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◆地上デジタル受信マージンチェッカーを開発
〜地上デジタル放送の安定受信に向けて〜
(平成19年11月15日)

○ NHKは日本通信機株式会社と共同で、地上デジタルテレビジョン放送の受信信号のレベル・CN(キャリア対ノイズ)比・簡易BER(ビット誤り率)のほか、デジタル受信機が正常受信できる受信限界までの余裕度(マージン)を測定可能な地上デジタル受信マージンチェッカーを開発しました。

○ デジタル放送を安定に受信するためには、受信限界までのマージンを大きくとるよう、受信システムを構成する必要があります。デジタル放送の受信状況はBERによって評価されますが、受信状況が比較的良好なときはデータ誤りの発生が少ないため、BERを長時間に渡って測定する必要がありました。

○ 今回開発した測定器は、受信信号に強制的にノイズを重畳して、一定のBERまで劣化するときのノイズ量から受信システムにどの程度のマージンがあるかを把握する手法を採用しており、短時間での測定が可能です。

○ 受信チャンネルは、地上デジタル放送のUHF帯(470〜770MHz)のほか、VHF・MID帯(90〜222MHz)、SHB帯(222〜470MHz)にも対応しており、周波数変換パススルー方式*の共同受信施設なども測定できます。イーサネット・インターフェースを装備しており、外部PCからの制御やデータ取得が可能です。

○ 測定器の重量は約1kgと軽く、電源は単3電池で4時間連続の使用が可能です。このため、戸建て住宅、共同受信施設のデジタル化など、屋根裏の狭隘スペースでの作業や屋外作業を伴う整備に威力を発揮するとともに、受信マージンを容易に測定できることにより、より安定した受信システムの構築が期待できます。

○ 開発した測定器は、11月20日より幕張メッセで開催される「国際放送機器展(InterBee2007)」において展示する予定です。NHKは今後も、地上デジタル放送の普及推進ならびに受信システムの効率的な整備・維持に向け、測定器をはじめとした様々な機器の研究・開発を進めます。

※周波数変換パススルー方式:地上デジタル放送のUHF帯の信号を、VHF・MID帯やSHB帯など低い周波数に変換して伝送する方式

【諸元】




【本器の外観】




【使用イメージ】

 
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