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技術情報

  ◆ハイビジョン-民生機器 信号変換装置を開発
〜 放送波でなくても、D−VHSへ簡単にデジタル録画可能に 〜
(平成16年3月18日)


○ NHKは、アストロデザイン(株)と共同で、民生機器の活用や視聴者の方が撮影されたビデオを放送に利用することを目的にハイビジョン用民生機器信号変換装置(TS/IEEE1394コンバーター)を開発しました。 ○ 開発した装置(TI−5104)は、放送局内で使用されるハイビジョン映像信号(HD−SDI信号)を、BS/地上デジタル放送の放送波として使用 しているMPEG2−TS信号 *1 に変換(符号化)し、D−VHSなど民生用のVTRなどにデジタル録画をおこなうことができるインターフェイスコンバータです。逆に、D−VHSに録画された映像を復号化し、HD−SDIで出力することもできます。

○ MPEG2−TS信号を扱っているので、MPEG2−TS信号をやりとりできるIEEE1394端子 *2 をもつ機器であれば、ハイビジョン信号のデジタル記録・再生に使用することが可能です。今回開発した装置を使用すれば安価なD−VHSなどの民生機器をハイビジョン機器の収録・再生機として放送に活用することができます *3

○ 将来、視聴者の方が民生用デジタルハイビジョン機材で作成した素材を放送局にご提供いただく場合にも、この装置があればそのまま放送することも可能になります。今後とも、よりハイビジョン機器が使いやすく、普及するように新たな研究・開発を続けていきます。


*1 MPEG2−TS(Transport Stream) : BSデジタル放送や地上デジタル放送で用いられるデジタル伝送方式で、映像、音声、データなどの信号を一括してMPEG2形式でパケット化して伝送する方式。
*2 IEEE1394端子 : デジタル放送受信機とD−VHS方式のVTRを接続する場合に使用する端子でMPEG2−TSのデジタル信号やVTR制御用信号が流れる。
*3 4月5日から実施される著作権保護用のコピー制御信号でコピー保護されたものについては、HD−SDI信号に復号化できません。


【写真1】 TI−5104の外観

【写真1】 TI−5104の外観



仕  様
 
TI−5104/CODEC
共通 TS入力
TS出力
iLink
DVB-ASI  最大35Mbps
DVB-ASI  最大35Mbps
IEEE1394.a
映像入力   HD-SDI SMPTE292準拠
映像出力
ゲンロック
  HD-SDI SMPTE292準拠
3値同期信号
音声入力   AES3準拠 (AES1〜AES4)
SDI重畳音声 SMPTE299M準拠
符号化方式1:MPEG2 AAC LC-Profile
符号化方式2:MPEG2 BC
符号化方式3:リニアPCM
オーディオサンプリング用クロック 48KHz
音声出力   AES3準拠 (AES1〜AES4)
SDI重畳音声 SMPTE299M準拠
外形寸法   430(w)×86(H)×350(D)mm
重量   約12Kg














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