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技術情報

  ◆低価格で普及しやすいケーブルテレビ用BSデジタル放送伝送システムを開発(平成12年2月18日)

○NHKは、今年12月に開始されるBSデジタル放送が、BSアンテナによる直接受信と同様にケーブルテレビにおいても受信できる伝送方式について、研究開発を行ってきましたが、このほど、ケーブルテレビのタイプに応じた2つの普及型伝送システムを開発しました。

○それぞれのシステムの特徴は次の通りです。

「パススルー方式」

 BSデジタル放送の信号を低い周波数に変換してケーブルテレビに伝送するシステムで、各家庭ではこの信号を元の周波数に戻す「アップコンバータ」を設置し、その出力をBSデジタルチューナ内蔵テレビ(又は、BSデジタルチューナ)に接続して受信します。
 このシステムの「ダウンコンバータ」、「アップコンバータ」とも極めて低コストで導入できる反面、BSデジタル放送の全てを伝送するのに約30チャンネル分の周波数幅が必要となるため、伝送帯域に余裕のあるケーブルテレビに適しています。

「トランスモジュレーション方式」

BSデジタル放送信号の変調方式をケーブルテレビ伝送に適した方式(64QAM複数TS方式)に変換して伝送するシステムで、各家庭ではケーブルテレビ用受信端末(CATV用STB)をテレビ受信機に接続して受信します。この伝送システムは、「パススルー方式」に比べ、若干コスト高となりますが、8チャンネル分の空きがあればBSデジタル放送の全てを伝送でき、また、現行のハイビジョンテレビや標準テレビで受信できます。

○上記のトランスモジュレーション方式に用いられる「64QAM複数TS方式」については、現在、国や民間機関で規格化に向けた審議、検討が進められており、NHKとしても積極的に協力しております。
 なお、この2つの方式のほかに「リ・マックス方式」が既に規格化されており、実用化に向けた検討が進められています。

○上記のトランスモジュレーション方式に用いられる「64QAM複数TS方式」については、現在、国や民間機関で規格化に向けた審議、検討が進められており、NHKとしても積極的に協力しております。
 なお、この2つの方式のほかに「リ・マックス方式」が既に規格化されており、実用化に向けた検討が進められています。

○今後NHKは、5月のBSデジタルフェアーや、その後の沖縄サミット、シドニーオリンピック等のイベントに合わせて、これら伝送システムの展示やケーブルテレビでの試験伝送などを行い、普及に努めていきたいと考えています。











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