NHK INFORMATION
技術情報

 
◆ハイビジョン用超高感度カラーカメラ(I.I.[アイアイ]カメラ)の開発(平成10年10月9日)
〜天体撮影に威力を発揮〜
I.I.カメラによる天体映像(ハワイ・マウナケアにて撮影)



NGC891銀河(アンドロメダ座)
3100万光年彼方にあり、我々の銀河に最も似ているといわれる




網状星雲(白鳥座)
超新星爆発の残骸で、ガスの帯が広がっている

 NHKは通常のカメラの3000倍の感度をもつハイビジョンの超高感度カラーカメラを開発しました。人の目では見えない僅かな光の中でもハイビジョンによる精細な映像が撮像できます。

 今回開発したカラーカメラは、I.I.(イメージ・インテンシファイヤ)とよばれる光増倍デバイスとハイビジョン用のCCDで構成されています。精細なハイビジョン映像品質を維持しながら、特別に高い感度を得ることができます。

 この高感度カメラにより昨夜ジャコビニ流星群の撮影に成功しました。今年の11月に大出現が予想される「しし座流星群」もこのカメラを使って撮影する準備を進めています。なお、ハワイのマウナケア山頂にある口径2.2mの反射望遠鏡による17等星の暗い天体(北極星の約100万分の1の明るさ)の撮影もすでに行っており、この映像は来年完成する世界最大の反射望遠鏡「すばる」(日本がハワイに設置)に関する番組に使用する予定です。

 NHKではすでに通常カメラの100倍程度の感度をもつハイビジョン新スーパーハープカメラを開発しています。これは小型で機動性に優れ、昼も夜も撮像できることから報道取材用途などへの適用が期待されます。今回のI.I.カメラについては天体撮影など特に高い感度を必要とする用途での活用が予定されています。

 今後NHKはそれぞれ特徴をもったカメラを駆使し、精細で迫力のある高感度映像によるハイビジョン番組の充実を図っていくことにしています。












技術情報一覧
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます