NHK INFORMATION
技術情報

  ◆ 超高感度ハイビジョンハンディカメラの開発
〜夜間緊急報道に威力を発揮〜

(平成12年4月27日)

○NHK放送技術研究所(山田 宰 所長)は、暗い被写体でも鮮明な映像が得られ、機動性にも優れた超高感度で小型のハイビジョンハンディカメラを開発しました。これにより、デジタルハイビジョン放送の時代を迎えるなか、緊急報道やサイエンス番組など多様化する番組への対応が可能になります。

○今回開発した新スーパーハープ方式撮像管を用いたカメラの主な特徴は次のとおりです。

(1)超高感度(通常のCCDカメラの約100倍の感度、これまでの新スーパーハープ方式撮像管カメラの約2倍のSN比)
(2)小型(バッテリー駆動、VTR一体化が可能)

テレビカメラの感度や画質は、その中で使われている撮像デバイス(光を電気信号に変換する役割を担う)の性能で決まります。このためNHKは世界に先駆けてハープ方式撮像管と呼ぶ"電子のなだれ増倍現象"を利用した、高感度で高画質な撮像デバイスを開発し、番組制作に活用してきました。

今回、このハイビジョン用新スーパーハープ方式撮像管の一層の感度向上と画質改善を図るとともに、回路のIC化を進め、超高感度・小型ハイビジョンハンディカメラを開発しました。

○今回のカメラはVTRとの一体化が可能なため、機動力が大幅に向上します。これにより、照明の当てられない夜間の緊急報道や、夜行性動物などを撮影するサイエンス番組での活躍が可能となります。

また、今回開発した超高感度で高画質な撮像技術は、ガンの早期発見等を目的としたX線医療診断実験装置や深海探査機など、放送以外の分野でも活用できます。

このカメラは4月29日(土)から5月7日(日)に放送センターで開催されるBSデジタルフェアで展示されるとともに、有珠山中継での利用も予定されています。


〈カメラ仕様〉
●形 態  VTR一体型ハンディカメラ
●大きさ  43cm(W)×34cm(H)×18cm(D)
       (ハイビジョンCCDカメラとほぼ同じ)
●重 量  約9kg
ただし、一体型搭載用VTRの完成まではVTRは外付けで運用。














技術情報一覧
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます