日本放送協会 理事会議事録  (平成24年 4月17日開催分)
平成24年 5月11日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成24年 4月17日(火) 午前9時00分〜10時00分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、永井技師長、金田専務理事、大西理事、
 今井理事、塚田理事、吉国理事、冷水理事、新山理事、石田理事、
 木田理事
 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1165回経営委員会付議事項について
(2)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(3)地上デジタルテレビジョン中継放送局の設置計画について
(4)視聴者対応報告(平成24年3月)について

2 報告事項
(1)「放送局のちから」活動報告(平成24年3月)
(2)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(3)地上デジタルテレビジョン中継放送局およびFM中継放送局の開
   局について
(4)「NHK情報公開」の実施状況(平成23年度)
(5)個人情報保護の実施状況(平成23年度)

議事経過

1 審議事項
(1)第1165回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 4月24日に開催される第1165回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「オリンピックロンドン大会に係る一部の競技の生中継映像をインターネットを通じて一般に提供する業務の実施について」、「中央放送番組審議会委員の委嘱について」、および「地上デジタルテレビジョン中継放送局の設置計画について」です。また、報告事項として「地上デジタルテレビジョン中継放送局およびFM中継放送局の開局について」、「『NHK情報公開』の実施状況(平成23年度)」、「個人情報保護の実施状況(平成23年度)」、「地方放送番組審議会委員の委嘱について」、「視聴者対応報告(平成24年3月)について」、「平成23年度契約・収納活動結果」、「平成23年度収支決算の速報」、および「平成23年度第4四半期業務報告」です。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(木田理事)
 中央放送番組審議会委員の委嘱について、審議をお願いします。
 平朝彦氏(独立行政法人 海洋研究開発機構理事長)に、平成24年5月1日付で再委嘱したいと思います。
 なお、田中里沙委員(株式会社 宣伝会議編集室長)は、任期満了により3月31日付で退任されました。
 本件が了承されれば、4月24日開催の第1165回経営委員会に諮ります。

(会 長)  原案どおり了承し、次回の経営委員会に諮ります。

(3)地上デジタルテレビジョン中継放送局の設置計画について
(永井技師長)
 地上デジタルテレビジョン中継放送局の設置計画について、審議をお願いします。
 設置に向けての諸条件が整った、11道県の33地区(注1)に、地上デジタルテレビジョン中継放送局(総合・教育24地区、総合のみ9地区)を設置したいと考えます。33地区のうち、4地区はデジタル混信対策地域、7地区は地域放送の難視聴対策地域、その他の22地区はデジタル移行に伴う新たな難視聴対策地域です。いずれも平成24年度または25年度に開局する予定です。
 今回の整備に要する経費はおよそ13億円を見込んでいます。
 本件が了承されれば、4月24日開催の第1165回経営委員会に諮ります。

 注1:地上デジタルテレビジョン中継放送局を設置する地区
 〈北海道〉北芦別、北見仁頃、〈青森〉久栗坂、〈福島〉鹿島栃窪、 小野浮金、〈茨城〉神栖(総合のみ)、筑西(総合のみ)、〈栃木〉那須高原、都賀大柿、益子、新塩原、足利五十部、葛生牧町、みかも山(総合のみ)、〈群馬〉太田(総合のみ)、太田金山(総合のみ)、藤岡鬼石(総合のみ)、〈埼玉〉本庄(総合のみ)、〈千葉〉館山竜岡、富浦、和田、鴨川宮、鴨川平塚、市原牛久、館山南、大多喜三条、〈静岡〉三ケ日都筑、袋井、伊豆東海岸、〈福岡〉久留米東、岡垣(総合のみ)、添田(総合のみ)、〈熊本〉松尾西

(会 長)  地上デジタルテレビジョン中継放送局の設置計画は順調に進んでいますか。
(永井技師長)  計画どおりに進行しています。
(会 長)  原案どおり了承し、次回の経営委員会に諮ります。

(4)視聴者対応報告(平成24年3月)について
(視聴者事業局)
 放送法第27条に定める視聴者対応の状況について、平成24年3月分を以下のとおり取りまとめました。ついては、放送法第39条第3項の規定に基づき、4月24日開催の第1165回経営委員会に報告したいと思います。
 はじめに、“東日本大震災から1年”に関連する番組についての反響です。
 3月10日・11日に放送した「特集 明日へ 支えあおう〜東日本大震災から1年〜」への反響は817件ありました。視聴者からは「大切なのは忘れないこと、震災のことを報道し続けてほしい」、「番組で伝えた『頑張らなくてよい』という声に励まされた」などの声が寄せられました。また、「震災から1年 “明日へ”コンサート」(3月10日放送)へは546件の反響がありました。3月22日に放送したNHKスペシャル「放送記念日特集 NHKと東日本大震災 より多くの命を守るために」への反響は180件あり、視聴者からは「NHKが震災とどう向き合い、今後どのように改善していくかが分かりとてもよかった」などの声が寄せられました。番組では、大津波警報や津波警報が出た際に、切迫感をもって避難を促すように呼びかけのコメントを改善したこと伝えましたが、これについては、評価する声がある一方で、警報が出ても被害がない場合、聞く側に慣れが出てしまうことを危惧する声もありました。震災に関する一連の番組では、地震の激しい揺れや津波が押し寄せる映像を使用しましたが、被災された方や子どもたちに配慮し、放送前のアナウンサーによるコメントや番組冒頭のテロップで、こうした映像を使用することについて、お断りを行っています。
 次に、放送を終了した連続テレビ小説「カーネーション」についての反響です。
 全26週の平均世帯視聴率は19.1%で、過去3年の連続テレビ小説では、「おひさま」(平成23年度前期)の18.8%や「ゲゲゲの女房」(平成22年度前期)の18.6%を上回り、最も高い視聴率となりました。視聴者からの意見や問い合わせも1万件を超え、特に60代の方を中心に多くの反響が寄せられました。また、主役が尾野真千子さんから夏木マリさんに交代したことについて、交代を発表した1月23日以降、否定的な意見や問い合わせが1,647件寄せられましたが、3月3日の主役交代以降は、番組が進むにつれ、交代したことについての好評意見が寄せられるようになりました。
 続いて、撮影時の法令順守や安全対策に関する指摘・意見への対応について、2件報告します。
 関東甲信地方を中心に毎週金曜日に放送している「キッチンが走る!」では、キッチンを備えた自動車“キッチンワゴン”を使用して番組の撮影を行っていますが、移動時の車内の様子について、視聴者から「シートベルトを着用していないのではないか」という指摘が寄せられました。“キッチンワゴン”の車内では、出演者を含む乗員全員がシートベルトをつけて撮影を行っていますが、ベルトが腰の部分を固定する2点式のため、カメラアングルによっては上着の下に隠れてしまい、画面からはベルトをしていることが分からないことがありました。視聴者には、道路交通法を順守して撮影していることを説明しています。
 また、3月17日に放送した「土ようマルシェ」の海釣りのリポートの中で、視聴者から「出演者が救命胴衣(ライフジャケット)を着用していないのではないか」という指摘が寄せられました。撮影では、出演者、スタッフともに救命胴衣を着用していますが、今回使用していた救命胴衣は、腰に巻く“ウエストポーチタイプ”のため、視聴者が救命胴衣とは気づかなかったことが分かりました。
 NHKに寄せられた視聴者の声(意見・要望、問い合わせ)の総数について報告します。
 3月の視聴者の声(意見・要望、問い合わせ)の総数は、36万7,878件で、前月に比べて、問い合わせ件数が9,500件程度増加しています。
 誤記・誤読などに対する指摘は、3月は47件と、前月の62件に比べて減少しています。
 受信料関係についての対応です。
 例年3月から4月にかけては、引越しなどで世帯が大量に移動することもあり、苦情・要望件数も増加する傾向にあります。このため、全国の営業部・センターでは、3月下旬に全ての営業スタッフに対し、お客さま対応の留意点について注意喚起を行うなど、苦情等の抑止に向けた取り組みを進めています。
 その他のNHKの対応について、2件報告します。
 まず、群馬県・栃木県で、テレビの県域放送が始まったことについての対応です。県域放送がスタートした4月1日から8日までの間にNHKふれあいセンター(放送)に寄せられた反響は、366件ありました。地域別では、埼玉県に在住の視聴者からの問い合わせが最も多く、「群馬県の放送が映るが、東京からの放送を見るにはどうすればよいか」などの問い合わせが目立ちました。これは埼玉県北部で、群馬県の中継放送局からの電波を受信されている方が多いためで、個別の受信相談窓口で対応しています。
 東北被災3県のアナログ放送終了についての対応です。東日本大震災の影響により、アナログテレビ放送の終了を延期していた岩手県・宮城県・福島県では、3月31日にアナログ放送が終了しました。NHKの「アナログ放送終了お問い合わせセンター」では、放送が終了する31日前後は、24時間体制で視聴者からの問い合わせに対応しました。寄せられた電話の件数は、画面上でアナログ放送終了の告知を始めた3月12日から31日までの20日間に約1,250件、4月1日から8日までの8日間に約390件ありました。このうち3月31日は485件、4月1日は74件の問い合わせや意見が寄せられました。
 最後に、「視聴者対応報告」の報告方法等の変更について説明します。
 これまで「視聴者対応報告」については、原則、毎月1回、理事会で審議を経たのち、経営委員会へ報告していましたが、放送法では3か月に1回以上の報告が定められていることもあり、経営委員会や理事会の議事を効率化し、集中的に審議・検討を行うため、平成24年度からは、四半期ごとに取りまとめて報告します。「視聴者対応報告」を作成しない月については、「月次報告」として各役員に報告することに変更したいと思います。

(会 長)  原案どおり決定し、次回の経営委員会に報告します。

2 報告事項
(1)「放送局のちから」活動報告(平成24年3月)
(視聴者事業局)
 受信料支払率向上と接触者率向上の経営2目標の達成に向けた「放送局のちから」活動について報告します。
 はじめに、23年度の視聴者満足(CS)向上活動の取り組み結果を報告します。
 23年度は、全国から「放送局のちから」の取り組み報告が2,035件あり、「地域・社会貢献」や「視聴者層拡大」を目指した活動が目立ちました。
 23年度の「ふれあいミーティング」の開催回数は1,229回で、前年度と比べ、312回減少しています。これは、東日本大震災の影響により、4月から6月の間、各地域放送局がミーティングの開催を控えていたことによるものです。このため、参加人数も3万9,663人で、前年度と比べ1万6,564人減少しています。一方、23年度は、とりわけ若い世代からより多くの声を集めようと、大学生向けや子育て世代向けのふれあいミーティングを積極的に開催した結果、40代以下からの意見・要望が全体の57%(前年度43%)に増加しました。
 23年度の「改善」の取り組みについては906件で、前年度と比べて175件減少していますが、このうち視聴者の声を生かした改善件数は267件で、前年度より13%増加の29.6%に達しました。
 次に、地域放送局がCS向上活動を通じて地域貢献に取り組む「戦略提案」についての報告です。
 23年度の「戦略提案」は、地域に身近な題材として16件の提案を採択し、地域の活性化や受信契約対策などに成果を上げました。このうち“地域発ドラマ”で地域の活性化に取り組んだ提案を2件紹介します。
 富山放送局では、ドラマ「港町相撲ボーイズ」の制作に合わせ、県民向けのさまざまなイベントを展開し、イベント参加者(約6,000人)の満足度が86%に達しました。
 また、九州地方では、多くの視聴者から再放送の要望が寄せられていた3本の地域発ドラマを“九州ふる愛ドラマ”と名付けて、3月20日に一挙に放送しました。制作を担当した福岡、北九州、佐賀、および大分の各放送局では、ドラマの舞台となった自治体と連携してPRイベントを開催するなど、地域の活性化に取り組みました。
 続いて、各地域放送局等の「放送局のちから」(平成24年3月分)の取り組みを紹介します。
 福島放送局では、福島県外に避難している県民の方々からの「ふるさと福島の情報が知りたい」という要望に応えるため、23年5月からホームページで“ふるさとニュース”を動画で発信しています。ホームページへのアクセス数は、47万ページビューに達しました。また、東日本大震災から1年となる3月に合わせて、福島県に関わる震災関連番組(3月放送)の情報を分かりやすく伝えるため、ホームページに特設コーナーを掲載するとともに、パンフレットを作成・配布して情報の提供に努めました。さらに、放射線による警戒区域が再編されることに伴い、避難住民の方からの「20キロ圏内の放射線値を伝えてほしい」との要望に応えるため、3月から放射線測定値の情報を放送しています。
 青森放送局では、若手職員によるCS向上プロジェクトを立ち上げ、初めて1人暮らしをする大学の新入学生にエールを送るため、30秒スポットを制作し、3月から放送しています。また、大学周辺マップや書き込み式の時間割表を取り入れた受信料制度のパンフレット「新生活のしおり」を作成・配布し、新生活の応援と受信料制度の理解促進に取り組んでいます。
 高知放送局では、四万十川マラソンの開催(4月1日)に合わせて、ランニングの楽しさや各種情報を伝えるBS1の新番組「ラン×スマ」のPRと衛星放送の普及促進活動を、地元CATVと協力して展開しました。
 営業局中央営業センターでは、連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の舞台である東京都大田区で開催するお祭り“2012蒲田行進曲フェスタ”(4月7日開催)と連動して、番組と衛星放送のPR活動を行いました。
 NHKネットクラブの取り組みについて2件紹介します。
 NHKネットクラブでは、プレミアム会員を対象に、BSプレミアムの新・韓国ドラマ「シークレット・ガーデン」の記者会見(3月4日開催)に83組を招待しました。当日は、主演女優ハ・ジウォンさんや韓流スター役のユン・サンヒョンさんを招いたこともあり、招待された会員は、ブログやツイッターなどで、スターを間近に見られた感激や感想などを掲載していました。
 3月20日に人気の声優が大集合するイベント“NHKアニメ祭り”を開催し、4つのアニメーション番組のスペシャルステージ(ファンミーティング)と特別展示を行いました。その参加者を、NHKネットクラブを通じて募集したところ、ファンミーティングには1,100人、特設展示には3,200人の方が参加されました。ファンミーティングに参加した方には、さらに“ファンリーダー”としてNHKのアニメの魅力をさまざまな形で発信してもらう取り組みも行いました。
 最後に、「『放送局のちから』活動報告」の方法の変更について説明します。
 これまで、「『放送局のちから』活動報告」については、原則、月1回、理事会で報告してきましたが、「平成24〜26年度 NHK経営計画」のスタートに伴い、今後は、新たに「CS向上活動報告」として、四半期ごとに取りまとめて各役員に報告したいと思います。

(会 長)  ふれあいミーティングについて、地域放送局によっては、非常に取り組み件数が多いところがありますが、どのようなやり方で行っているのですか。
(視聴者事業局)  例えば、夕方の地域向け生放送の番組で、見学に来られた方を紹介するコーナーがあり、訪れる視聴者の方が多く、その機会を捉えて、職員がふれあいミーティングを行うなどの取り組みをしています。
(塚田理事)  その放送局では、放送会館の入口のそばにブースを設けて、短い時間でも見学に来られた方とすぐにふれあいミーティングが行えるような工夫も凝らしています。
(会 長)  新年度からは「CS向上活動報告」として報告方法が変わりますので、各地域放送局の取り組みの紹介については、NHK全体に推奨できる、あるいは地域放送局にプラスになるような事例をピックアップするなど、紹介方法も効果があるように工夫してほしいと思います。
(視聴者事業局)  NHKトータルとして、どのくらいお客様と対話活動しているのかや、他の地域放送局が参考になるような事例を紹介できるよう考えていきたいと思います。

(2)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(木田理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱について報告します。
 関東甲信越地方で敦井一友氏(敦井産業株式会社 代表取締役社長)に、中国地方で高橋博子氏(広島市立大学広島平和研究所 講師)に、四国地方で大塚岩男氏(株式会社伊予銀行 専務取締役)に、いずれも平成24年5月1日付で新規委嘱します。また、近畿地方で出川哲朗氏(大阪市立東洋陶磁美術館 館長)に、中部地方で村本淳子氏(公立大学法人三重県立看護大学 理事長、学長)に、九州沖縄地方で平田トシ子氏(北九州市人権施策審議会 副会長)に、北海道地方で久木佐知子氏(有限会社ギャラリーシーズ 代表)に、同日付で再委嘱します。
 なお、関東甲信越地方の金子仁委員(新潟交通株式会社 相談役)、中国地方の宇佐川弘子委員(広島市平和記念資料館 ピースボランティア)、および四国地方の柳澤康信委員(国立大学法人愛媛大学 学長)は、いずれも任期満了により4月30日付で退任されます。
 本件は、4月24日開催の第1165回経営委員会に報告します。


(3) 地上デジタルテレビジョン中継放送局およびFM中継放送局の開局について

(永井技師長)
 地上デジタルテレビジョン中継放送局およびFM中継放送局の開局について報告します。
 設置計画に基づいて建設を取り進めてきた地上デジタルテレビジョン中継放送局のうち、平成24年1月1日から3月末までの期間に、9都県の14局(総合・教育12局、教育のみ2局 注2)が開局しました。14地区のうち、三重県志摩地区はデジタル混信対策地域、その他の13地区はデジタル移行に伴う新たな難視聴対策地域です。
 その結果、3月末までの累計で2,145局の中継放送局が全国で開局しました。視聴可能世帯のカバー率は約98.0%です。
 今回の開局の建設にかかった経費は、およそ6億円です。
 また、土砂災害対策として移転した石垣FM中継放送局の既存サービスエリアを確保するため、設置計画に基づいて建設を取り進めてきた沖縄県の川平地区と多良間地区のFM中継放送局が3月1日に開局しました。これにより、従来より設置していた石垣FM中継放送局のサービスエリアをさらに確保することできます。
 本件は、4月25日開催の第1165回経営委員会に報告します。

 注2:今回開局した地上デジタルテレビジョン中継放送局
 〈宮城〉栗駒沼倉、〈栃木〉上河内、岩舟、塩谷船生、日光所野、閑馬宮内、閑馬、〈東京〉小仏城山、〈神奈川〉小田原東、〈三重〉志摩(教育のみ)、〈奈良〉生駒奈良北(教育のみ)、〈愛媛〉伊予青島、〈高知〉十和、〈鹿児島〉中之島東


(4)「NHK情報公開」の実施状況について(平成23年度)
(視聴者事業局)
 平成23年度の「NHK情報公開」の実施状況について報告します。
 23年度に本部と全国の放送局において、来局と郵送を合わせて214件の情報公開の求めがありました。このうち、「開示の求め」として、27人の視聴者から164件を受け付け、その内訳は、経営一般に関するものが56件、営業に関するものが55件などでした。また、窓口対応や郵送により情報提供したものが50件でした。
 「開示の求め」は、22年度と比較して95件増えていますが、これは特定の視聴者から繰り返し求められたことによるものです。数名の方からの「開示の求め」の件数が全体の3分の2を占めています。
 「開示の求め」に対しては、164件のうち、134件について検討を終えました。その結果、一部開示を含め情報を開示したものが83件、不開示としたものが41件、放送番組の編集に関わる文書など開示の求めの対象外が10件でした。対象外のうち5件については、情報提供を行いました。不開示とした41件の理由は、求めに合致する文書が存在しなかったものが35件、業務に支障が生じるため開示できないものが5件などでした。
 23年度の開示率は67%で、22年度の62%から5ポイント上がりました。13年7月にNHKの情報公開を開始してから23年度までの累計の開示率は、69%となっています。開示率が向上したのは、視聴者からの求めに積極的に応じようと、各部局が求めに合致する文書を可能な限り探し出して開示に努めた結果と考えます。
 続いて、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会(以下、「委員会」)の審議状況についてです。この委員会は、NHKが行った一部開示または不開示の判断に対して、「再検討の求め」が出された場合に、中立的・客観的な立場からNHKの判断をチェックする第三者機関です。委員は5人で、部外の有識者の中から委嘱します。任期は2年で、再任可能です。
 23年度に委員会は12回開催されました。「再検討の求め」の受け付けは27件あり、このうち3件については、諮問せずに開示の判断をしました。23年度の審議の結果は、前年度受付分の7件を含む31件について審議し、すべて答申を行いました。NHKはすべての案件について、委員会の答申に沿った最終判断を行いました。
 以上の内容は、4月24日開催の第1165回経営委員会に報告します。

(会 長)  「情報公開の求め」の状況について、特徴的な変化は見られますか。
(視聴者事業局)  情報公開制度をスタートした当初は、情報公開を求める方の多くが、マスコミの研究者や、大学の関係者などでしたが、最近では、一般の視聴者の方が、NHKの経営や受信料関係の情報について関心を高め、この制度を利用されるようになってきました。

(5)個人情報保護の実施状況について(平成23年度)
(視聴者事業局)
 平成23年度の個人情報保護の実施状況について報告します。
 個人情報の「開示等の求め」は、23年度に19人の視聴者から19件あり、その多くは、本人の受信契約書や受信料の支払い履歴などの開示の求めでした。検討した結果、12件が開示、3件が一部開示、4件が古い個人情報の開示請求のため、記録が残っていないことから不開示としました。
 個人情報の漏えい・紛失等の事案は、漏えいの可能性のあるものが23年度に20件発生しました。そのほとんどが個人情報を含んだ帳票の紛失です。このほかに、個人情報の漏えいに至らなかった個人情報を含む帳票の紛失が、5件ありました。
 続いて、個人情報保護に関する部内への周知徹底の取り組みについてです。視聴者事業局、総合リスク管理室、情報システム局の各部局が協力して、NHK職員だけでなく関連団体職員等も対象に、研修、講習会、勉強会等を積極的に実施し、個人情報保護の重要性について周知徹底を図りました。事例を挙げると、昨年4月の「新採用者研修」や、入局7年目の職員や新管理職を対象とした階層別研修において、個人情報保護について研修を行ったほか、定期人事異動後には、本部、地域放送局、および関連団体の個人情報保護担当者を対象に講習会を実施しました。また、今年1月から2月にかけて、全国各地域拠点局で、域内各放送局の担当者を集めて、個人情報保護および情報セキュリティに関する講習会を開催しました。とりわけ、ソーシャルメディアの急速な発達による個人情報や業務情報の漏えいなどのリスクが懸念されることから、意識啓発活動に取り組みました。
 個人情報の漏えい等の防止策としては、情報システム局が中心となり、パソコンやシステム面での安全管理対策を実施しました。例えば、業務用パソコンに関するセキュリティ強化の推進とともに、各部局が所管する独自のシステムについても、管理体制やセキュリティ対策状況について一斉点検を行い、セキュリティ確保に向けた改善策を支援しました。また、関連団体については、システムの管理や業務用パソコンの利用に関するセキュリティ対策の状況を調査し、リスクの低減に向けた改善策を指導しました。
 営業部門では、大量の受信契約者の個人情報を扱うため、全国の営業部・センターで、個人情報の漏えい・紛失事故の実例等を題材に職場討議を年2回実施し、身近に潜むリスク等の情報を共有するなど、業務管理の徹底に努めました。さらに23年度は、11月から12月にかけて、すべての営業部・センターで、個人情報の管理状況や委託事業者への講習会の実施状況等について総点検活動を実施しました。
 24年度も引き続き、個人情報の保護に向けて、これまで以上に適正かつ厳格に取り組んでいきたいと考えています。
 以上の内容は、4月24日開催の第1165回経営委員会に報告します。

(会 長)  個人情報の漏えいや紛失について、特徴的な傾向は見られますか。
(視聴者事業局)  傾向に大きな変化は見られませんが、置き忘れや紛失などの単純なミスが多く、さまざまな対策を講じているものの、結果として20件の帳票の紛失が発生しています。
(会 長)  構造的な問題が原因ということはありませんか。
(視聴者事業局)  いずれも個人的なケアレスミスが原因で、個人情報の管理について、構造的に問題があるということではありませんが、今後もより厳格に、個人情報の保護に取り組んでいきます。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成24年 5月 8日
                     会 長  松 本 正 之

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