技術情報 NHK information
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。

◆新型モーションコントロール カメラシステム「JaiRo」を開発
〜コンパクトなシステムで、
  高度なVFX映像の効率的な制作が可能に〜
(平成17年2月15日)


○ NHKは、(株)デンソーウェーブ、日本福祉大学と共同で、新型モーションコントロールカメラシステム「JaiRo*1」を開発しました。

JaiRoは、コンピュータ制御により同じカメラの動きを寸分の狂いなく何度も繰り返して撮影できるカメラシステムです。撮影した映像を収録し、多重合成により少ないエキストラを大勢に増やしたり、実写映像とCGとを高い精度で合成することができ、特撮や戦闘の場面など大スペクタクルなシーンで、よりリアルなデジタル映像の制作を可能とします。

○ カメラワークの設定・変更が容易にできる操作機を備え、カメラポジションをスムーズに、高い精度で動かすアームのメカニズムには最先端のファクトリーオートメーション(FA)技術*2を取り入れた、垂直多関節型*3の構造を採用しました。コンパクトなボディサイズで、高さ2.7mからの俯瞰ショットや最高1.5m/sの高速移動ショットが可能です。

○ カメラの動きをCGの制作端末上でシミュレートすることができるため、事前に撮影プランを検討することにより、効率的かつ効果的な撮影が可能です。 

○ NHKは、開発した新型モーションコントロールカメラシステム「JaiRo」を、ドラマや大型企画番組などの最先端のデジタル映像制作に有効に活用していくほか、今後もハイビジョン撮影機器をはじめとした番組の演出効果を高める、さまざまな放送機器の研究・開発に取り組んでいきます。

※1 JaiRo
  Japanese suitable Robotic motion control system for television VFX*4 production
※2 FA技術:
  自動生産ラインに活用されている工業用のロボット技術
※3 垂直多関節型ロボット:
  産業用ロボットの一種。人間の肩から手首までの関節のような自由度を有する
※4 VFX:  
  Visual Effectsの略。映画や特撮ドラマで現実には見ることのできない映像効果を実現するための技術

[諸 元]

項目
仕様
駆動軸数 7軸(6軸+走行1軸)
カメラ光軸高さ(参考値)*1 -400mm〜2700mm
パン角度*2 360º 全旋回 (全軸総合)
チルト角度*3 −60º〜+30º (カメラ部)
アーム最大速度 2m/s
最大走行速度 1.5m/s
走行長 標準10m (レール6本連結時)
最大搭載カメラ質量 10kg
本体重量 480kg (コントローラ、レールを除く)


※1 カメラ光軸高さ: カメラに装着されたレンズ中心の高さ。撮影する高さとなる
※2 パン角度:  水平方向に回転する角度
※3 チルト角度:  垂直方向に回転する角度


[JaiRoの外観]
 
ページトップにもどる
経営情報へ戻る前に戻る