日本放送協会 理事会議事録  (平成23年11月15日開催分)
平成23年12月 2日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成23年11月15日(火) 午前9時00分〜9時20分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、永井技師長、金田専務理事、大西理事、
 今井理事、塚田理事、吉国理事、冷水理事、新山理事、石田理事、
 木田理事
 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>	
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1155回経営委員会付議事項について
(2)平成23年度中間決算について

2 報告事項
(1)「NHK文化祭2011」の実施結果について
(2)地方放送番組審議会委員の委嘱について

議事経過

1 審議事項
(1)第1155回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 11月22日に開催される第1155回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「外国人向けテレビ国際放送番組を有線テレビ事業者に提供する業務の延長について」、審議事項として「平成24年度予算編成方針」です。また、報告事項として「平成23年度中間決算について」、「視聴者対応報告(平成23年10月)について」、「契約・収納活動の状況(平成23年10月末)」、および「地方放送番組審議会委員の委嘱について」です。

(会 長) 原案どおり決定します。


(2)平成23年度中間決算について
(経理局)
 平成23年度中間決算について、審議をお願いします。
 中間決算は、NHKが独自に行うものとして、昨年度に試行し、今年度から本格的に実施するものです。実施にあたっては、監査法人による監査を受けています。
 はじめに、単体決算の状況を説明します。
 単体決算については、消費税込みの取り扱いとなっていますので、消費税抜きの連結決算と数値が異なります。なお、24年度からは、放送法施行規則の改正により単体決算も消費税抜きの取り扱いとなります。
 まず、「損益の状況」についてです。
 経常事業収入は3,468億円となり、前年度に対して75億円の増収となりました。これは、受信契約件数の増加に伴う受信料の増収などによるもので、今後も順調に推移するものと見込んでいます。経常事業支出は3,273億円となり、前年度に対して96億円の増加となりました。これは、テレビジョン放送の完全デジタル化に対応するための経費が増加したことなどによるものです。23年度中間期における事業収支差金は181億円となり、前年度に対して12億円の減少となりました。単体決算としては、増収減益となります。
 次に「資産・負債及び純資産の状況」についてです。
 資産は、現金預金および有価証券の増などにより、前年度末に比べ83億円増加しています。負債は、未払金の減少などにより、前年度末に比べ97億円減少しています。純資産については、事業収支差金が発生したことにより、前年度末に比べ181億円の増加となっています。これにより純資産合計は5,794億円で、自己資本比率は、前年度末比1.4ポイント増加の65.8%となり、引き続き、安定した財政状態を維持しています。
 続いて、連結決算の状況を説明します。連結の範囲は、連結子会社13社と、持分法適用会社2社となります。
 まず、「連結損益の状況」についてです。
 経常事業収入は3,682億円となり、前年度に対して111億円の増収となりました。経常事業支出は3,547億円となり、前年度に対して120億円の増加となりました。23年度中間期における事業収支差金は164億円となり、前年度に対して13億円の減少となりました。連結決算としては、単体決算と同様、増収減益となります。
 次に「連結資産・負債および純資産の状況」についてです。
 資産は、現金預金および有価証券の増などにより、前年度末に比べ31億円増加しています。負債は、未払金などの減少などにより、前年度末に比べ120億円減少しています。連結剰余金は、中間事業収支差金が発生したことにより、2,000億円となり、前年度末に比べ164億円の増加となっています。これにより純資産合計は6,557億円で、自己資本比率は、前年度末に比べ1.4ポイント増加の64.5%となり、引き続き、安定した財政状態を維持しています。
 この内容は、11月22日開催の第1155回経営委員会に報告します。

(会 長)  関連会社の中には、状況が厳しいところもあるようなので、きめ細かな目配りをよろしくお願いします。
(吉国理事)  既に各社においては、状況を踏まえた取り組みを行っています。NHKとしても、きめ細かく対応していきたいと思います。
(会 長)  原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)「NHK文化祭2011」の実施結果について
(編成局)
 「NHK文化祭2011」の実施結果について報告します。
 視聴者の皆さまにNHKの多様な教育文化的サービスを“体験”していただくとともに、制作者にとっては国際的視野での“未来に向けた開発”につなげる祭典にリニューアルして2年目の今年は、10月15日から11月6日まで実施しました。
 まず、「NHK文化祭」の中核となる視聴者ふれあいイベントの「NHK文化祭たいけん広場」について報告します。今年は、11月3日から6日までの4日間開催し、昨年の総入場者数(5日間で5万4,956人)を約1万5千人上回る7万0,689人の方が来場しました。
 今年は、「あつまれ!みんなの元気」をテーマに、イベントに参加して「元気」になった気持ちを誰かに伝えてもらうフォトメッセージを募集しました。離れて暮らす家族にあてたものや、被災地に向けたものなど、818組のメッセージが集まりました。寄せられたメッセージはイベントのホームページに掲載するとともに、イベント会場においても紹介しました。12月には、被災地に向けたメッセージを「NHK東日本大震災プロジェクト」のホームページに掲載する予定です。
 屋内・屋外の2つの特設ステージでは、12のイベント、延べ46回の公演を行いました。特に「にほんごであそぼ」など番組出演者が登場するイベントは、立ち見のお客様が出るほどの人気ぶりで、出演者と一緒になって歌ったり踊ったりと、親子で“体感”していただけるイベントとなりました。
 展示内容も、“体感”をキーワードにした展開を図りました。番組関連ブースでは、実物に触れたり製作したりするワークショップや、技術職員の説明を受けながら子どもひとりひとりに参加してもらうカメラ体験ブースを設置するなど、実体験を重視した展示としました。
 10月にリニューアルオープンしたスタジオパークでは、新設の3Dスタジオを活用して「3D恐竜と話す地球クイズ」を行いました。3D技術を使った新しいコンテンツに親子で気軽に親しんでもらうことができました。
 ふれあいホールでは、5つの多様なステージを展開し、「J−MELO秋フェス2011」や、「すイエんサー マリー&ガリー2011」など、3つの番組の公開収録を行いました。
 また、「ふるさとの食にっぽんの食」東京フェスティバルの一環として行った、「キッチンが走る!」スペシャルステージでは、東北の食を紹介し、そのチャリティー販売では、150食が約10分で完売するなど、大変な人気ぶりでした。また、野菜や農産物、水産加工品などの販売や、食育ワークショップの参加費などはすべてチャリティーとし、会場内に設置した募金箱とあわせて、18万1,099円の義援金が寄せられました。
 次に、10月20日から27日まで実施した、「第38回『日本賞』教育コンテンツ国際コンクール」について報告します。
 平成20年度から、募集の対象を従来の「教育番組」から「音と映像を用いた教育コンテンツ」に広げてリニューアルしましたが、今年は従来のカテゴリーの枠にはまらず革新的なメディア活用に挑むコンテンツを対象とした「イノベイティブ・メディア カテゴリー」を設けるなどして展開した結果、世界61の国と地域の200機関から、313本のエントリーがありました。また、開催期間中は37の国と地域から688人の参加がありました。
 14の国の16人の委員による審査の結果、「グランプリ日本賞」(コンテンツ部門最高賞)には、アメリカのWGBH教育財団が制作した「アメリカを振り返る 人種隔離バスへの抵抗」が選ばれました。また、企画部門の最優秀コンテンツに与えられる「放送文化基金賞」は、マラウイ教育研究所が企画した「テレビはダンボール箱」が受賞しました。授賞式は10月27日に各賞受賞者、審査委員、各賞授与団体、各国の在日大使館関係者など235人を迎えてNHK101スタジオで開催し、その模様を紹介する「第38回日本賞授賞式 輝け!教育コンテンツ世界一」を10月30日にEテレで放送しました。受賞作品については、これから年末にかけて放送する予定です。
 「アジア教育プロデューサー会議」は、10月22日から27日まで実施しました。今回は、「ABU未来への航海」の後続企画となる第1回「ABUデジスタ・ティーンズ」の実施に向けて、NHKのほか、トルコ、イラン、タイ、マレーシア、ベトナム、ブルネイなど各国の放送局のプロデューサー11人が集まり、今年の夏に各国で開催された作品制作ワークショップの報告をはじめ、イベントや番組制作、来年度のテーマなどについて議論しました。第1回「ABUデジスタ・ティーンズ」は、NHKのスタジオと、トルコの放送局TRT、タイの放送局NBTの両スタジオをインターネット回線で結び、“友”をテーマに若者が制作した映像作品とそのメーキングを紹介することにしていましたが、今回、タイの首都バンコクが、洪水被害の影響を受けたことにより、開催を年末に延期しました。
 「第12回アジア・フィルム・フェスティバル」について報告します。今回は、10月15日から19日までの5日間実施し、アジア映画の新作4作品を上映しました。今年は上映作品の選定に際し、分かりやすい作品に絞ったことや、開催時期を「東京国際映画祭」と重ならないようにしたことなどにより、入場者数は1,440人と、昨年より5割増となりました。監督からのビデオメッセージに加え、上映後には各国事情に詳しいNHK解説委員によるトークが行われるなど、一般的な映画解説とは異なる各国の詳細な情報を盛り込んだものとして、大変な好評を集めました。
 最後に、「NHK文化祭」関連番組編成についてです。10月24日から11月6日の期間を核として、Eテレだけでなく、各放送波とも連動して、多彩なラインナップの番組編成を実施しました。11月5日には、Eテレの人気番組「きょうの料理」のスペシャルイベント「クッキングコンテスト」の模様を総合テレビで「きょうの料理 クッキングコンテスト2011」として生放送するなど、「NHK文化祭たいけん広場」の会場から計7番組の公開放送・収録を実施しました。収録した番組については、11月下旬以降の定時枠拡大スペシャルや年末年始特集などで編成し、「NHK文化祭」をさらに周知するとともに、新たな視聴者の獲得を図っていきたいと思います。

(会 長)  視聴者のみなさまとの“ふれあい”の場はとても重要ですので、より充実したものとなるよう、次回も頑張ってください。

(2)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(木田理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱について報告します。
 中国地方で岡將男氏(NPO法人・公共の交通ラクダ(RACDA)理事長)と、西本克也氏(錦帯橋鵜飼振興株式会社代表取締役社長)、および桝田知身氏(境港市観光協会会長)に、北海道地方で橋本智子氏(社団法人北海道消費者協会会長)に、いずれも平成23年12月1日付で再委嘱します。
 本件は、11月22日開催の第1155回経営委員会にも報告します。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成23年11月29日
                     会 長  松 本 正 之

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