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◆目の前の物体がさまざまに変形して見える
立体像提示装置「モルフォビジョン"morphovision"」を開発
〜 岩井俊雄氏と共同で,作品“ゆがむ家”を制作 〜
(平成17年6月6日)


○ NHKは、メディアアーティストで、東京大学先端科学技術研究センター特任教授の岩井俊雄氏と共同で、まったく新しい発想による立体像提示システムの研究を進めてきました。今回、高速回転する物体に特殊な光を照射することによって、目の前の物体が、さまざまな形に変形して見える装置「モルフォビジョン」の開発に成功しました。

○ 「モルフォビジョン」は、暗室の中で高速回転している物体に、回転するミラーを用いてスリット状の光をスキャン投影します。スキャンの間に物体が同期して回転するため、眼の残像効果により、物体そのものが変形しているように見えます。

○ スキャン光は、コンピューターとプロジェクターによって発生させています。光の形状パターンを変えることで、目の前の実物をリアルタイムに変形させて見えるようにすることができます。従来の電子的に合成する立体映像手法と違い、特殊なメガネを使わなくても実際の物体が変形して見え、さまざまな角度から観察できるので、これまで経験したことのない視覚的効果が生まれます。

○ 応用分野として、まったく新しいタイプの展示ディスプレイや、教育、研究分野などが考えられます。また、将来、照射する光のパターンや物体の動きをより細かく制御することで、より汎用性のある新しい立体映像の提示手法に発展する可能性があります。

○ 東京都写真美術館で開かれている「超(メタ)ビジュアル−映像・知覚の未来学」展の中で、6月7日より「モルフォビジョン」を用いた岩井氏の作品“ゆがむ家”をご覧になれます。今後も、NHK放送技術研究所は映像メディアの発展のため、幅広い視点からの研究開発に取り組んで行きます。






 
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