日本放送協会 理事会議事録  (平成22年 5月11日開催分)
平成22年 5月28日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成22年 5月11日(火) 午前9時00分〜9時15分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、永井技師長、金田専務理事、日向専務理事、
 溝口理事、八幡理事、大西理事、今井理事、黒木理事、塚田理事、
 吉国理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 報告事項
(1)2010FIFAワールドカップの放送計画について
(2)技研公開2010について

議事経過

1 報告事項
(1)2010FIFAワールドカップの放送計画について
(編成局)
 南アフリカ共和国で日本時間の6月11日に開幕する、2010FIFAワールドカップの放送計画について報告します。
 今回もこれまでと同様に、NHKと民放が組織するジャパン・コンソーシアム(JC)により共同で放送権取得や中継映像・音声の制作を行います。NHKの放送は、JCでのカード選択交渉を受け、関係部局で放送計画を策定した結果、以下の要領で実施します。
 日本と南アフリカの時差はマイナス7時間なので、キックオフの時間は日本時間の20時30分(現地時間13時30分)、23時00分(同じく16時00分)、3時30分(同じく前日20時30分)となります。NHKは全64試合のうちJCが権利を取得した44試合を、総合テレビと衛星第1テレビ、ラジオ第1放送で放送します。
 総合テレビでは、日本代表の初戦となるカメルーン戦をはじめ、開幕戦や決勝など注目度の高い22試合を生中継で放送します。また、「デイリーハイライト」、「ウイークリーハイライト」などのダイジェスト番組を、視聴しやすい時間帯に編成します。さらに、すべての生中継はハイビジョン映像と5.1chサラウンド音声で伝えます。
 衛星第1テレビでは、日本の1次リーグ第2戦となるオランダ戦の生中継をはじめ、JCが権利を取得した44試合すべてを放送します(日本対オランダ戦以外は中継録画)。衛星放送ならではの柔軟な編成で、およそ130時間にわたって放送します。なお、衛星ハイビジョンでも、衛星第1で放送する試合の中から数試合をえりすぐって中継録画で伝えます。
 ラジオ第1放送では、日本の1次リーグ全3試合をはじめ15試合をラジオ独自の実況・解説で、生中継で放送します。
 放送時間は、総合テレビが78時間、衛星放送134時間、ラジオ第1放送32時間の合計244時間です。2006年のドイツ大会と比べて放送時間は短くなりますが、各メディアの特徴を生かし、めり張りのある編成で視聴者の期待に応えていきたいと思います。
 この内容は、本日の経営委員会にも報告します。

(会 長)  ウインブルドンテニスとFIFAワールドカップの開催時期が重なりますが、放送は並行して行う予定ですか。
(編成局)  ウインブルドンテニスの放送は、1回戦が行われる6月21日から総合テレビなどで放送します。

(2)技研公開2010について
(放送技術研究所)
 平成22年度の放送技術研究所公開について報告します。
 今年のNHK放送技術研究所公開の期間は、5月25日から30日までです。5月25日はオープニングセレモニー等を行い、26日は専門家招待日、27日から30日までを一般公開日とします。
 展示のポイントについて説明します。今年は放送技術研究所の創立80周年にあたることから、“技研80年 さらなる未来へ”をテーマに、最新の研究成果を44項目展示します。「平成21〜23年度 NHK経営計画」に掲げた“いつでも、どこでも、もっと身近にNHK”を実現するための「放送通信連携技術」(ハイブリッドキャスト)、将来のメディアを開拓する「スーパーハイビジョン」の技術や、めがねなしで自然な立体映像が得られる「インテグラル立体テレビ」の研究成果、すべての人に情報をお届けする「人にやさしい放送」技術などを展示します。また、1年後に迫った完全デジタル化に対応する、地上デジタル放送関連研究を一堂に集めて展示します。
 全期間実施する研究展示のほか、5月27日には講演会を行います。放送技術研究所長による「放送技術研究のこれまでと将来 〜新しいライフスタイルを目指して〜」の講演のあと、アメリカのメディアグループ・NBCユニバーサルや、ソフトウエア会社のインフォシティ、東京大学から招いた専門家による講演会を行います。28日には、職員による展示関連の研究発表を6件と特別発表を2件実施します。これらの講演会と研究発表については、インターネットでライブ配信します。26日〜30日には、専門家向けに基礎研究の成果を深く掘り下げて紹介するポスター展示も行います。また、29日、30日の土日には、「技研ガイドツアー」として、職員が解説しながら引率する一般来場者向けのグループツアーを実施するほか、今回、初めての試みとして子ども向けの科学イベント「なっとくテレビ塾」を開催します。これらは、NHKのインターネット会員サービス「NHKネットクラブ」と連携して、会員を優先的に招待することとし、経営目標達成に向けたオールNHKの取り組みとして実施します。
 続いて、主な展示項目について報告します。
 「放送と通信の連携サービス」に関連した展示では、視聴者の意図をくみ取るテレビや、NHKクリエイティブ・ライブラリーのための映像検索システムなど、放送と通信のそれぞれの特長を生かした便利なサービスを紹介します。
 「スーパーハイビジョン」関連の展示では、スーパーハイビジョンシアターで、フル解像度3板プロジェクターによる上映を行うほか、フル解像度3板式スーパーハイビジョンカメラで撮影したロケ映像などをご覧いただきます。また、スーパーハイビジョンの22.2マルチチャンネル音響を一般家庭で再生する技術などを紹介します。
 そのほか、「人にやさしい放送」のコーナーで日本語から手話CGへ翻訳する技術などを紹介するとともに、「フレキシブル有機ELディスプレイ」などの展示も行います。
 なお、「地上デジタル放送」のコーナーには受信相談コーナーも併設します。

(溝口理事)  「ハイブリッドキャスト」とは、どういうイメージのものですか。
(放送技術研究所)  この技術によって、リモコンのボタンを押すことで、通信と連携したさまざまな新しいサービスを利用することができるようになります。1つ例を上げると、今視聴している番組に関連した番組を、インターネットや、番組アーカイブス、ハードディスクに保存している番組などからタイムリーに検索して推薦するシステムなど、視聴者の意図をくみ取り、好みに応じたサービスを提供するといったイメージです。
(金田専務理事)  政府の行政刷新会議による事業仕分けで、総務省が所管する独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が対象になっていましたが、放送技術研究所の研究に影響はありませんか。
(放送技術研究所)  これまであまり大きな影響はありませんでしたが、事業仕分けの中で委託研究の見直しも行われ、一部NHKが受託しているものについても影響を受けました。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成22年 5月25日
                     会 長  福 地 茂 雄

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