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技術情報

  ◆60GHz帯の電波を用いた
BSデジタル放送の再送信システムを開発
(平成15年9月30日)


○ NHKは、60GHz帯のミリ波を用いた衛星放送の再送信システムを、マスプロ電工(株)、(株)村田製作所と共同で試作・開発しました。 ○ 衛星放送用の共同受信設備がなく、南西側に向けてアンテナを設置できない集合住宅などでは、衛星放送の受信が困難な家庭があります。BSデジタル放送の普及拡大に向けては、このような集合住宅での受信インフラ整備が課題となっています。

○ 今回、無線局免許が不要で最大2.5GHzの帯域が利用できる60GHz帯(59GHz−66GHz)のミリ波の電波を使った、衛星放送の再送信システムを開発しました。開発したシステムは、BS放送(最大12波)だけでなく、110度CSデジタル放送(最大12波)をまとめて伝送することができます。BS/CS-IF信号*1が伝送できない集合住宅での新たな受信方法の1つとして、早期の実用化を目指しています。

○ この再送信システムは、屋上のアンテナで受信した衛星放送波を、ミリ波送信機で60GHz帯の信号に変換して各家庭に設置されたミリ波受信機まで送ります。そして、ミリ波受信機で60GHz帯の信号をBS/CS-IF信号に戻して、市販の受信機に送るという簡単な構成です。今後、集合住宅での伝送実験を行うとともに、さらなる特性改善を進めていきます。

○ 開発したシステムは、10月7日から11日まで開催される「シーテックジャパン 2003」において、マスプロ電工および村田製作所のブースで展示されます。


*1衛星放送の受信アンテナでは、衛星の信号(12GHz帯)を、BS/CS-IF信号と呼ばれる1GHz帯の信号に変換して出力します。



図1 衛星放送の再送信システムの設置例
図1 衛星放送の再送信システムの設置例


図2 再送信システムの構成例
図2 再送信システムの構成例











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