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◆地デジ受信用の“干渉除去装置”を開発!
〜妨害波の到来が受信方向に近い厳しい状況でも除去可能〜
(平成21年5月18日)


○ NHKは、デジタル混信の受信対策として利用できる干渉除去装置を開発しました。受信したい放送波(希望波)と妨害波がほぼ同じ方向から到来した場合でも混信を除去することができます。アナログテレビジョン放送波やISDB-T以外の異なる方式のデジタル放送波による混信についても利用することが可能です。

○ 現在、2011年7月の完全デジタル化に向けて中継局の整備を進め、3月末現在で、デジタル中継局785局を開局し、全国の約97%の世帯をカバーしています。残りの中継局についても整備を進めていますが、ごく一部の地域で電波の異常伝搬などが原因で、海外など予想もしない遠方から放送波が到来して干渉を引き起こし、混信の発生する場合がまれにあります。

○ 本装置では、自動的にこの混信の影響が最も小さくなるように、2本のアンテナで受信した信号を時間領域で合成します。この新たに開発した方式により、従来と比較してハードウエア規模を小さくすることができました。希望波の到来方向の受信レベルが最大になり妨害波の到来方向の受信レベルが最小になるように制御するMMSE(Minimum Mean Square Error:最小2乗誤差法)というアルゴリズムを用いています。

○ 希望波とほぼ同じ方向の妨害波が存在する場合でも、本装置は干渉波を除去することができ、良好に受信できます*1。今後、さらにフィールド実験を進め、装置の実用化を目指していきます。ハードウエア規模が小さいため、安価の装置が期待できます。

○ 5月21日(木)〜24日(日)に開催する放送技術研究所の一般公開において、今回開発した本装置を展示します。

※ 1 希望波と約10度の到来角度差がある受信条件でフィールド実験を実施


試作した干渉除去装置の構成


自動的に希望波の到来方向の受信レベルが最大になり、妨害波の到来方向の受信レベルが最小になるように制御するMMSE(Minimum Mean Square Error: 最小2乗誤差法)というアルゴリズムを用いています。



装置の外観

装置の仕様



 
 
 
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