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◆小型超指向性「リヤキャンセルマイクロホン」を開発
〜選手の吐息や足音もクリアにとらえる画期的なマイク〜
(平成20年2月13日)

○ NHKは三研マイクロホン(株)と共同で、後方からの雑音をキャンセルする新しいタイプの小型超指向性マイクを開発しました。小型で扱いやすく、また低周波数帯域で十分な指向性が得られるなど、画期的なマイクです。小型で機動性に富むため、スポーツ中継や雑音の多い場所でのロケなどで活躍が期待できます。

○ 従来の指向性マイクは、周囲雑音の影響が受けやすいという問題がありました。これは、低周波帯域での指向性が全指向性に近づくためで、低周波数帯域でも鋭い指向性を得るための解決策として、マイクの全長を55cmと、長くする必要がありました。

○ そこで、今回、1つの筐体の中に2つのマイク入れ、マイクの前方以外から到来する不要な音を打ち消すという新しい技術をもとに、マイクの全長が短くても、感度が10dB以上アップした超指向性のマイクを開発しました。

○ 特徴として▲超指向性で、マイクロホンの後方にいるスタッフの声を拾わない、▲小型で扱いやすく機動性に富みマラソン中継のバイクなどに取り付けが容易、などがあげられます。

○ 2008年1月に行われた広島駅伝では、このマイクをバイクカメラに搭載して使用しました。バイクのエンジン音などの雑音を小さく抑え、並走する選手の足音や息使いまで明瞭にとらえることができ、臨場感のある中継音声の収録に成功しています。その他、野球、サッカー、ゴルフなどの中継でも威力を発揮しています。

○ このマイクを、平成20年2月10日〜13日に開催する番組技術展(渋谷・放送センター、入場無料)で展示します。

開発したマイクの仕様
トランスデューサー DC バイアス・コンデンサーマイクロホン
指向性 全指向性
感度( 0dB = 1V/1Pa 、 1kHz ) -27dB ± 1dB
周波数特性 20Hz - 20kHz
出力インピーダンス 150 Ω
入力換算ノイズレベル 19dB(A)
最大入力音圧( 1kHz 、 THD1 %) 119dB SPL 以上
電源 ファントム DC48 ± 4V
消費電流 5mA 以下


*)1kHz以下の低周波数帯域において、前後の感度差25dB以上を達成している。また、従来の超指向性マイクと比較して、後方から到来する音を250Hzでは10dB以上抑圧した。


 
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