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◆電子ホログラフィー用立体表示デバイスを開発
〜アクティブ・マトリクス駆動で超多素子化が可能に〜
(平成26年5月22日)


□ NHKは、特殊なメガネをかけなくても自然な立体映像を楽しめる、電子ホログラフィーによる立体テレビの研究を進めています。電子ホログラフィーとは、空間光変調器(SLM*1))により電子的に干渉縞を生成し、これに光を当てることで動画の立体像を表示することができる技術です。今回、電子ホログラフィーを実現するための要素技術として、干渉縞を表示するSLMの光変調素子をトランジスターで駆動する技術を開発しました。

□ これまで、電子のスピンを利用した一次元配列のスピンSLM*2)を独自に開発し、その基本動作の確認をしてきました*3)。一方、立体像を動画表示するには、非常に多くの光変調素子を二次元に並べて駆動する必要があり、それぞれを正確かつ高速に駆動する技術の開発や、低消費電力化に向けて駆動に必要な電流を低減することが課題でした。

□ 今回、駆動電流の低減を図った光変調素子を用い、素子ごとにトランジスターを配置することで正確かつ高速に各素子を駆動できるアクティブ・マトリクス方式による二次元スピンSLMの試作に世界で初めて成功しました。スピンSLMの駆動にアクティブ・マトリクス方式の適用が可能になったことで、立体像の動画を表示できる将来の超多素子SLMの実現に向けて大きく前進しました。

□ 今回の研究成果は、5月29日(木)〜6月1日(日)に開催する「技研公開2014」でご覧いただけます。今後も、ホログラフィー用立体表示デバイスの実現を目指して、スピンSLMの研究開発を推進していきます。

*1) SLM:Spatial Light Modulator
*2) 磁性体の磁化の向きによって光をON・OFF制御する光変調素子を用いた空間光変調器であり、素子に流す電流の向きによって磁化方向を反転させることができる。
*3) 平成24年5月18日報道資料「電子ホログラフィー用デバイスを開発」

※ 本研究の一部は、独立行政法人情報通信研究機構の委託研究「革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発」として実施したものです。




 
 
 
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