NHK INFORMATION
技術情報

  ◆さまざまな回線を束ねてブロードバンド網として
活用できる「回線束ね装置」を開発(平成16年5月12日)
○ NHKは、(株)フォトニクスグループの(株)WAVEと共同で、FOMAやPDC、PHS、ISDNなどの多種の通信回線を束ねてブロードバンド網として活用できる小型で低価格な「回線束ね装置」を開発しました。

○ NHKは、事件や事故の一報映像をいち早く放送するため、携帯電話等の映像も積極的に利用していますが、さらに良い画質で迅速に現場の様子を伝えることが可能な機動性の高い機材開発に取り組んでいます。

○ 今回開発した装置は、同じ種類の通信回線を最大8回線まで束ねることができるほか、異なった通信回線の組み合わせでも最大16回線束ねて伝送することができます。そのため、映像伝送時の画質が向上し、なめらかな動画像も伝送することが可能になりました。また、多数の回線を同時に接続できるため、万一、一部の回線が断線しても、自動的に再接続したり、残りの回線で補間できるなど、運用の安定性が増します。

○ 大きさはA5サイズ程度で、重さ約1.6kgと小型軽量化をはかり、DC12Vのバッテリーで使用できるため、容易に持ち運んで利用することができます。外部機器のインターフェイスとして、USBやLANのポートを備えているため、映像伝送装置以外のパソコンを使用した通信にも利用できます。

○ 今回開発した「回線束ね装置」により、携帯電話の特長である「いつでも」「どこでも」に加えて「早い」「切れない」通信が可能になります。今後、放送分野での活用に加えて国や自治体の非常災害通信での利用など幅広い応用も考えられます。


回線束ね装置の諸元
 
WM-400 (4CHタイプ)
WM-800 (8CHタイプ)
回線側
インターフェイス
PCカードスロット×4,
シリアルコネクタ(Dsub-9)×4
PCカードスロット×8,
シリアルコネクタ(Dsub-9)×8
機器側
インターフェイス
USBコネクタ×1
 (USB2.0 Full Speed, コネクタ形状 Bタイプ)
LANコネクタ×1
 (100BaseT対応、コネクタ形状 RJ-45)
シリアルコネクタ(Dsub-9)×1
電源 付属ACアダプタ(入力100〜240V, 出力DC12V5A)
またはバッテリー
バッテリ
駆動時間
HP-90L(パコ電子)
連続6時間以上
(FOMA F2402×4使用時)
HP-90L(パコ電子)
連続2時間以上
(FOMA F2402×8使用時)
対応端末 FOMA, PDC, GSM, PHS, PSTN,
ISDN, WideStar, インマルサット
外形寸法・重量
(本体のみ)
220(W)×86.5(H)×143(D)mm
約 1.6kg
220(W)×86.5(H)×143(D)mm
約2.5kg


【図1】回線束ね装置の概観図
 

【図2】 回線束ね装置の使用例 概念図
 


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