となく行きたいではなく、こういう勉強したいから行きたいと気持ちを後押しする。その結果、ほかの教科の勉強に力が入るようになる」

写真研究テーマをまとめた「要旨集」。 内容は、文系理系ともユニークだ。写真


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