日本放送協会 理事会議事録  (平成24年 8月28日開催分)
平成24年 9月21日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成24年 8月28日(火) 午前9時00分〜9時35分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、塚田専務理事、吉国専務理事、冷水理事、
 石田理事、木田理事、新山理事、久保田技師長、板野理事、上滝理事、
 福井理事
 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)平成24年度後半期の国内放送番組の編成について
(2)平成24年度後半期の国際放送番組の編成について

2 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成24年7月末)
(2)予算の執行状況(平成24年7月末)
(3)放送技術審議会委員の委嘱について


議事経過

1 審議事項
(1)平成24年度後半期の国内放送番組の編成について
(編成局)
 平成24年度後半期の国内放送番組の編成について、審議をお願いします。
 後半期は、「平成24〜26年度 NHK経営計画」の第1四半期における複数の指標での評価を踏まえ、各波が公共放送として果たすべき使命の達成に引き続き全力で取り組むとともに、夜間帯を中心に改定を行い、さらに質の高いニュースや番組の提供に努めます。  
 後期改定は、各波とも10月1日から実施しますが、BS1は、野球のシーズンオフや欧米の冬時間にともなう改定のため、11月5日から実施します。
 各波の主なポイントを説明します。
 まず、総合テレビです。「連続テレビ小説」は、大阪放送局制作の「純と愛」が、10月1日に始まります。沖縄と大阪を舞台に、沖縄出身のヒロインが大阪で夢に向かって歩んでいく姿を描きます。
 また、「大河ドラマ」は、25年1月から、「八重の桜」を放送します。52作目となる作品で、江戸から明治へ移り変わる会津藩を舞台に、同志社を創設した新島襄の妻となった八重の人生を描きます。会津武士道を胸に生涯自分の可能性に挑み続け、すべての人の幸福を願った八重と仲間たちの愛と希望の物語を通して、復興に向かう福島・東北・日本全体へのメッセージとなることを目指します。
 夜間帯の番組の充実・強化を目的に、月曜日午後10時には「ファミリーヒストリー」を新設します。各界で活躍する著名人の家族の歴史をひも解く中で、築かれた絆やアイデンティティーを見つめ直す過程を描く番組です。これまで特集番組として放送して人気を集めてきた同番組を、定時で編成します。また、火曜日の午後10時55分のドラマ枠「よる☆ドラ」では、9月4日から新シリーズ「眠れる森の熟女」(全9回)を放送します。木曜日午後8時には、10月18日から11回シリーズで、BSプレミアムで好評の時代劇「薄桜記」を放送します。
 木曜日午後10時台には、23年度後期に放送した、地球上のさまざまな“イチバンの地”を訪ねる紀行教養バラエティ「地球イチバン」を復活させるほか、午後10時55分からは、「あなたが主役50ボイス」を、半年ぶりに放送します。
 さらに、日曜日の深夜0時10分の放送枠は、新たな演出手法等への挑戦に取り組む場とし、10月22日からは、同じ道を究めた3人のカリスマが一堂に会し、司会者を交えず「技と心の真髄」を語り合うトーク・ドキュメンタリー「ディープピープル」を放送します。
 次に、Eテレについてです。編成の変更ではありませんが、日曜日午後9時の「ららら♪クラシック」で、これまで月に1回程度お送りしてきた「N響スペシャル」について、視聴者からの要望に応えて、9月からは一層、NHK交響楽団の演奏を中心とした内容とし、新聞のテレビ欄等でもその内容がわかりやすくなるよう工夫します。
 海外ドラマでは、水曜日午後7時25分から、学園コメディー「ビクトリアス」がスタートするほか、土曜日午後10時55分から青春ミュージカルコメディー「glee」の第2シリーズを放送します。
 アニメ番組は、土曜日午後5時30分から「バクマン。」の第3シリーズを放送します。また、金曜日午後11時台の、一流のアーティストが音楽やアートの本質に迫る音楽教養番組では、10月5日から「佐野元春のソングライターズ」(全12回)を、25年1月4日からは「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」(全12回)を放送します。
 BS1は、野球シーズンやサマータイムなどの終了に伴い、番組編成を一部見直します。午後7時から9時は「エキサイティングスポーツ」の枠として、プレミアリーグやセリエAなどヨーロッパのサッカー、アメリカのNFL、NBAなどを中心に編成します。朝の情報番組「ワールドWaveモーニング」は、冬時間となる海外の最新ニュースを伝えるため、放送の開始時間を午前6時から7時に変更し、放送時間も短縮します。また、日曜日午後6時に「BS1スポーツドキュメンタリー」を新設し、著名なスポーツ選手やチームを追うことにとどまらず、地域に根ざしたスポーツにもスポットを当てていきます。ランニング情報番組として今年度新設した「ラン×スマ〜街の風となれ〜」は、月1回放送していたものを毎週の放送に拡大します。
 BSプレミアムは、“本物志向の教養・娯楽チャンネル”として、夜間帯を中心に新番組を編成します。水曜日午後9時には「追跡者 ザ・プロファイラー」を新設し、“偉大な英雄”“万能の天才”などとうたわれた人物を最新の調査・資料を基にもう一度プロファイルし、意外な素顔や歴史的事件の真相に独自の視点で迫ります。また、水曜日午後11時15分には、“カラダ”に関する悩みを抱えた女性たちを応援する美容情報番組 「女神ビジュアル」を新設します。土曜午後11時15分に新設する「プレミアムよるドラマ」では、週末の夜にリラックスして楽しめる連続ドラマを編成します。火曜日午後7時30分からは、「イッピン」を放送します。世界で人気を集める日本ならではの伝統技術などの“一品・逸品”の人気の秘密に、科学的なアプローチや驚きの映像で迫ります。そのほか、子ども向けの人気番組「ワンワンパッコロ!キャラともワールド〜みんなDEどーもくん〜」や子ども向けアニメなどを、平日夕方の時間帯に効果的に編成します。
 ラジオ第1は、日本のプロ野球のシーズンオフに伴い、プロ野球中継に代わり、木曜日午後8時5分からは「かれんスタイル」を、金曜日午後8時5分からは「いとしのオールディーズ」を放送します。
 FM放送は、土曜日午後9時の「名曲の楽しみ」の後番組として、1月から、音楽評論家の片山杜秀さんの解説で名曲を紹介する「クラシックの迷宮」を新設します。
 なお、ラジオ第2、ワンセグ独自放送については、変更はありません。
 以上の報告内容が決定されれば、9月11日開催の第1173回経営委員会に報告します。

(会 長)  基本的に大幅な改定ではありませんね。
(編成局)  大きな変更はありません。もともと半期クールで予定していた番組の入れ替えと、第1四半期の状況を踏まえた一部の番組の移設です。
(会 長)  「ららら♪クラシック」の変更は、視聴者の意見を反映してのものですか。
(編成局)  これまでも、月に一度「N響スペシャル」のコーナーを設けていたのですが、視聴者の要望を受けてさらにたっぷりとN響の演奏を聴けるようにし、また、新聞のテレビ欄などでの周知も強化します。
(会 長)  今年4月からスタートした、総合テレビ「連続クイズ ホールドオン!」については、どう評価していますか。
(編成局)  世帯視聴率が4〜5%台となり、しだいに浸透してきていると思います。番組の認知度も上がってきたため、深夜に編成していた再放送は後期から廃止することにしました。また、夏休み期間中は、放送時間を繰り上げて正午の「ニュース」の後に編成し、親子大会を行うなど視聴者層の拡大を図りました。
(会 長)  原案どおり決定します。

(2)平成24年度後半期の国際放送番組の編成について
(国際放送局)
 平成24年度後半期の国際放送番組の編成について、審議をお願いします。
 今年度は、4月の番組改定で外国人向けテレビ国際放送(NHKワールドTV)を中心に大幅な改定を行ったため、後半期は特段の変更は行わず、来年度以降の番組の開発を進めていきたいと思います。
 まず、NHKワールドTVについては、水曜日午後11時30分からの時間帯に11・12月は「WORLD TV TRYOUT」を新設し、来年度以降の定時番組化を見据えた開発番組を編成する枠とします。同じく1〜3月は「VIEWERS´CHOICE」を新設し、海外のモニター視聴者から好評だった番組を、寄せられた意見を冒頭で紹介したうえでアンコール放送し、視聴者とのつながりの強化を目指す番組とします。
 日曜日午前11時55分には、ミニ番組「NHK Documentary 5min.」を新設します。総合テレビで「NHKスペシャル」の見どころを5分間に要約したミニ番組「Nスペ5min.」が新設されますが、それを英語化するもので、海外に向けて「NHKスペシャル」の英語版「NHK Documentary」の事前告知を強化していきたいと思います。
 ラジオ日本については、ヒンディー語と朝鮮語の放送について、放送時間の変更を行います。
 以上の報告内容が決定されれば、9月11日開催の第1173回経営委員会に報告します。

(会 長)  国際放送の強化についてはどのように考えていますか。
(国際放送局)  国際放送の強化にあたっては、放送内容の充実と視聴者層の拡大の2点が必要と考えています。そのうち、視聴者層の拡大については、先般、ミャンマーで新たに放送を開始したほか、アメリカの大都市圏での今後の展開について調査を進めています。ヨーロッパの放送事業者の中には、放送を行う条件として「契約者を限定した、パソコンやモバイル端末でも視聴できるマルチスクリーン・サービス」を挙げるところもあり、対応を急いでいますが、現在のヨーロッパの視聴者を一層拡大する方向で検討していきたいと思っています。
(会 長)  原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成24年7月末)
(営業局)
 平成24年7月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 まず、第2期(6月・7月)の収納額は1,074.4億円で、前年度同期を32.5億円上回りました。年間累計は、2,119.0億円で、前年度同時期を67.0億円上回っています。
 一方、前年度分回収額実績は10.7億円と、前年度同期を1.0億円下回り、前々年度以前分回収額実績も、6.1億円と前年度同期を0.4億円下回りました。
 放送受信契約総数の増加状況について、第2期は、取次が45.2万件と前年度同期を2.9万件下回ったものの、減少も38.9万件と前年度同期に比べ4.2万件下回ったため、増加数は前年度同期を1.3万件上回る6.3万件となりました。
 第2期の衛星契約増加については、取次が前年度同期に比べ1.8万件下回り、減少は前年度同期を1.3万件下回ったため、増加数は前年度同期を0.5万件下回る14.1万件となりました。
 第2期の未収者削減については、前年度同期を2.1万件下回る3.9万件の削減となりました。その結果、7月末の未収現在数は、170.2万件となっています。
 最後に、第2期の口座・クレジットカード支払の増加数は、前年度同期を2.8万件上回る13.2万件となりました。
 以上の内容は、本日開催の第1172回経営委員会に報告します。

(会 長)  第2期の契約総数増加は前年度同期に比べて増えていますが、取次数は前年度同期に比べ減少しています。減少数がさらに減っているため、差し引きで件数が増加しているということですね。この状況をどのように評価していますか。
(営業局)  取次数の減少の主な要因としては、取次業務を地域スタッフから法人委託へ切り替えを進めている中で、地域スタッフ数が計画より早いペースで減少していることがあります。今後、さらに法人委託を拡大し、地域スタッフ取次の落ち込み分との差を埋めていきたいと考えています。
 また、減少数が減っている主な要因は3つあると見ています。まず、前年度は、東日本大震災やアナログ放送終了に伴い、解約数が多かったこと。2つ目は、昨年度までは、年間振替予定通知に同封した住所変更届により、年間約16万件の住所変更を受理していましたが、経費削減のため送付を廃止したことで、第2期では住所変更が前年度に比べ約2万件減少し、それに伴う転出元の減少が減ったこと。さらに3つ目は、継続振込から口座・クレジット支払いへの移行を進めてきたことにより、契約が安定して維持できるようになり、転居先不明などの減少数が減ったことがあります。
(会 長)  今の状況は、営業改革の進展と、計画を上回るペースでの地域スタッフ数の減少によるということですね。
(営業局)  今後、さらに法人委託の拡大を進め、営業業績の確保と効率的な業務運営を行っていきたいと思います。

(2)予算の執行状況(平成24年7月末)
(経理局)
 平成24年7月末の予算の執行状況について報告します。
 最初に、一般勘定の事業収支の全体概況を説明します。7月末の標準進捗率は、33.3%(4か月/12か月)です。
 事業収入は2,270億円で、進捗率は33.9%(注)と、受信料収入を中心に標準進捗率をやや上回り、順調に推移しています。事業支出は2,076億円で、進捗率は32.0%と、退職手当・厚生費が標準進捗率をやや上回っているものの、全体として堅調に推移しています。この結果、事業収支差金は194億円の黒字となっています。
 事業収入、事業支出それぞれのポイントについて説明します。
 まず、事業収入についてです。
 受信料は、契約総数増加・衛星契約増加の確保に向けて、転居世帯に対する早期の契約取次など積極的な営業活動の展開に取り組んだことにより、順調に推移していますが、10月より受信料の値下げを控えていることから、今後の進捗状況についてさらに注視していきます。副次収入は、番組提供料が伸びず低い進捗率となっています。雑収入は、前々年度以前受信料の回収額が増加しています。
 続いて、事業支出についてです。
 国内放送費は、全体として堅調に推移しており、7月末から始まったオリンピックロンドン大会の放送関連経費の一部が支出されています。契約収納費は、効率的な業務体制の構築など経費抑制に向けた取り組みを計画的に進めており、堅調な支出状況となっています。
 退職手当・厚生費は、23年度の年金資産運用結果が低調であったことや、期待運用収益率の引き下げ等により退職給付費が増加したことにより、進捗率はやや高くなっています。 
 一般勘定の事業収支を前年同月と比較すると、事業収入は受信料収入の増などにより50億円の増、事業支出は国内放送費や退職手当・厚生費の増があるものの、受信対策費の減などにより14億円減で、事業収支差金は64億円の増となっています。
 受信料の状況については、7月末の受信料収入は2,188億円で、前年同月と比較して63億円の増となっています。その内訳は、受信料収納額が67億円の増、回収予定額が3億円の減となり、順調に推移しています。
 最後に、番組アーカイブ業務勘定の状況です。
 7月は見逃し見放題契約・特選見放題契約がともに前年同月比で増加しており、視聴料収入も増加基調を維持しています。事業収入は1.4億円増の4.1億円となりましたが、事業支出は7.0億円となり、事業収支差金は2.9億円の赤字となっています。
 この内容は、本日開催の第1172回経営委員会に報告します。

 注: 平成24年10月以降の受信料値下げの影響を踏まえて補正した率
(会 長)  退職手当・厚生費について、退職給付費が増加しているのはどういう仕組みによるものですか。
(経理局)  23年度決算において年金資産運用結果が低かったことと、今後の見込みが低いため期待運用収益率を4%から3.8%に引き下げたことなどにより、退職給付費が増加したものです。

(3)放送技術審議会委員の委嘱について
(久保田技師長)
 放送技術審議会委員の委嘱について、報告します。
 久保田誠之氏(総務省大臣官房総括審議官)に、平成24年8月1日付で再委嘱しました。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成24年 9月18日
                     会 長  松 本 正 之

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