日本放送協会 理事会議事録  (平成22年 5月18日開催分)
平成22年 6月 4日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成22年 5月18日(火) 午前9時00分〜9時25分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、永井技師長、金田専務理事、日向専務理事、
 溝口理事、八幡理事、大西理事、今井理事、黒木理事、塚田理事、
 吉国理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1119回経営委員会付議事項について
(2)次期の電波利用料に関する意見募集への対応について
(3)平成21年度予算総則の適用について
(4)職務権限事項の改正について

2 報告事項
(1)関連団体の事業運営状況等について

議事経過

1 審議事項
(1)第1119回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 5月25日に開催される第1119回経営委員会に付議する事項について審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「平成21年度予算総則の適用について」と「中央放送番組審議会委員の委嘱について」、報告事項として「視聴者対応報告(平成22年4月)について」、「契約・収納活動の状況(平成22年4月末)」、「関連団体の事業運営状況等について」、および「地方放送番組審議会委員の委嘱について」です。

(会 長)   原案どおり決定します。


(2)次期の電波利用料に関する意見募集への対応について
(技術局)
 次期の電波利用料に関する意見募集への対応について審議をお願いします。
 総務省では、「電波利用料制度に関する専門調査会」を設置し、次期(平成23年度〜25年度)の電波利用料制度の見直しに向けた検討を4月19日から開始し、同調査会の議論に資するため、電波利用料の見直しに関して、5月19日を期限に意見募集を行っています。
 意見募集の対象項目は、「電波利用料の使途及び予算規模について」、「電波利用料の料額について」、そして「その他」の3項目です。
 NHKは、これらについて検討を行い、次の内容で意見を提出することとしたいと思います。

1 電波利用料の使途及び予算規模について

 ・ NHKは視聴者が負担する受信料によって運営されている公共放送であり、電波を利用することによって利益を得る企業とは基本的に性格を異にしています。電波利用料額の見直しによりNHKの負担が増えないよう、適切な予算規模と効率的な事務の実施を要望します。
 ・ 「特定周波数変更対策業務(アナログ周波数変更対策業務)」に係る追加的な電波利用料の負担は、平成22年度で終了することから、これを踏まえた予算規模の見直しを行うことを要望します。
 ・ 「地上デジタル放送への完全移行のための送受信環境整備事業」は、国の施策である地上放送のデジタル化に必要な支援事業であり、これにより新たに130MHz幅の周波数帯が創出され、放送業務だけでなく通信など他業務を含めた無線局免許人の受益に適うものであることから使途として適切であると考えます。本事業が平成23年度以降も継続されることを要望します。

2 電波利用料の料額について

 ・ 放送事業者は、国の施策である地上放送のデジタル移行に全力を挙げて取り組んでおり、デジタル送信設備などの整備に、多大な設備投資を行ってきたところです。デジタル移行完了後も、放送サービスの向上や安定運用への投資が控えていることから、電波利用料額の検討においては、こうした状況が勘案されることを要望します。
 ・ NHKは、公共放送としてあまねく全国に豊かで、かつ、良い放送番組を届け、また、災害の場合の放送を迅速かつ的確に提供する使命を果しています。これらの公共性や同一システム内で複数の免許人が共用する利用形態を勘案した料額の軽減措置は適当であり、次期の検討にあたっても引き続き勘案されることを要望します。
 ・

「地上デジタル放送への完全移行のための送受信環境整備事業」の後年度負担は、適切な期間を設定し平準化されることを要望します。

 ・

平成23年度以降の放送事業者の電波利用料負担は、「特定周波数変更対策業務(アナログ周波数変更対策業務)」による追加的な負担分を減ずるとともに、「地上デジタル放送への完全移行のための送受信環境整備事業」の後年度負担、および、本事業に係る経費を現時点において再度精査した上で、検討されることを要望します。

 今後のスケジュールとしては、6月の専門調査会で、予算規模、使途、負担の方向性についての議論が行われます。そして、7月に基本方針案の検討が行われ、8月に基本方針が決定される見込みです。

(会 長)   原案どおり決定します。


(3)平成21年度予算総則の適用について
(経理局)
 平成21年度の予算総則の適用について審議をお願いします。
 予算総則は、国会で承認された各年度の予算書の中で、予算の各項間の流用等、予算の執行に関するルールなどを定めているものです。
 21年度の予算総則の適用については、一般勘定の事業収支において予算の流用、技術協力収入の受入れおよび研究実施経費への振当て、資本収支において建設費予算の繰越しを行うとともに、番組アーカイブ業務勘定において予算の流用を行いたいと思います。
 本件が了承されれば、5月25日開催の第1119回経営委員会に議決事項として提出します。

(会 長)   原案どおり了承し、経営委員会に諮ることにします。


(4)職務権限事項の改正について
(人事総務局)
 職務権限事項の改正について、審議をお願いします。
 今回は、組織改正に関する項目に加え既存業務の見直しに伴う項目などの改正です。
 組織改正に関しては、組織名称の簡明化関連として、室・センターの見直しや視聴者サービス局の視聴者事業局への改称などに伴い、当該名称の表記を改めます。また、その他の業務体制の見直しとして、部の新設や再編、NHKオンデマンド室の局組織としての常設化などに伴う名称変更や権限事項の移行を行います。
 職位名称の見直しに関しては、補佐職位の簡素化等に伴い、職位表記の変更や必要に応じて置く職位に関する規程の改正を行います。
 このほか、既存業務の見直し等に関して、各部局の現行業務に合わせた記載項目の変更や整理、軽微な字句修正などを行います。
 本日、決定されれば、組織改正の発令にあわせて、6月11日付で施行します。

(会 長)  原案どおり決定します。


2 報告事項
(1)関連団体の事業運営状況等について
(関連事業局)
 関連団体の事業運営状況等について、「関連団体運営基準」に基づいて概要を報告します。
 まず、平成21年度の関連団体の業務運営状況調査の結果についてです。この調査は、従来業務監査として報告してきましたが、一般企業における会計監査と誤解されかねないため、21年度から業務運営状況調査という呼称に改めました。
 調査は、関連団体運営基準第19条に基づき外部監査法人に委嘱して、子会社13社、関連会社2社、関連公益法人等9団体の24団体について21年7月から22年1月にかけて実施しました。各関連団体についての調査対象期間は、20年度に調査を実施して以降、21年度に業務運営状況調査を実施するまでとしました。調査の方法は、各関連団体について、監査法人所属の公認会計士が数名2日間程度訪問し、既定の調査手続きに基づき、各種書面の点検ならびに関係者への聞き取りにより実施しました。
 調査内容は主に2つで、1つ目は、関連団体の事業活動が「関連団体運営基準」に照らして適正に行われているかの調査です。その結果、1団体1件の検出事項の報告がありましたが、NHKはその内容を確認し、不適切なレベルではないと判断しました。2つ目は、NHKが指定する事項に関する調査で、「平成21〜23年度 NHK経営計画」に掲げたNHKと関連団体の取引の透明性の確保に資する調査です。21年度は、A「『NHK取引とその他の取引の区分経理に関する基本方針』準拠性」、B「実績原価報告のサンプリング調査」の2点を調査しました。その結果、Aについては17団体で軽微で少額な計算ミス等が検出されましたが、NHKはその内容を確認し、20年度「NHK取引とその他の取引の区分経理」報告の修正が必要なレベルにはないと判断しました。Bについては、実績原価調査の対象として事前に抜き出した84件の契約について、NHKの指定する「実績原価調査票」に関連団体が売上高、売上原価(直接費・間接費)等を記入し、監査法人がその内容を調査したところ、単純な計算ミスや区分が明確でない原価が一部にあることなどが判明しました。NHKは、その内容を確認し、報告の修正が必要なレベルにはないと判断しました。
 NHKとしての今後の対応は、「関連団体運営基準」への準拠性については、各関連団体における業務実施手順を徹底し、事業運営に対する指導・監督を継続します。「『NHK取引とその他の取引の区分経理に関する基本方針』準拠性」と「実績原価報告のサンプリング調査」については、より精度の高い報告を行うよう関連団体を指導します。また、実績原価報告の調査結果については、サンプルとして抜き出した契約について間接費まで含めた原価実態が把握できたので、今後、関連団体との業務委託契約見直しの材料として活用していきます。
 続いて、平成21年度の関連団体との事前協議等の概要についてです。関連団体運営基準第11条に掲げる経営上重要な事項は、NHKとの事前協議を義務づけています。今回は21年11月から22年3月末までについて報告します。
 関連団体運営基準では、NHKと事前協議すべき重要事項として、合併・解散、営業権利の譲渡、出資、重要な人事等を定めていますが、11月から3月までに、事前協議事項は20件ありました。具体的には、NHKエンタープライズによる国際メディア・コーポレーションの吸収合併や、同じくJapan Satellite TVおよびJapan Network Groupの株式取得、NHKアイテックによるブラジルの公共放送局向けデジタル放送プラットフォーム事業運営会社への出資などです。
 最後に、平成21年度関連団体事業活動審査委員会の活動結果についてです。
 関連団体事業活動審査委員会は、NHKの関連団体の事業活動について、外部から意見、苦情等を受け付け、その適正性を審査するために設置しているもので、副会長を委員長とし、NHKの役職員と、議論の公正性を確保するため公認会計士と弁護士の2名の部外委員とで構成されています。
 21年度については、関連団体事業活動審査委員会に寄せられた意見・苦情等はありませんでした。委員会は、21年12月1日および22年4月6日に開催し、意見・苦情等の受け付け状況を報告したほか、関連事業に関して意見交換を行いました。
 なお、委員会事務局では、NHKのホームページからもメールで意見・苦情等の受け付けをできるようにしており、委員会が有効に機能するように努めています。
 この内容は、5月25日開催の第1119回経営委員会にも報告します。

(八幡理事)  「実績原価報告のサンプリング調査」において、「区分が明確でない原価が一部にあった」という報告がありましたが、具体的にはどのようなことですか。
(関連事業局)  一連の作業の中にNHKの業務と外部の業務が混在する場合があり、その間接費の配賦について、どこまでをNHK分とし、どこまでを外部のものとするかの仕分けが明確でなかったということです。これについては、システムの改修により改善できそうなので、できるだけ早く対応するように指導しました。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成22年 6月 1日
                     会 長  福 地 茂 雄

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