技術情報 NHK information
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。
◆高画質のハイビジョン・ハイスピードカメラを開発
〜 CMOSを使い毎秒300フレームのハイビジョン撮影を実現 〜
(平成16年12月13日)


○ NHKと(株)ナックイメージテクノロジーは、最大で毎秒300フレームの撮影が可能なハイビジョン・ハイスピードカメラを共同開発しました*1

○ 開発したカメラは、走査線1080本に対応したハイビジョンCMOS*2撮像素子を赤、緑、青のチャンネルに使用(3板式カラー)しているため、解像度が高く、色再現にも優れた高速度撮影が可能です。

○ カメラヘッド部分にICメモリを搭載しており、毎秒300フレームの撮影で約10秒間の映像を録画できます。プログレッシブ方式で録画するため、ストップモーションや可変速スロー再生をしてもハイビジョンの高画質が維持されます*3

○ カメラヘッドは自由なカメラアングルを可能とする小型のハンディースタイルです。ICメモリにより、撮影・収録後、すぐに再生ができるため、スポーツ中継、科学教育、ドラマなどの番組制作や、デジタルシネマ、CM制作などあらゆる分野での利用が期待されます。

○ NHKは、開発したハイビジョン・ハイスピードカメラを、2005年1月より放送予定の「新シルクロード」のオープニング・タイトルバックの制作にはじめて使用しました。高速度撮影による、繊細でダイナミックなハイビジョン映像をお届けします。


※1 通常の60フレームに比べて5倍の速度で撮影可能。これまでのハイビジョン高速度撮影では3倍速までが限界であり、撮影速度を上げると解像度が低くなる関係にあった。
※2 Complementary Metal-Oxide Semiconductor. CMOS撮像素子はCCDに比較して、省電力高集積化、並列読み出しなどのメリットがある一方で、ノイズが多いなどの課題があったが、ノイズ除去技術の進展でデジタルカメラ上級機種の撮像素子などに使用されはじめた。
※3 プログレッシブは、全画素を上から下へ順番に線順次で走査する方式。インターレースは、奇数走査線と偶数走査線の2回に分けて飛び越し走査を行う。プログレッシブで映像を記録すると静止画の情報量がインターレースの2倍になるため、速度を可変してスロー再生する場合に、垂直方向の解像度を高く表現できるという特長がある。


[開発したフルスペック・ハイスピードカメラの外観]

[諸 元]
撮像素子
 (画素数)
CMOS (1920画素×1080画素)
映像信号形式 3板式カラー プログレッシブ読み出し
10bit、RGB=4:4:4
撮影コマ数 1〜300フレーム/秒
記録媒体 ICメモリ(約8ギガバイト×3チャンネル)
記録時間 300フレーム/秒時で10秒間
アスプクト比 16:9 
映像出力 Y、Pb、Pr(1080/60i)  :1系統
HD-SDI (1080/60i)   :4系統
HD-SDI Dual Link(1080/60p) :2系統
使用レンズ 2/3インチ型B4バヨネット
構成 ハンディータイプのカメラヘッド 
カメラ・コントロール・ユニット(CCU)
リモート・オペレーション・パネル
スローモーション・コントローラ
カメラケーブル 複合光ケーブル1本、
2波長多重、最大伝送距離2km
消費電流 約 100V 1.5A
寸法 カメラヘッド 153mm(W)×310mm(H)×415mm(D)
CCU 424mm(W)×132mm(H)×480mm(D) (3U)
重量 カメラヘッド 約 7.7kg (ビューファインダ含む)
CCU     約 20kg
 
ページトップにもどる
経営情報へ戻る前に戻る