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◆NHKエコ開発(その2)中継車用低公害発電機の開発
(平成20年11月6日)
 

○ NHKでは、教育テレビの放送時間短縮の他、LEDスポットライト、ポータブル燃料電池といったエコ機材の開発など、環境経営に対する取り組みを進めてきています。今回、環境にやさしい機器開発の更なる取り組みとして、省エネルギーかつ低公害を実現する中継車用の車載型発電機を開発しました*1)

○ 車載型発電機には、強制力を持った排出ガス規制ありませんが、厳しい基準値をクリアし、車載型発電機としては初めて、国土交通省が制定する排出ガス対策型建設機械の指定制度の第3次規制*2)に認定されました。

○ 中継車に搭載する発電機は、使用電力量が増えたときに回転数が下がらないよう燃料を増やして回転数を一定に保つように動作しています。従来の発電機では回転数が設定した値に落ち着くまでに時間を要するため、余分な燃料を消費し、その結果として、有害ガス*3)の生成に繋がっていました。

○ 新たに開発した低公害発電機は、使っている電力に応じた燃料噴射量を瞬時に調節することができます。そのため、回転数の変動を最小限にすることで*4)、余分な燃料消費を防ぎ、有害ガスの生成を抑えることが可能となりました。

○ NHKでは、この低公害発電機をロードレース中継で使用するマラソン移動中継車に搭載し、ランナーや環境にやさしい中継を行っています(写真1)。今後、さらなる低公害化や低消費電力化、軽量化などの機器開発を進め、環境対策を積極的に行っていきます。

*1) 富永物産(株)と共同開発。
*2) 国土交通省は、建設現場の作業環境の改善、機械化施工が大気環境に与える負荷の低減を目的として、「排出ガス対策型建設機械指定要領」を策定し、平成4年から第1次基準値、平成13年から第2次基準値、平成18年度から第3次基準値に適合した排出ガス対策型建設機械型の型式指定を行っている。第3次基準値が最も厳しい基準値となっている。
*3) 発電機が排出する有毒ガスの例として、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)、CO(一酸化炭素)、PM(粒子状物質)、黒煙などがある。
*4) 新開発の発電機は従来型に比べて、回転数の変動を抑えることが可能(図1参照)



図1 負荷投入後の発電機回転数変動


使用している電力量が増加したとき(負荷投入時間)、従来の発電機の回転数は設定した回転数に落ち着くまで時間を要し、回転数の変動幅も大きくなっていました。

新たに開発した低公害発電機は、発電機の回転数と燃料噴射量をECU(電子制御ユニット)で管理し、負荷に応じた燃料噴射量を瞬時に調節します。



○ 新開発の発電機の排出する有毒ガスは、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)、CO(一酸化炭素)が従来式の発電機と同等で、PM(粒子状物質)は従来のおよそ1/4、黒煙は従来のおよそ1/3に軽減されています。

写真1 マラソン移動中継車と搭載した低公害発電機
 
 
 
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