日本放送協会 理事会議事録  (平成23年 4月 5日開催分)
平成23年 4月22日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成23年 4月 5日(火) 午前9時00分〜9時50分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、永井技師長、金田専務理事、日向専務理事、
 溝口理事、八幡理事、大西理事、今井理事、黒木理事、塚田理事、
 吉国理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1141回経営委員会付議事項について
(2)平成23年度国内放送番組編成計画の一部変更について

2 報告事項
(1)関連団体の事業運営状況について
(2)平成23年度考査業務運営方針
(3)考査報告
(4)日本放送協会健康保険組合ならびに日本放送協会共済会の平成23
   年度収支予算および事業計画について


議事経過

1 審議事項
(1)第1141回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 4月12日に開催される第1141回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「平成23年度標準役員報酬について」と「平成23年度役員交際費の支出限度額について」、報告事項として「平成23年度国内放送番組編成計画の一部変更について」、「『NHK情報公開』の実施状況(平成22年度)」、「個人情報保護の実施状況(平成22年度)」、および「平成22年度決算について」です。また、その他の事項として「2010年度放送評価調査の結果について」です。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)平成23年度国内放送番組編成計画の一部変更について
(編成局)
 昨年12月7日の理事会で決定した「平成23年度国内放送番組編成計画」のうち、BS1の編成を一部変更したいので、審議をお願いします。
 東京証券取引所の前場の取引時間が、5月9日から30分延長して午前11時30分までとなります。そのため、現在、BS1で午前11時25分〜11時50分に放送している「東京マーケット情報」の放送時間を、同日から、午後0時〜0時25分に変更します。それに伴い、現在は午後0時〜0時50分に放送している「ワールドWAVE」(午前8時台の再放送)の放送時間を午前11時〜11時50分に変更します(注)。

(会 長)  原案どおり決定します。

 注: 本議案については、東京証券取引所の取引時間延長が延期されたため、4月12日の理事会で変更を取りやめることを決定した。

2 報告事項
(1)関連団体の事業運営状況について
(関連事業局)
 関連団体運営基準第15条に基づき、関連団体の事業運営状況について報告します。今回の東日本大震災により、多くの関連団体の業績に影響が出始めていますが、今回報告する関連団体の平成22年度の決算見込みと平成23年度事業計画は、ほとんどの団体についてその影響を織り込んでいないものです。そのため、今後、決算値や事業計画を修正することが考えられます。
 まず、平成22年度の関連団体の決算見込みについて報告します。
 最初に子会社13社についてです。22年4月に、国際業務の再編・統合の一環として、関連団体に含まれていなかった当時の国際メディア・コーポレーション(MICO)を、NHKエンタープライズに統合しました。その要素を除くと、子会社の全般的な傾向は、微増収で減益となっています。
 子会社13社の22年度の売上高の単純合計は2,517億円となり、前年度(21年度)に比べ97億円の増収を見込んでいます。ただし、旧MICOの事業による売り上げ71億円が新たに加わっていますので、それを除くと増収は26億円にとどまります。
 売上高のうち、NHKとの取引額は1,417億円で、前年度より83億円増えていますが、旧MICO事業分の48億円を除くと34億円の増となります。おもな増加要因は、地上デジタル放送の設備整備工事の増加です。一方、NHK以外との取引額は1,099億円で、前年度より14億円増えていますが、旧MICO事業分の22億円を除くと、逆に7億円の減となります。これは、NHKとの取引と同様に地上デジタル関連業務は増えたものの、それ以外の設備整備や出版事業等が減収となったことが、おもな要因です。その結果、NHKとの取引額が売上高に占める比率は56.3%となり、前年度より1.2ポイントの増となっています。
 当期純利益の見込は単純合計で50億円となり、前年度に比べ8億円の減益となります。しかし、22年度は、会計上の特殊要因が2点あり、そのため合計で13億円の利益が減少する見込みとしていますので、その要素を除けば、逆に5億円の増益と言えます。2つの特殊要因とは、1つは資産除去債務に関する会計基準の適用、もう1つは法人税減税に伴う繰延税金資産の取り崩しです。ただし、3月末までに税法の改正が行われませんでしたので、本決算では、後者の合計7億円分について上方修正することになります。
 当期純利益では、NHK出版とNHK文化センターの2社が赤字となる見込みです。このうちNHK出版は、テキスト販売の不振の影響が大きく、出版業界全体の市場が構造的に縮小している中で、すべての業務の見直しと、出版のデジタル化などの新たな対応が課題となっています。
 関連会社5社については、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズと放送衛星システムが増収増益となっています。海外現地法人2社は再編・統合により売上高が増加したものの、統合によるコスト増もあり、減益となっています。関連公益法人7団体については、NHKエンジニアリングサービス、NHK放送研修センター、日本放送協会学園、NHK厚生文化事業団の4団体が赤字となる見込みです。
 続いて、23年度の関連団体の事業計画について説明します。
 子会社13社については、全体傾向として、大幅な減収減益の計画となっています。13社の売上高の単純合計は2,391億円で、22年度の決算見込みに比べて126億円(5%)の減収、当期純利益の合計は39億円で、同じく11億円(22%)の減益となる計画です。この数年関連団体全体の業績をけん引してきたNHKアイテックが、地デジ関連工事の終了により大幅な減収減益となることが、大きな要因です。

 関連会社については、3社で減収、全社が減益となる計画です。また、関連公益法人については、NHKエンジニアリングサービス、日本放送協会学園、NHK厚生文化事業団の3団体が赤字の計画となっています。
(会 長)  平成22年度決算で赤字を見込んでいる子会社は、どのように決算処理することになりますか。また、23年度の事業計画を赤字としている関連公益法人はどうするのですか。
(関連事業局)  22年度決算が最終的に赤字ということになれば、赤字の決算処理を行い、内部留保で賄うことになります。内部留保は持っており、また、年度末の渡り資金も不足はありません。23年度事業計画で赤字を見込んでいる団体については、決算でも赤字となれば、内部留保で埋め合わせる形になります。
(大西理事)  今回の報告は、東日本大震災の影響を織り込んでいないということですが、それを加味すれば、22年度の最終的な決算はさらに厳しいものになるということですか。
(関連事業局)  そのように考えられますが、ただ、震災が発生してから年度末までは3週間程度の期間でしたので、影響はそれほど大きくないのかもしれません。
(大西理事)  NHK出版は23年度の事業計画で増収を見込んでいますが、その要因は何ですか。
(関連事業局)  22年度に激しく落ち込んだテキストの販売収入が若干回復することを期待したものですが、東北地方を中心に、震災が販売の回復に影響してくることが考えられます。

(2)平成23年度考査業務運営方針
(考査室)
 本格的なデジタル放送時代の中で、公共放送としてのNHKの果たすべき役割と責任は極めて大きなものがあります。また、東日本大震災という未曽有の災害の発生を受けて、迅速な報道、確かな情報を伝えるNHKへの視聴者・国民の期待はますます高まっています。平成23年度の考査業務は、こうした状況をふまえ、NHKの放送が「放送法」「国内番組基準」の掲げる公共放送としての理念に沿っているか、原点に立って考査を行います。
 考査業務の運営にあたっては、次の項目を重点事項とします。
 1点目は、「放送考査、考査結果の周知」です。
 NHKの放送が迅速・正確か、公平・公正でかつわかりやすいか、伝えるべきことを伝えているかを考査します。また、表現・用語が適切か、人権への配慮がなされているか、広告・宣伝にならないよう注意が払われているかなど、放送倫理上の観点から考査します。考査結果は、局内イントラネット上に掲載して迅速に放送現場に伝えるとともに、取材・制作現場との連携をいっそう深めて、放送内容の向上に寄与します。
 2点目は、「事前考査」です。
 リスク予防の観点から行う事前考査は、総合テレビの夜8時台・10時台の番組、「大河ドラマ」、「連続テレビ小説」、衛星放送の「ハイビジョン特集」などを中心に随時実施します。問題がある場合には、直ちに制作現場と協議して、改善に努めます。
 3点目は、「放送番組モニターの活用」です。
 全国各地から送られる「モニター報告」を迅速に集計・分析し、視聴者の感想・意向として現場に伝えます。今年度は特に、電子メールによる報告としてこれまでのパソコンからの報告に加え、新たに携帯端末による報告方式を採用し、若い世代のモニターの確保に努めます。
 4点目は「放送倫理の向上」です。
 取材・制作の際の具体的な基本指針を記した「放送ガイドライン」を、3年ぶりに大幅に改訂します。その「放送ガイドライン2011」が現場でいっそう活用されるよう、周知・徹底に努めます。また、放送倫理に関する事項についての現場からの問い合わせ・相談に対し、適切なアドバイスを行います。また、BPO(放送倫理・番組向上機構)、マスコミ倫理懇談会、民放との考査実務責任者会議など、外部関係機関との連携・情報交換を行い、必要に応じて現場に情報提供を行います。

(会 長)  今の説明と重複するかもしれませんが、あらためて尋ねます。今回の業務運営方針の中で、新しいポイントとなるのはどの点ですか。
(考査室)  4つの重点事項の柱立ては、基本的に例年と変わりませんが、今年度の新しい要素としては、3点目の「放送番組モニターの活用」の中で掲げている、若い世代の番組モニターの確保に努めて、その意見を考査報告に反映させようということが、一つあります。

(3)考査報告
(考査室)
 東日本大震災の報道について考査した内容を報告します。
 戦後最悪の自然災害となった東日本大震災について、NHKは総力を挙げて歴史的な災害関連報道を続けています。今回の災害は、地震、津波に加え、原発事故、停電、経済への影響など広域かつ複合的なものとなっており、報道も極めて多面的に対応しています。NHKの今回の災害報道は、全体として国内の視聴者や海外のメディア、その他各方面から高い評価を受けており、放送法や国内番組基準等に照らしても、極めて「妥当」であると判断します。
 関連の報道はまだ継続しており、原発事故は長期化の様相を見せていますが、現時点までの報道についての考査内容をまとめて報告します。
 まず、初動の対応についてです。大震災を引き起こした地震が発生したのは、3月11日でした。当日、総合テレビ等では国会中継を放送していましたが、そのさなかの午後2時46分に緊急地震速報を伝え、直後の2時48分に8つの放送波(総合テレビ、教育テレビ、衛星ハイビジョン、衛星第1、衛星第2、ラジオ第1、ラジオ第2、FM放送)の全波を地震報道に切り替えて、“宮城県で震度7”、“大津波警報の発令”を伝えながら、繰り返し迅速な避難を呼びかけました。3時14分からはロボットカメラの中継映像で、岩手県の釜石港で建物や漁船が押し流されていく様子などを伝え、さらに、3時54分からはヘリコプターによる中継で、仙台市の名取川の河口付近で押し寄せる波が一帯の住宅や畑、路上の車を次々に飲み込みながら内陸に迫ってくる様子を伝えました。当初、ラジオ第1では総合テレビの音声をそのまま放送していましたが、3時30分から独自の放送に切り替え、アナウンサーの電話報告等により、現地の状況を詳しく伝えました。当日の夕方から夜にかけて、甚大な被害状況が明らかになってきました。気象庁が、東北地方から関東地方にかけての太平洋沖の断層が数百kmにわたって破壊され、震源が点ではなく面になっていること、そのため、津波が広い範囲に押し寄せてくると分析していることを伝えました。この間、各地の被災状況を刻々と伝えながら、余震や津波への警戒を随所で丁寧に呼びかけました。こうした一連の報道については、中継映像の多様さや、キャスター、記者、解説委員の正確で冷静な説明、情報の更新の迅速さなどに、視聴者だけでなく海外のメディアなどからも高い評価が寄せられました。他のメディアよりもいち早く報道を開始したことを含めて、極めて適切な初動対応だったと思います。なお、当日は地震によって首都圏の鉄道などの交通機関がまひし、多くの帰宅困難者が発生しました。これらの人々の状況と併せて、無理して帰宅しないように呼びかける内閣官房長官の会見や、一夜を過ごすための避難所の情報、交通情報を伝えました。
 次に、被害状況や被災者支援の報道についてです。発災の翌日から、被災地の壊滅的な状況を逐次詳しく伝えていくとともに、被災者支援のための報道を本格化させました。各地の避難所からの報告で、救援を待つ被災者の現状や要望を多角的、継続的に紹介するとともに、避難できず孤立している被災者の存在も伝えました。特に医療面の情報については、重点的に伝えています。また、全国そして海外にも広がった支援の動きなど、被災者を勇気づけられるような情報も積極的に伝えています。発災から3週目以降は、住宅の再建や資金など、復興に向けた動きも伝えるようになりました。ラジオ第1では、早朝から深夜までの各番組の中で、医療や生活物資に関する情報について時間を大幅に割いて伝えました。安否情報については、教育テレビとFM放送で、その後に衛星第2も加えて伝えました。さらに、避難者の名簿についても伝えました。高齢者や障害者などハンディのある方に向けた放送として、字幕放送や手話ニュースを拡大・特設して伝えたほか、ラジオ第2の視覚障害者向け番組を生放送として情報を伝えるなどの配慮を行いました。日本語がよく理解できない国内在住の外国人に向けては、総合テレビの副音声に国際放送のNHKワールドTVの音声を流したほか、特別の措置として、契約していないケーブルテレビにも国際放送の番組を提供するなどの対応を取りました。全国放送の報道に加え、東北地方の各放送局では、ブロック放送や県域放送で独自に、地元の被災者に向けたさらにきめ細かな情報発信に努めています。こうした報道は、阪神・淡路大震災の報道量をはるかにしのぐものとなっていますが、さらに、今回はインターネットを通じた情報発信が加わっています。NHKホームページに関連のニュースや情報を掲載するだけでなく、ラジオ第1の放送を生でインターネットに流すとともに、総合テレビをインターネット事業者に提供する措置を取りました。また、安否情報や避難者名簿について、一定の段階で放送から引き取ってインターネットで伝えるようにしたことで、必要な情報が知りたい時に検索できるようになりました。このように、今回の報道では、多角的、継続的に対応している中で、さまざまな被災者や視聴者が、それぞれの置かれた状況に応じて多様な手段で、NHKからの情報を入手できる措置を取っています。今後、事態が動いていく中で、必要な情報も刻々と変わってくると考えられます。引き続き、状況の推移に即したきめ細かな放送を望む声が、モニターからも寄せられています。
 続いて、東京電力の福島第一原子力発電所の事故に関する報道についてです。第一報は、地震発生当日の午後4時47分、東電から国に異常事態の通報があったことを伝えたものでした。それ以降連日、事態の推移を逐一伝えています。この件に関しては、東電や政府からの情報が必ずしも十分でない中、専門の記者や解説委員、外部専門家による解説を交えながら、模型やCG映像を使って視聴者にわかりやすく説明しており、モニターからも高い評価が寄せられています。また、海外からも注目が集まる中、一部の海外メディアではことさらに危機を強調し不安をあおるような報道もありますが、NHKの冷静な報道がそれに歯止めをかける役割を果たしているとも考えます。一方で、モニターからは、「原子炉の冷却と放射性物質の漏出防止のため、どんな態勢でどんな内容の作業が行われているのか、もっと知りたい」という声もありました。この事故の影響で、福島県や首都圏の野菜や飲料水から基準値を超える放射性物質が検出され、摂取制限や出荷制限の指示がありました。これについては、「○○ベクレル」、「基準値の○○倍」など、ふだんなじんでいない数値が生のままで次々に公表されることで、視聴者に混乱や不安が見られます。状況が刻々と変化する中で、正確で視聴者の不安をあおらず、風評被害を防ぐ報道を行うため、並大抵でない努力を払っていますが、さらに伝え方の工夫が求められていると思います。また、この事故の影響の1つとして、電力の供給不足のため東電が実施している計画停電については、実施予定やそれに伴う鉄道の運行情報などを、逆L字スーパーやデータ放送等で詳しく紹介するとともに、この夏までの見通しなどについても解説しています。
 関連の番組については、3月13日のNHKスペシャル「緊急報告 東北関東大震災」をはじめ、これまでに特集番組を5本放送し、今回の震災について掘り下げて伝えました。また、発災の翌週から「あさイチ」では女性向けに、「福祉ネットワーク」では高齢者・障害者向けに、関連情報を連日放送しました。3月19日土曜日以降、連続テレビ小説「てっぱん」や大河ドラマ「江 〜姫たちの戦国〜」をはじめ通常の番組を再開しましたが、「てっぱん」や「NHKのど自慢」では、番組冒頭で出演者や司会者が被災者に向けてお見舞いの言葉をかけました。
 最後に、これまでの震災報道を振り返って、課題や注意すべきと考えられる点を5点まとめました。第1に、大津波警報発令直後に現地の役場などと電話でつないで中継で話を聞いていましたが、今回については、あくまで結果としてですが、自治体が状況を把握できていない段階で、必ずしも住民の避難に役立つ情報が得られたとは言えないように思いました。第2に、帰宅困難者やその後の計画停電など、多くの人口を有する首都圏の在住者への情報と、被災者や全国向けの情報の比重について、どのようにバランスを取っていくかが、今後に向けても重要な課題だと考えます。第3に、発災後、フローの情報をどの段階でせき止め、特集番組を放送するかについて、今回は緊迫した状況が長く続く中で、難しい判断だったと思います。今後も、日本経済の復興やエネルギー政策の将来といった中・長期的課題について、どのタイミングで取り組むべきか、状況の適切な見極めが必要になると考えます。第4として、被災者の健康状態や心情への配慮、危険な状況下で作業に当たる人々への配慮が十分か、常に留意が必要なことは言うまでもありません。第5に、それぞれの放送波の役割分担や、ホームページ、データ放送のサービス内容を、互いに告知して補完し合う工夫が重要だと考えます。
 今回のNHKの震災報道には、高い評価が寄せられていますので、現在のあり方をベースにして、今後も信頼される報道を継続していくことが期待されます。

(金田専務理事)  考査報告はとても参考になります。特に、災害報道における課題や配慮すべき点を整理して指摘していた部分は、各項目とも考えさせられるものでした。東日本大震災の報道では、東北地方の各放送局でも、地域放送で独自に被災者向けの情報を伝えていますが、今回の報告では、そうした地域独自の報道も考査できたのでしょうか。
(考査室)  被災地にある各放送局では、自らも極めて苦しい状況に置かれた中で、全国放送の一連の報道に加えて、地域独自に、特に生活情報に重点を置いてきめ細かな情報を伝えています。今回は、そうした地域放送の報道内容も含めて考査し、報告しました。
(会 長)  東日本大震災に関する報道はまだ続きますので、これまでの報道でどういう点が評価されたのか、また、どういう点が視聴者の要望に応えきれていないのか、今後に向けて分析し整理しておいてほしいと思います。どういう点に評価が得られたのかがわかれば、視聴者がどういう情報を求めているのかを知ることができるだろうと考えます。

(4)

日本放送協会健康保険組合ならびに日本放送協会共済会の平成23年度収支予算および事業計画について

(八幡理事)
 平成23年2月16日に開催された日本放送協会健康保険組合組合会ならびに日本放送協会共済会評議員会において、それぞれの平成23年度収支予算および事業計画が提案どおり議決されたので、報告します。
 まず、健康保険組合の収支予算と事業計画について説明します。
 23年度の一般勘定の収支規模は99億9,100万円となり、22年度に比べて11億8,500万円の増加となる見込みです。介護勘定の収支規模は、国から通知された介護保険料の納付金額に基づきますが、23年度は22年度より6,500万円の増加となる見込みです。
 事業計画については、給付水準を維持しつつ「傷病手当金付加金」と「出産手当金付加金」を新設します。また、「特定健康診査」の受診勧奨の効果的な実施や「特定保健指導」の積極的な利用促進など、メタボリック・シンドローム対策にも取り組んでいきます。
 次に、共済会の収支予算と事業計画です。
 食堂・販売などの事業を行う一般会計は、事業収支規模で63億5,200万円、職員の転勤者用住宅等の業務を行う特別会計は、127億0,100万円となり、一般会計、特別会計ともに22年度に比べて減少する見込みです。
 事業計画については、食堂・販売などの業務が減収となる中で、多様な会員ニーズを的確に把握しつつサービス・満足度の向上を図り、効率的な運営に努めていきます。

(会 長)  共済会の収支予算の特別会計と一般会計は、どういう区分になっているのですか。
(八幡理事)  特別会計はNHKとの間の精算を実施しますが、一般会計は実施しません。
(会 長)  健康保険組合の収支予算・介護勘定のうち介護納付金についてもう少し詳しく説明してください。
(八幡理事)  介護納付金はすべて国に納付されますが、金額については厚生労働省から通知された諸係数および算定方法に基づき見込んでいます。なお、介護納付金に見合う収入を確保するため、保険料率を引き上げるとともに、法定準備金を取り崩し収入に繰り入れる予算編成を行っています。

以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成23年 4月19日
                     会 長  松 本 正 之

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