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◆バーチャルセットでの新技法を開発
〜バーチャルセットのなかで自然な演技が可能に〜
(平成13年11月29日)
○ NHK放送技術研究所は、スタジオで出演者が合成映像を利用して番組を制作するときに、より自然に演技ができる『見えるバーチャルセット』を新たに開発しました。
○ 最近CGを活用した合成映像を利用した番組が増えてきています。一般的には背景や説明用に作られたCG画像とカメラの実写映像をクロマキーと呼ばれる合成装置を利用して制作しています。ただ、これまでの合成映像の制作では合成される画像がスタジオにいる出演者には直接見えないため、出演者の視線や動作が不自然になり、合成画像を利用した解説を行うときには、指し示す位置にズレが生じるなどの問題点がありました。
○ 今回開発したシステムでは、合成するCG画像やグラフをスタジオセット上に直接に投影できるので、出演者は投影された画像を直接視認しながら解説を行うことができます。このため出演者の目線に不自然さがなくなり、極めて自然なアクションで解説を行うことができるようになりました。この投影光はカメラには映らないため、最終的な合成映像には影響を与えません。
○ このバーチャルセットは、高速に透過遮蔽が切り替えられる液晶シャッターを組み込んだプロジェクターによる投影と、CCDカメラの電子シャッター機能を組み合わせたものです。画像やグラフなどをCCDカメラの電子シャッターの未露光時間にスタジオセットに投影するため、肉眼では見えますが撮影映像には映らないようになっています。
○ 12月4日に教育テレビで放送予定の『NHK人間講座「学歴社会という神話」〜戦後教育を読み解く〜』で使用しています。今後も様々な番組でこのバーチャルセットを活用し、番組の充実を図っていきます。
システム概要図
動作タイミング図
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スタジオでの撮影風景
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CCDカメラ映像出力
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最終映像出力
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(簡略化したCG画像を
セットに投影)
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(投影したCG画像が
映っていない)
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(CG画像と合成した映像)
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