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◆視聴者が撮られたハイビジョン素材も放送に有効活用
〜 ハイビジョン信号の民生-プロ機器変換装置を開発 〜
(平成17年7月19日)

 

○ NHKは、アストロデザイン(株)と共同で、ハイビジョンの民生用機器とプロ用(放送用)機器を接続するための変換装置を開発しました。

○ ハイビジョンの民生用機器とプロ用機器とでは、デジタル信号のフォーマットや電気的条件などインターフェースが異なるため、これまで民生用機器のハイビジョン映像を放送に利用することが困難でした。

○ 今回、開発した変換装置は、民生用デジタルハイビジョンカメラなどの機器のIEEE1394*1信号と、プロ用機器のDVB-ASI/SPI*2信号との相互変換が可能です。このため、民生用カメラで撮影したハイビジョン映像やD-VHS機器の収録映像を、放送局の伝送装置と組み合わせて素材伝送したり、放送用のMPEG2-TS*3信号を、民生用デジタルレコーダー(D-VHS等)にコピーすることができます。

○ BS・地上デジタル放送でお届けしているデータ放送では、制作したコンテンツの確認のために特別な受信機などが必要でした。しかし、開発した装置を用いることにより、市販の民生用デジタル受信機でコンテンツの確認が可能となるため、低コストなシステムを実現できます。また、民生用機器を利用するCATV事業者との番組交換や視聴者の方々からのハイビジョン映像の提供など、さまざまな場面で活用が可能になります。

○ 今後も、NHKはデジタル放送のサービス充実と効率的な運用に向けて、民生用機器の放送への積極的な活用を含め、新しい技術をいち早く取り入れた研究・開発を進めて行きます。


*1 IEEE1394 :
  デジタルビデオカメラの外部出力端子に採用されている。「Fire Wire」や「i.LINK」とも呼ばれている。
*2 DVB-ASI(Digital Video Broadcasting - Asynchronous Serial Interface) :
  DVB(欧州のディジタル放送標準化団体)の標準映像インターフェースで、MPEG2-TS信号を伝送する信号形式。
*3 MPEG2-TS(Transport Stream) :
  BSデジタル放送や地上デジタル放送で用いられるデジタル伝送方式で、映像、 音声、データなどの信号を一括してMPEG2形式でパケット化して伝送する方式。


図. 製品写真、及びシステム構築例



表. システムの特徴
 

特  徴

IEEE1394⇒
DVB-ASI
変換機能
IEEE1394信号(IEC61883-4準拠)のTS信号をDVB-ASI信号に変換。
TS信号のビットレート設定が可能。(設定範囲:100Kbps〜60Mbps)
IEEE1394信号から入力されたTSの情報(NIT、PAT、PMT、PID等)を解析して表示。
DVB-ASI/SPI
⇒IEEE1394
変換機能
DVB-ASI及びSPI信号のTS信号を、IEEE1394信号に変換。
(変換規格はIEC61883-4に準拠)
IEEE1394出力時に、コピー制御機能を付加させることが可能。
(DTCP規格に準拠)
DVB-ASI及びSPI信号から入力されたTSの情報(NIT、PAT、PMT、PID等)を解析して表示。
共通
各種設定データを10種類保存し、読み出し可能。
IEEE1394上に接続された装置名、メーカー名を表示させることが可能。
ハードウェア
サイズ 210 (W) × 44 (H) × 310 (D) / mm
(1Uハーフラックマウントサイズ(突起物含まず))
電源 AC100V (DC12Vオプション)

 
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