日本放送協会 理事会議事録  (平成22年12月 7日開催分)
平成22年12月24日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成22年12月 7日(火) 午前9時00分〜9時30分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、永井技師長、金田専務理事、日向専務理事、
 溝口理事、八幡理事、大西理事、今井理事、黒木理事、塚田理事、
 吉国理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)平成23年度国内放送番組編成計画について
(2)平成23年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編成計画
   について
(3)平成23年度予算・事業計画における要員計画について
(4)平成23年度収支予算編成要綱


議事経過

1 審議事項
(1)平成23年度国内放送番組編成計画について
(編成局)
 平成23年度国内放送番組編成計画について、審議をお願いします。
 平成23年度国内放送番組編成計画は、平成23年度国内放送番組編集の基本計画に基づき、各波の編成計画の要点や新設番組の概要、部門別放送時間および比率と地域放送時間などをまとめたものです。
 各波の編成計画の要点については、次のとおりです。
 総合テレビジョンは、さまざまな世代に向けた多様な番組を編成し、厳しい時代に生きる人々に、生活を支える的確な情報や、心を豊かにする番組を届けます。“フルデジタル時代”を迎える映像4波の基幹波として、接触者率の一層の向上に取り組みます。週末の編成を大幅に刷新し、土曜夜間に、“家族そろって楽しめるエンターテインメント性に富んだ番組”、“社会の課題に鋭く迫る骨太な番組や、見応えのある番組”の2つの大型特集枠を新設します。また、週末朝には、1週間の出来事をコンパクトに振り返り、わかりやすく多角的に解説する新しいニュース解説番組「ニュース 深読み」や、世の中のトレンドから経済の動きを掘り下げる情報番組などを新設し、平日とは異なる視聴者層に見てもらえるよう工夫します。一方、平日夜間は、視聴対象層を明確に意識した個性豊かな番組を編成するほか、週末夜間には、10代後半から30代の若い視聴者に向けて、デジタルツールや双方向機能などを駆使する娯楽番組を編成します。さらに、平日午後と土曜夕方には、地域から全国へ向けた情報発信枠を強化し、地域の声や実情を全国に届けることを目指します。「NHKスペシャル」を中心としたパワフルで高品質な大型番組については、長期取材によるシリーズ企画を積極的に展開するなど、さらなる強化を図ります。
 教育テレビジョンは、“未来を生きる子どもたち”、“明日を担う若者”を対象にした番組を強化します。特に、夕方の“ティーンズゾーン”では、既存番組をより視聴者参加型の番組に刷新するほか、中学・高校生たちの本音を引き出していく新番組や、小学校対抗パフォーマンスや中高生とプロとの競演を盛り込んだ公開番組を新設するなど、小・中・高校生の心をつかむ番組の開発に努めます。また、“幼児・子どもゾーン”では、各番組の懸け橋になるアニメキャラクターを開発し、統一イメージを作ることで訴求力を高めます。“趣味・実用・教養ゾーン”では、多彩な番組であらゆる世代の知的好奇心を満たすとともに、“若者ゾーン”では、資格取得をサポートする新番組や、「ハーバード白熱教室」を引き継いだ国内外の大学の活気あふれる授業を伝える番組を編成するなど、人生や生活を豊かにする番組を届けます。さらに、“人にやさしい放送”の充実にも努め、「ろうを生きる 難聴を生きる」の制作本数を増やして、聴覚障害者のための情報発信の強化に取り組みます。
 衛星放送は、“完全デジタル化・ハイビジョン2波化”に伴い、平成23年度は、新・衛星第1テレビジョンと新・衛星第2テレビジョンの2波を放送します。
 新・衛星第1テレビジョンは、「“いま”の国際情報、“ナマ”のスポーツを中心に、ライブ感あふれる波」としての魅力を訴えます。国際情報については、早朝、夕方、夜間の情報番組を、それぞれの視聴対象層のニーズや趣向に沿った内容に刷新し、世界のニュースや経済情報をきめ細かく伝えます。また、スポーツについては、午前から午後にかけての時間帯を“エキサイティングスポーツゾーン”として強化し、アメリカ・大リーグの2試合連続編成や、若者に人気のある新たなスポーツソフトの開拓を行い、幅広い視聴者層の拡大を目指します。また、最新のデジタル映像技術を駆使し、インターネットで世界の人々を結ぶ番組を新設するなど、放送と通信の融合の可能性を追求していきます。
 新・衛星第2テレビジョンは、40代から50代を中心とした視聴者に向け、「本物志向の教養・娯楽波」として、「紀行」、「自然」、「美術」、「歴史」、「宇宙」、「音楽」、「シアター」という7つの分野の高品質な番組を核に、ダイナミックな特集も含めた多彩な番組で、新しい衛星波への期待に応えます。平日夜には、旅が持つ日常とは違う不思議な力を伝える紀行番組や、最新の宇宙の魅力に迫る科学番組、魂を揺さぶる歌声の持ち主を発掘する音楽番組など、7つの分野に沿った基幹番組を編成し、平日朝の視聴習慣の定着を目指したデイリー番組とともに、新・衛星第2の魅力を伝える柱とします。また、週末には、ゆったり楽しめる時代劇や音楽番組を新設するとともに、映画や海外連続ドラマの拡充にも努めるなど、これまで以上に幅広い視聴者の獲得を目指します。
 続いて、音声放送です。
 ラジオ第1放送は、「身近な生活情報波 安心ラジオ」としての役割はもちろんのこと、ラジオの強みである双方向性を生かして、パソコンやモバイルとの一層の連携を進め、聴取者との“絆”を強めます。平日や土日の夜間に、若者や30代から40代向けの新番組を編成するほか、土曜午前に10代向けの番組を新設するなど、若い世代を中心に、新たなラジオファンの開拓につなげます。
 ラジオ第2放送は、「生涯学習波」として、語学講座のさらなる充実を図り、聴取者の学習意欲に応えるとともに、国際放送番組の活用や、ストリーミングをはじめとした“クロスメディア展開”など、聴取者の利用しやすい形での番組提供に努めます。また、著名な文豪や知識人の肉声を現代によみがえらせるアーカイブス番組など、新しい文化・教養番組の開発を図ります。
 FM放送は、「ここにしかない専門店」という番組を多彩に編成することで、多様化する聴取者のニーズに応えます。平日深夜には、1つのジャンルやアーティストに徹底的にこだわった音楽番組を新設します。また、若者からの支持を集めるタレントが出演するラジオドラマや、インターネットと連動し双方向性を生かした番組など、若者向けの番組を充実させ、幅広い聴取者層の満足度向上を目指します。
 地域放送については、地域に密着したきめ細かなニュースや生活情報と、地域の課題に取り組む番組などを編成するとともに、生活や経済・文化圏に即した広域放送など各地域の特性に応じた編成を積極的に推進します。総合テレビジョンの地域放送時間は1日平均3時間程度で、22年度とほぼ同じですが、地域情報の全国発信や地域放送番組の全国放送は、総合テレビジョンで大幅に時間数を増やすなど一層の推進に努めます。
 データ放送は、衛星放送2波化とフルデジタル移行を機に、各波の特性と役割に応じてコンテンツを再編成し、「地域の安心・安全を支える災害・防災・気象情報」、「暮らしに役立つ生活情報」を充実させていきます。また、新しい試みとしてインターネットに接続するデジタルテレビ向けに、より詳しい気象情報を提供するサービスを開始します。
 ワンセグ独自サービスは、「放送と通信の融合」、「視聴者層の拡大」、「放送他波との連携」の3つをポイントに、主に30代以下の若年層に向けて、平日昼と深夜などの時間帯に限って、デジタル教育テレビジョンで独自番組を編成します。編成するコンテンツは、いずれも通信との融合や放送他波との連携を重視したものとします。
 また、総合テレビジョンでは、字幕放送の対象番組を大幅に増やし、2つの帯番組に生字幕を入れるなどの拡充を図って、1週間あたり今年度より約3時間多い98時間程度放送します。また、これまで字幕のなかった新・衛星第1でも週に5時間程度の字幕放送を開始して、拡充を図ります。
 以上の放送番組編成計画は、新・衛星2波を除く各波は、平成23年3月28日月曜日から、新・衛星2波は、平成23年4月1日金曜日から実施します。
 本議案が決定されれば、平成23年度国内放送番組編集の基本計画の議決にあわせて、平成23年1月11・12日開催の第1133回経営委員会に報告します。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2) 平成23年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編成計画について

(国際放送局)
 平成23年度国際放送の放送番組編成計画は、平成23年度国際放送の放送番組編集の基本計画に基づき、放送番組の編成に関する具体的計画事項、放送番組時刻表、各放送番組の企画趣旨、部門別分類と放送時間および編成比率、使用言語別放送時間などの必要事項をまとめたものです。
 テレビジョン国際放送の外国人向けサービス(NHKワールドTV)については、「英語ニュースのさらなる強化」と「視聴者ニーズに応える番組の新設」を図ります。
 「英語ニュースのさらなる強化」に向けては、欧米のメディアとは異なる視点が視聴者に評価されている、24時間毎正時のニュースをさらに充実させます。具体的には、シンガポールに新たな取材拠点を設けるほか、国際放送局がこれまでに撮影した映像素材をより効果的に活用するためのデータベースを整備します。また、地域放送局が参加して伝えるリポートや、アジア各地からの中継・企画などを通じて、日本とアジアを多面的に伝えます。
 「視聴者ニーズに応える番組の新設」については、視聴者のNHKワールドTVに対する要望に応える番組を新設します。急速な経済発展で世界の注目が集まるアジア諸国に焦点を当てるドキュメンタリー番組や、日本文学者とゲストが海外で関心が高い日本文化の魅力を語り合うトーク番組など、国際放送局独自制作の新番組を開発し、視聴者層の拡大を目指します。また、国内放送で人気の高い番組の英語化も進めます。
 テレビジョン国際放送の邦人向けサービスについては、22年度同様、1日およそ5時間、国内の主要ニュースや情報番組を中心に国内と同時放送を行います。
 ラジオ国際放送の外国人向けサービスについては、「ニュース・番組の充実」と「多様な放送サービスの推進」を図ります。「多様な放送サービスの推進」に向けては、一部の言語の放送をより聴きやすい時間帯へ移設、または拡大し、聴取者の要望に応えます。
 以上の放送番組編成計画は、平成23年3月28日月曜日から実施します。
 本議案が決定されれば、平成23年度国際放送番組の放送番組編集の基本計画の議決にあわせて、平成23年1月11・12日開催の第1133回経営委員会に報告します。

(会 長)  原案どおり決定します。


(3)平成23年度予算・事業計画における要員計画について
(総務局)
 平成23年度予算・事業計画における要員計画について、審議をお願いします。
 「平成21〜23年度 NHK経営計画」に基づき、限られた経営資源を各部門の重要事項や取材・制作現場等にシフトする構造改革を引き続き進めていきます。
 23年度の要員計画については、業務のアウトソーシングやスクラップなどの見直しで110人程度の要員削減を行う一方、新規業務や既存業務の強化などへの増員配置を70人程度予定しています。この結果、差し引き40人の純減となり、23年度の予算人員は1万0,542人となります。

(会 長)  NHK単体としての要員純減はわかりましたが、グループ全体の要員数がどうなるのかについても把握して、別の機会に報告してください。
 議案については、原案どおり決定します。

(4)平成23年度収支予算編成要綱
(経理局)
 平成23年度予算の基本的な考え方および事業運営の重点事項、それに基づく収支予算の具体的な内容と予算額について、「平成23年度収支予算編成要綱」として取りまとめましたので、審議をお願いします。
 23年度は、受信料の公平負担に向けた取り組みを強化し、経営目標である「受信料支払率75%」の達成を目指すとともに、受信料外収入の確保に努めます。また、テレビジョン放送の完全デジタル化に向けた対策や、視聴者の期待に応える番組や地域放送の充実等に経営資源を重点配分する一方で、効果的かつ効率的な業務運営を一層推進します。これにより、23年度の事業収支差金は、前年度の赤字から40億円の黒字になります。
 本議案が了承されれば、本日の第1131回経営委員会に審議事項として提出します。なお、最終的には、平成23年1月11・12日に、収支予算、事業計画、資金計画からなる予算書を提出し、審議・議決を求める予定です。

(会 長)  原案どおり了承し、本日の経営委員会に諮ることとします。

以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成22年12月21日
                     会 長  福 地 茂 雄

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