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技術情報

  ワイヤレスカメラ簡易中継システムを開発
〜ハイビジョンワイヤレスカメラによる簡易中継が可能に〜
(平成16年9月16日)

○ NHKはハイビジョンワイヤレスカメラ*1を使用して、最小限の人数で迅速にハイビジョン中継が行えるワイヤレスカメラ簡易中継システムを開発しました。

○ 今回開発したワイヤレスカメラ簡易中継システムは、ハイビジョンワイヤレスカメラとQAM*2/OFDM*3伝送方式に対応したハイビジョンワイヤレス中継装置を組み合わせ、中継現場の映像・音声を簡単に放送局まで伝送することを可能としました。

○ ハイビジョンワイヤレス中継装置は、伝送に使用する電波の周波数をカセットの差し替えで変更するなど小型軽量化を図りました。無線伝送装置は送信機と受信機のセットで5.5kgと、従来のハイビジョン無線伝送装置に比較して軽く、また小型アンテナなどで構成することでコンパクトな形状となりました。

○ NHKは地上デジタル茨城県域放送の開始に合わせ、このワイヤレスカメラ簡易中継システムを水戸放送局に整備します。ニュース中継や番組制作などで少人数による効率的なハイビジョン中継に活用していく予定です。

※1 池上通信機(株)、(株)NHKテクニカルサービスと共同開発。
2003年11月13日 報道発表。

※2 QAM方式:直交振幅変調方式(Quadrature Amplitude Modulation)で、長距離のデジタルマイクロ信号伝送に広く使われる方式。周波数を効率的に運用できる。
※3 OFDM方式:直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)で、地上デジタル放送に用いられるなど、ゴーストや移動伝送に強い広帯域伝送用多重方式。

[諸 元]
  受信部(OFDM方式) 送信部(QAM方式)
無線伝送装置サイズ
(バッテリーを除く)
(mm)
170Wx90DX240H 140Wx210DX70H
重量
(バッテリーを含む)
3.0kg(本体のみ) 2.5Kg(本体のみ)
消費電力 30W以下 45W以下
変調方式 QAM(ARIB STD-B11準拠)
QAM-OFDM(ARIB STD-B33準拠)
周波数 C/Dバンド(7GHz/D6)
(チャンネルカセット交換で変更)
C/Dバンド(7GHz/C1)
(チャンネルカセット交換で変更)
送信出力
0.3W
伝送速度 VLR (Very Low Rate)
23.859Mbps
16QAM−OFDM(1/2)
LR  (Low Rate)
23.824Mbps
32QAMトリレス(3/4)
内蔵レートコンバータにより変換
伝送距離 HVワイヤレスカメラ(50mW)
→ワイヤレス中継基地
  800m(見通し内)
ワイヤレス中継基地
→水戸会館
  (最大60Km程度)*1
※1…送信側0.3φアンテナ、会館受信側0.6φアンテナ使用時 

 



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