「ソムリエ」とは、ワインの知識に精通し、客がワインを選ぶ手助けをするエキスパートのこと。ただワインを飲むだけでなく、そこにソムリエの存在が必要なのは、なぜか・・・?佐藤は、ソムリエという仕事を、「森林ガイド」に例える。森を歩く時、一人でただ歩いているだけでは、豊かな自然をすべて味わい尽くすのは難しい。しかし、ガイドと一緒に森を歩いたらどうだろうか?こずえの陰で鳴く鳥のさえずりや季節の草花の移り変わり、珍しい動物や昆虫など・・・ガイドの案内によって、一人で歩いている時には気付かないような、自然の奥深さを満喫できる。ソムリエも、ワインという奥深い世界を案内するガイドだと、佐藤は言う。客にワインを出す時、佐藤は、産地に出向いて聞いた、作り手の話やその土地の特徴などを言い添え、客を楽しませる。佐藤は言う。「ソムリエの仕事は、ワインを語ることではない。ワインで人を幸せにすることだ」