◆“ショックレスNDフィルター”を開発!
〜明るさの違う場所でも1台のカメラでスムーズな使用が可能に〜
(平成21年11月17日)
○ NHKは、フジノン株式会社と共同で、光の透過率をスムーズに切り替えて使える放送カメラ用“ショックレスNDフィルター”
※1
の開発に初めて成功しました。
○ 一般的に屋外から屋内に入る中継のシーンでは、屋内外のカメラを切り替える演出を行っていますが、1台のカメラで屋内外を続けて撮影する演出時には、NDフィルターを切り替えて明るさを調整しています。従来のNDフィルターでは、切り替え時に映像が一瞬暗くなるという問題点がありましたが、今回新たに開発したNDフィルターを用いることにより、スムーズな切り替えが可能になります。
○ 従来のNDフィルターは、円形の固定板に光の透過率の異なる複数のフィルターをはめ込んだ構造になっていますが、今回初めて、一枚のガラス基板に特性の異なる複数のフィルターを隣接して配置することに成功しました(図2)。
○ 通常、透過率の異なるNDフィルターのコーティング
※2
には、それぞれ異なる反射防止膜を施す必要があり、隣接部分で隙間や重なることなく一様に形成することが困難でした。今回、反射防止膜を一様に蒸着できる手法を考案し、“ショックレスNDフィルター”を実現しました(図4)。
○ 本フィルターは、カメラに取り付ける部分の構造や大きさを従来のNDフィルターと同じ規格で設計しており、現在使用中のカメラで使用することができます。
○ 11月18日(水)から20日(金)にかけて幕張メッセで開催されるInter BEE 2009において、フジノン株式会社のブースで展示される予定です。
※1 ND(Neutral Density)フィルター:映像の明るさを切り替える減光フィルター。放送用のカメラで使用されているNDフィルターは、円盤状の形状をしており、光の透過率が異なる複数のフィルターが配置され、回転させて切り替えることで明るさを調節する。
※2 任意の光の透過率になるように金属を均一の厚さに蒸着させて形成した層
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