日本放送協会 理事会議事録  (平成22年10月19日開催分)
平成22年11月 5日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成22年10月19日(火) 午前10時15分〜10時35分

<出   席   者>
 福地会長、永井技師長、日向専務理事、溝口理事、八幡理事、
 大西理事、今井理事、黒木理事、塚田理事、吉国理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。


付議事項

1 審議事項
(1)第1128回経営委員会付議事項について
(2)国際放送番組審議会委員の委嘱について

2 報告事項
(1)「放送局のちから」活動報告(平成22年9月)
(2)非現用不動産の売却について
(3)平成22年度放送局監査実施状況

議事経過

1 審議事項
(1)第1128回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 10月26日に開催される第1128回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「国際放送番組審議会委員の委嘱について」、報告事項として「平成22年度第2四半期業務報告」、「契約・収納活動の状況(平成22年9月末)」、「『NHK情報公開』の実施状況(平成22年度上半期)」、および「非現用不動産の売却について」です。また、その他の事項として「平成23年度予算編成について」です。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)国際放送番組審議会委員の委嘱について
(国際放送局)
 国際放送番組審議会委員の委嘱について、審議をお願いします。
 竹中千春氏(立教大学法学部政治学科教授)に、平成22年11月1日付で新規委嘱したいと思います。
 なお、酒井啓子委員(東京外国語大学大学院地域文化研究科教授)は、任期満了により10月31日付で退任されます。
 本件が了承されれば、10月26日開催の第1128回経営委員会に諮りたいと思います。

(会 長)  原案どおり了承し、次回の経営委員会に諮ることとします。

2 報告事項
(1)「放送局のちから」活動報告(平成22年9月)
(視聴者事業局)
 受信料支払率向上と接触者率向上の経営2目標の達成に向けた「放送局のちから」活動について、平成22年度の上半期の総括と、9月分について報告します。
 はじめに、上半期の総括についてです。
 4月から9月までに、全国の放送局から1,010件の活動報告が集まりました。その取り組み内容を、「視聴者層拡大」、「地域・社会貢献」、「地デジ普及促進」、「受信料支払率の向上」、「3−Screens展開」、「その他」の6種類に分類すると、「視聴者層拡大」が最多で、次いで「地域・社会貢献」が多く報告されています。地域によって重点を置く項目が異なっており、関東甲信越地方は「地域・社会貢献」、近畿地方や中国地方は「視聴者層拡大」の取り組みが目立っています。また、「3−Screens展開」に関する活動に最も多く取り組んでいる放送局もありました。各放送局が、地域の課題にあわせ、「放送局のちから」の取り組みを展開していることがわかります。
 ふれあいミーティングは、上半期に全国で762回開催し、2万1,697人の方が参加しました。年代別では60代の方の参加が最も多く、また、意見・要望の分野別では、番組に対する意見が40%以上を占めました。さらに、今年度から、接触者率が低い40代以下の視聴者の声を聴くことや、経営2目標の達成に特に資することを目的としたふれあいミーティングを、各放送局からの提案に基づき実施しています。この提案型のふれあいミーティングは、上半期に8回開催し、735人の方が参加しました。これらのミーティングには、若い世代、特に40代の方が最も多く参加したという結果が出ています。大分放送局では、地元のサッカーJ2チーム・大分トリニータをテーマに開催したところ、試合中継のパブリックビューイングを実施してほしいという要望があり、すぐに取り組んで実現させました。また、旭川放送局では、ワールドカップに関連した釧路放送局のふれあいミーティングが好評だったことを受け、同様のミーティングを実施しました。参加した方からは、「あらかじめテーマがわかるので参加しやすい」、「同年代が集まっていたので話しやすかった」という声が聴かれました。このように提案型のふれあいミーティングに一定の成果が見えてきています。
 上半期に全国から寄せられた改善事例の報告は476件でした。そのうちの20%にあたる97件が視聴者の声を受けた改善事例となっており、番組やデータ放送・ホームページに関する改善が目立ちました。残る80%は、職員の気づきによる自発的な改善で、視聴者とのふれあい活動や地デジ普及促進など改善内容は多岐に渡ります。
 続いて、9月の「放送局のちから」の取り組みについて報告します。
 9月には、全国の放送局から179件の活動報告が集まりました。取り組み内容は、8月に続き、「視聴者層拡大」が、もっとも多く報告されています。その中から3つの事例を紹介します。
 1つ目は、奈良放送局の取り組みです。平城遷都1300年にあたり、歴史番組で制作した東大寺大仏殿内部や纒向(まきむく)遺跡の再現映像を、立体視(3D)CG映像に加工し、9月23日から25日の3日間、平城遷都1300年祭のメイン会場である平城宮跡の交流広場で上映しました。歴史好きの視聴者をはじめとする、約700人の方に迫力ある映像を体験していただき、好評でした。
 2つ目は、昨年「3−Screensプロジェクト」を立ち上げた青森放送局の取り組みです。若者層への発信力を高めようと、8月22日に弘前市で行われた、高校生の洋服デザインの全国大会「ファッション甲子園」と連動し、ホームページを特設しました。初めて携帯サイトに動画を掲載するなどの試みにより、課題だったティーンエイジャーへの接触を図りました。「東京カワイイ★TV」とも連携し、大会前日に行われたTシャツ作りのワークショップの模様を、出演者の沢村一樹さんが作った作品を含めて取材し、番組内で放送しました。高校生を中心にホームページへのアクセス数は7,000ページビューを超えています。
 3つ目は、連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の番組ホームページについてです。視聴者が興味を引くコンテンツの開発や、動画配信、活発な更新などさまざまな取り組みを行い、9月には累計アクセス数が1億ページビューを超えました。特に8月は、ブログパーツのプレゼントや、インターネットのポータルサイトのバナーによるPRなど周知に工夫をこらしました。8月の1か月間に2,500万ページビューを超えるアクセスがあり、視聴者層拡大に大きな効果をあげました。
 続いて、ふれあいミーティングについて報告します。9月のふれあいミーティングは全国で162回開催し、5,240人の方が参加しました。
 そのうち、松山放送局で開催したふれあいミーティングでは、「ロケの様子を見たい」という視聴者の要望に応え、松山市内で行われたスペシャルドラマ「坂の上の雲」のロケの模様をドラマ収録用とは別のカメラで撮影し、放送会館ロビーでリアルタイムに上映するライブビューイングを行いました。中継映像を見ながら、番組関係者が解説をしたり、その場で自由に質問をしてもらうなど、ミーティングの活性化に努めました。参加者からは、「撮影の苦労を知り、NHKのドラマ制作の丁寧さを学んだ」、「頑張っている姿に、受信料を払う価値があると思った」などの声が寄せられました。
 高松放送局では、視聴者層の拡大に向けて、子育て中の30代の方々からの意見・要望を聴くふれあいミーティングを行いました。親子で参加できる工作教室の後、親だけがミーティングに参加できるよう、子どもたちが遊べるコーナーを別室に作るなど、ファミリーで参加しやすいよう工夫しました。「子ども番組はよく見るが、夕方の地域ニュースは見ていない」という意見や、「午後10時〜11時台に地域ニュースの放送や、子育てに役立つ情報を充実させてほしい」という父親からの要望も寄せられました。
 視聴者からの意見や要望などに基づく業務の改善について報告します。9月は、全国の放送局から96件の改善事例が報告されました。
 「ニュースウオッチ9」の気象情報コーナーでは、これまで、気象予報士の左襟にマイクを付けて放送していましたが、気象画面のある右後方を向きながら説明すると、口元とマイクの位置が離れ、音量・音質ともに聞き取りにくくなることがありました。そこで小型の耳にかけるタイプのマイクを導入し、改善を図りました。また、「おはよう日本」では、番組冒頭の画面上でニュース項目を短く紹介するタンザク形の“インデックス”について、「項目が多く見にくい」という意見に応え、演出や時間にあわせて、インデックスの項目数が自由に設定できるようにシステムを改善しました。いずれも後半期の番組開始である9月27日から改善を行っています。
 最後に、NHKネットクラブについての報告です。9月末のNHKネットクラブ会員数は、78万2,925人となっています。
 9月4日と5日に放送した「BSデジタル号がゆく!〜ブルートレイン 九州一周の旅〜」にあわせ、新規会員獲得へ向けた施策を展開しました。BSデジタル号のペーパークラフトや壁紙、待受画像など番組関連のプレゼントを行い、206件の新規会員獲得につなげました。また、NHKネットクラブのホームページについても、より見やすく、よりわかりやすくするための改善を行いました。

(会 長)  改善事例の報告がない放送局・本部部局がまだ散見されます。どの放送局や部局でも、日々の業務を行ううえでは、常によりよくすることを意識して進めているはずなので、“改善”をひとつもしていないということは考えにくいのですが、改善報告の件数に開きが見られるのは、“報告する改善”のとらえ方に温度差があるのではないかと感じます。 せっかくの集計も、一定の基準や考え方の統一が図られていないと有用なデータになりえません。「改善報告」の指標をあらためて整理し直し、各放送局や部局で共有するようにしてください。

(2)非現用不動産の売却について
(経理局)
 非現用不動産の2件について、売却手続きを取り進めたので報告します。
 東京都杉並区の堀ノ内寮跡地の建物付き土地364.23平方メートルを、1億3,400万円(367.8千円/平方メートル)で売却しました。
 また、東京都調布市の入間寮跡地の建物付き土地1,413平方メートルを、2億8,552万3千円(202.0千円/平方メートル)で売却しました。
 いずれも、契約方式は一般競争入札で、売却額は不動産鑑定機関の評価額を上回っています。
 なお、本件は、10月26日開催の第1128回経営委員会に報告事項として提出します。


(3)平成22年度放送局監査実施状況
(内部監査室)
 平成22年5月から7月にかけて各地の放送局で実施した内部監査の結果について、報告します。これは、内部監査規程に基づき各部局の内部監査結果を取りまとめて、理事会に報告するものです。
 まず、この期間に内部監査を実施した放送局数について報告します。今年度に実施を計画している24放送局のうち、各地域ブロックの拠点局については、名古屋、広島、札幌、松山の4放送局、各ブロック域内の放送局については、新潟、前橋、さいたま、松江、山形、帯広、釧路、北見、高知の9放送局、計13放送局で定期監査を実施しました。残りの11放送局についても、その後10月までにすべて監査を実施しましたが、その実施状況は、別途報告します。
 監査結果の概要を報告します。監査を行った項目は、業務プロセスおよび適正経理についてです。業務プロセス監査では、いくつかの放送局で「重要度の高い発見事項」を指摘し、改善を提案しました。それ以外の放送局については、各業務プロセスにおけるリスクの管理状況は、「ほぼ適正」と判断しました。また、適正経理については、いくつかの放送局で「指示事項」がありましたが、それ以外は、「ほぼ適正」に処理されていました。なお、発見事項および指示事項については、当該放送局に改善を提案し、今後のフォローアップ監査で改善の確認を行う予定です。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成22年11月 2日
                     会 長  福 地 茂 雄

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