日本放送協会 理事会議事録  (平成21年10月20日開催分)
平成21年11月 6日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成21年10月20日(火) 午前8時30分〜9時15分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、金田専務理事、日向理事、溝口理事、
 八幡理事、永井理事、大西理事、関根理事、今井理事、黒木理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1104回経営委員会付議事項について
(2)特定失踪者問題調査会による八俣送信所の送信設備等の使用の期間
   延長について
(3)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(4)視聴者対応報告(平成21年9月)について

2 報告事項
(1)21年9月の視聴者満足(CS)向上活動報告
(2)「NHK情報公開」の実施状況(平成21年度上半期)
(3)契約・収納活動の状況(平成21年9月末)
(4)地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について

議事経過

1 審議事項
(1)第1104回経営委員会付議事項について
(総合企画室)
 10月27日に開催される第1104回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「中央放送番組審議会委員の委嘱について」、また、報告事項として「平成21年度第2四半期業務報告」、「契約・収納活動の状況(平成21年9月末)」、「視聴者対応報告(平成21年9月)について」、「『NHK情報公開』の実施状況(平成21年度上半期)」および「地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について」です。

(会 長)   原案どおり決定します。


(2)特定失踪者問題調査会による八俣送信所の送信設備等の使用の期間
   延長について
(永井理事)
 特定失踪者問題調査会の行う北朝鮮拉致被害者向け短波送信「しおかぜ」のために、KDDIが所有しNHKが包括的使用権を有する八俣送信所の送信設備等の使用を、平成19年3月26日から21年10月25日までの2年半にわたり、同調査会に認めてきました。引き続き、平成22年3月28日までの使用を認めることとしたいので、審議をお願いします。
 これまで、送信設備等を「しおかぜ」に使用させることについては、NHK、KDDI、同調査会の3者の合意に基づき、6か月ごとに期間を延長することによってこれを認めてきました。
 このほど、同調査会からあらためて21年度下半期についても、送信設備等を使用させてほしいとの申し出があったので、人道上の見地から可能な範囲での協力としてこれまでと同様の措置をとることとしたいと思います。
 NHKは、3者で締結した確認書に基づき、NHKの業務に支障があるときは、いつでも調査会の短波送信の停止を求めることが可能です。これを担保するための覚書を、あらためて3者で締結することにします。

(会 長)   原案どおり決定します。


(3)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(日向理事)
 中央放送番組審議会委員の委嘱について審議をお願いします。
 家本賢太郎氏((株)クララオンライン代表取締役社長)に、平成21年11月1日付で再委嘱したいと思います。
 本件が了承されれば、10月27日開催の第1104回経営委員会に諮ります。

(会 長)  原案を了承し、次回の経営委員会に諮ることとします。


(4)視聴者対応報告(平成21年9月)について
(視聴者サービス局)
 放送法第12条に定める視聴者対応の状況について、平成21年9月分を以下のとおり取りまとめました。ついては、放送法第22条の2第3項の規定に基づき、経営委員会に報告したいと思います。
 9月にNHKに寄せられた視聴者の声の総数は34万8,206件でした。前月より件数が減少していますが、8月は衆議院選挙や夏の特集番組に対して多くの意見・問い合わせが寄せられたため、通常月よりも多かったことが原因と考えられます。9月の視聴者の声の内訳は、苦情や要望等を含めた意見が6万4,724件(19%)、問い合わせが24万8,529件(71%)、その他が3万4,953件(10%)でした。苦情や要望等を含めた意見のうち91%は意見を受け付けた1次窓口で対応を完了し、残る9%は該当部局へ転送して2次対応しました。この割合は通常月と変わりません。
 9月のピックアップとして、21年度前半期の連続テレビ小説「つばさ」への反響について紹介します。「つばさ」には、26週間で6,267件の反響が寄せられました。昨年度前半期の「瞳」は5,920件、後半期の「だんだん」は8,018件でした。「つばさ」は、放送開始から厳しい意見が目立っていましたが、7月6日からの第15週以降、厳しい意見は激減しました。4月受け付け分の内容を見ると、演出や脚本に対する厳しい意見がそれぞれ400件前後でしたが、9月受け付け分では脚本についてが90件、演出についてが33件と、ともに減少しています。年代別に反響内容を見ると、50代、60代、70代以上で厳しい意見が多く、20代、30代の若い世代では少ない傾向が見られました。
 9月の放送番組に寄せられた反響総数は、12万7,883件で、意見は4万6,043件、問い合わせは8万1,840件でした。個別番組で反響が最も多かったのは、「夏の北アルプス あぁ絶景!雲上のアドベンチャー」(9月23日放送)で、1,299件の反響が寄せられました。夏の北アルプスを3週間かけて歩く大縦走に、登山歴1年の名古屋放送局のアナウンサーと登山家の田部井淳子さんが挑んだ番組です。視聴者からは「たいへん見応えのある番組だった。単なる山登りの番組に終わらず、田部井さんの人生観、明るく前向きな人柄がうまく出ていてすばらしかった」「北アルプスの景観がすばらしかった」などの好評意見が多数寄せられました。また、再放送の問い合わせや要望も、986件寄せられました。これらの声に応えて、10月3日に衛星第2で再放送することにしました。コールセンターや番組を制作した名古屋放送局にメールで問い合わせをいただいた125人の方には、メールで再放送のお知らせをしました。
 「ドラマスペシャル 白洲次郎 <全3回>」(9月21〜23日放送)には、1,285件の反響が寄せられました。今年2月と3月に放送した第1回と第2回の再放送と合わせて、第3回を放送したところ、放送予定の問い合わせや再放送を希望する声が数多く寄せられました。また、新政権発足への関心の高さを反映して、これに関連するさまざまな番組に多くの意見が寄せられました。クローズアップ現代「シリーズ・政権交代」(9月1〜3日放送)では、衆議院選挙で民主党が圧勝した直後、3日連続で、政権交代で日本はどう変わるのか、政と官の関係、経済政策、外交問題について探りました。「次期政権政党である民主党に、国民が聞きたかったところを取り上げた、フットワークの良いタイムリーな番組内容だった。拙速な結論を求めず若い民主党の4年間のこれからを見守りたいと思った」など、493件の反響が寄せられました。このほか、NHKスペシャル「“政権交代”政治はどう変わるか」(9月6日放送)では、今後の日本の政治がどう変わるのか、各党の代表が徹底討論し、407件の反響がありました。双方向解説・そこが知りたい!「新政権 どうなる内政 どうする外交」(9月21日放送)では、視聴者からのメールやファックスでの意見や質問にも答えながら、内政と外交の両面から新政権の行方を展望し、330件の反響が寄せられました。
 視聴者からの意見や要望を受けて、NHKの判断や考え方を説明し、理解を求めた事例を紹介します。
 9月9日、地下鉄東西線が事故で一時不通になり、29万人の足に影響を与えたニュースで、NHKの取材ヘリコプターが住宅密集地を低空飛行したことについて、「ヘリの騒音は迷惑だ。住宅密集地への配慮はあったのか」という苦情が寄せられました。NHKでは、騒音についておわびをしたうえで、現場は羽田空港に離着陸する航空機の航路下にあるため、通常は高度300メートル以上で飛行するヘリコプターが、ここでは300メートル以下で飛行しなくてはならない特別管制空域内であったこと、こうした場所では短時間での航空取材を心がけることを説明して理解を求めました。
 また、気象情報について、「気温や降水量を色分けで表示しているが、色覚に障害のある者にとって、判別困難な場合がある。特に問題だと思うのは、警報地域と注意報地域が色のみで識別表示されているので、緊急を要する判断が遅れる恐れがある。警報地域については色以外のパターンを組み合わせるなどの工夫をしてほしい」という要望を受けました。NHKでは、気象画面を開発・制作するにあたって、色覚に障害のある方にもわかりやすい色合いになるように、特殊なメガネをかけて画面をチェックしたり、色覚に障害のある方にとって画面がどのように見えるのかを示すコンピューターのソフトも導入し、画面の制作に活用していることを伝えました。ただ、刻々と変化する気象データを処理する中で、隣り合う色どうしが見えにくくなるなどの課題があるのも事実で、今後も引き続き、画面の文字情報の表示のしかたを工夫したり、アナウンスの言葉、音声での伝え方を工夫するなど、よりわかりやすい気象情報の放送に取り組んでいくことを説明しました。
 一方で、視覚に障害のある視聴者の方から、「番組の問い合わせなどで宇都宮放送局のハートプラザに電話をすると、いつも親切に対応してくれる。ひとつのことを聞くと、気を利かせていろいろ教えてくれる」という謝辞をいただいた事例もありました。
 テロップなどの誤記や原稿などの誤読については、視聴者からの指摘に基づき確認した結果、69件の表記のミスや読み間違いなどがありました。いただいた指摘については、番組担当者に連絡し、放送の中で訂正するように努めるとともに、再発防止に向けて放送関係の部局に周知し、現場に注意を喚起しました。
 また、NHKの公式ホームページ「NHKオンライン」の利用者が増えるのに伴い、ホームページの更新遅れの指摘などが、4月から9月の半年間に135件寄せられました。放送番組での誤記、誤読への指摘が半年間で357件だったのに対して、ホームページへの指摘は、そのおよそ40%にあたる件数でした。主な内容は、更新遅れ、リンクのエラー等のシステムについての指摘が最も多く56件、記述内容などの事実関係の間違いが29件、固有名詞や漢字などの表記の間違いが26件、放送予定日や放送内容の間違いが24件でした。
 経営関係の意見について報告します。
 9月15日、総務省は、生活保護などの公的扶助を受けている世帯等NHKの受信料全額免除世帯で地上デジタル放送がまだ受信できない世帯へ簡易チューナーを無償給付することにしていますが、10月1日からこの受け付けを開始することを発表しました。これに関して、NHKの視聴者コールセンターや各地の放送局に105件の問い合わせや意見が寄せられました。このほか、受信料についての問い合わせを受けるコールセンターにも、チューナーの無償給付を受けるために必要な手続きについての問い合わせなどが1,025件寄せられました。

(会 長)  原案どおり決定し、次回の経営委員会に報告します。


2 報告事項
(1)21年9月の視聴者満足(CS)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 21年9月の視聴者満足(CS)向上活動について報告します。
 平成21年度、全国53の放送局は“放送局のちから”を掲げ、さまざまな取り組みを実施してきました。ある放送局の取り組みを参考に、別の放送局が地域の特色をアレンジしてさまざまな活動を生み出す“水平展開”の事例が増えてきたことが上半期活動の特徴の一つです。いくつかの事例を報告します。まず、ワンセグデータ放送でプロ野球の地元球団の試合速報を配信するサービスが全国に水平展開した事例です。平成20年3月、ワンセグのローカルデータ放送送出機能が整備されたことから、各放送局で地域独自のコンテンツの送出が可能となりました。札幌放送局はそこに着目して、ワンセグデータ放送用に「北海道日本ハムファイターズ試合速報コンテンツ」を独自サービスとして開発し、放送をスタートさせました。続いて、地元球団のある名古屋放送局、さらに福岡、広島、大阪の各放送局も独自コンテンツの放送を開始しました。平成21年9月、本部でプロ野球全チームの試合速報などの情報を配信する「ワンセグプロ野球12球団コンテンツ」を開発し、全国で35放送局が運用を開始しました。
 次に、エリアワンセグを活用した若者向けサービスの水平展開について報告します。エリアワンセグは、ごく限られた特定のエリアに独自コンテンツをワンセグで提供するサービスですが、使用する電波の強さにより実験局免許が必要な場合と、微弱電波を利用することで免許が不要な場合があります。佐賀放送局では、平成21年3月の春の会館公開で、半径1m程度で受信可能な微弱電波による免許が不要なエリアワンセグを使って、キャスター体験をした来館者にその映像を動画配信したところ、たいへん好評でした。それを受けて、各放送局への水平展開が始まりました。5月には福岡放送局が、若者参加番組「トンコツTV」の収録映像を参加者に配信し、また、8月に仙台放送局では、佐賀放送局が開発した、映像を同時にワンセグ用データに変換できるシステムを活用して「おいしい東北闘技場」の収録映像を配信しました。今後、大分放送局、宮崎放送局でも、秋の会館公開にあわせて、いずれもキャスター体験の映像を配信する予定です。
 続いて、受信料PRのための独自スポットの水平展開について報告します。受信料の体系変更から1年たち、各放送局では、訪問集金の廃止や、口座・クレジット支払いの勧奨、家族割引などについて、独自のスポットでわかりやすく伝えています。平成20年10月、徳島放送局では、地元金融機関6行と連動し、平成21年8月までに6パターン制作しました。続いて沖縄放送局、秋田放送局、長崎放送局、富山放送局がそれぞれ工夫を凝らし、地元で人気の著名人を起用したり、オリジナルアニメーションでわかりやすく伝えるなど、多種多様なスポットを制作しています。
 各放送局では“放送局のちから”を掲げてさまざまな取り組みを行う一方で、この取り組みが地元の人たちにどのように受け止められているのかを客観的に評価することが課題となっています。そこで、岐阜放送局と津放送局では、メールで周知が可能なインターネット会員サービス“+ID”を利用している県内の視聴者を対象に、ホームページと携帯で、番組アンケートを実施しました。+IDのアンケートシステムを利用することで少ない負担で、視聴者意向の収集・分析を行うことができました。また、自由記述欄にも9割の方から意見をいただくなど、有意義な回答が多く寄せられたことからも、今後の水平展開に期待が持てる事例です。
 水平展開の最後の例として、公募型“番組上映会”で地域の声を聞く取り組みについて報告します。新潟放送局や熊本放送局では、ふれあいミーティングのアンケートに「地元の番組を見たい。番組制作者の裏話を聞きたい」という声が多く寄せられていたことに着目し、自局制作の番組を中心に公募型番組上映会を企画しました。番組視聴後、ふれあいミーティングを開催して、地域放送番組への意見や要望をうかがいました。この取り組みは、21年度上半期に7局で25回開催されており、地域の声を吸い上げ、放送などに反映させる好機として、今後もさらに広げたいと思います。
 続いて、各局個別の“放送局のちから”の取り組みについて報告します。ライツ・アーカイブスセンターでは、多くの学校や先生たちの「平和教育や環境教育に役立つ番組を貸してほしい」という声に応えて、68万本ほどの番組の中から選りすぐった24番組(平和関連11本、環境関連13本)を無料で貸し出すサービス「ティーチャーズ・ライブラリー」を今年度から開設しました。これまでに全国で52の学校が利用し、問い合わせ件数も増えてきています。来年度は、「生命教育」「キャリア教育」「情報教育」をテーマに加えて、ライブラリーの充実を図ります。
 和歌山放送局では、平成20年9月に若手職員で構成する和歌山局改善プロジェクト「オレンジサミット」を発足させ、NHKのパンフレットがすぐに捨てられないようにするアイデアはないか、議論をしました。そこで、視聴者が県内の風景を撮影した作品のカレンダーを制作し、裏面とカレンダーの下に和歌山放送局のPRを印刷する試みを実施しました。1,500部制作し、広報・営業のツールとして、イベントなどさまざまな機会に配付して、視聴者からもたいへん好評を博しています。
 改善活動とふれあいミーティングについて報告します。
 改善件数は、年間目標1,000件に対して上半期で536件でした。ホームページ関連の改善やPR・告知に関する改善が目立ちました。ふれあいミーティングは、全国で1,036回開催で、2万5,262人が参加しました。また、事前にテーマを伝えることで、より多くの声をいただこうとする取り組みの公募型ふれあいミーティングを47回開催しました。
 名古屋放送局制作の「中学生日記」の改善事例を報告します。中学生日記「シリーズ・転校生(1)少年は天の音を聴く」(8月29日放送)では、実際に特別支援学校(ろう学校)に通う中学生が、主人公の聴覚障害のある少女役を演じました。番組の中で、少女のセリフと手話のシーンにのみ字幕スーパーを付けて放送したところ、聴覚障害のある視聴者の方などから、「番組全体を字幕付きで再放送してほしい」という声が多く寄せられました。その声に応えて、9月23日の再放送では、全てのセリフに字幕スーパーを付け、誰のセリフなのかわかるように書体を変えたり、心情描写は縦書きの字幕にするなどの改善を行いました。視聴者からは、番組ホームページの掲示板などに感謝の声が多数寄せられました。
 「クローズアップ現代」にも、聴覚障害を持つ方や高齢の視聴者の方から、「字幕放送にしてほしい」という要望が多数寄せられており、編成局では関係部局と調整して、生放送に同時字幕をつけることができる“生字幕室”を2室から3室に拡充することで対応を可能にし、9月7日からサービスを開始しました。
 ふれあいミーティングについて2件報告します。
 横浜放送局では、新会館への移転を1年後に控え、多くの市民とふれあい、未来の横浜放送局のあり方の参考にしていこうと、積極的にふれあいミーティングを開催し、今年度上半期の参加者は全国最多の1,870人となりました。9月には、横浜開港150周年を記念した「ラジオ深夜便のつどい」公開収録にあわせて、より深く意見・要望をうかがうために、およそ50人の参加者と、放送・営業の2部構成のふれあいミーティングを開催しました。
 地上デジタル放送の普及促進とスポーツ中継への意見・要望をうかがうため、報道局、放送技術局、広報局、視聴者サービス局が連携して、ふれあいミーティングを開催しました。地上デジタル放送の特性として臨場感あふれる高品質の音声が体感できる“5.1サラウンド”を、スポーツ中継を通じて体感していただくとともに、ふれあいミーティングで、意見・要望をうかがいました。舞の海秀平さんの解説を聞きながら5.1サラウンドの相撲の中継を見ていただくなどの工夫をこらし、参加者からはたいへん好評でした。しかし、アンケートでは、5.1サラウンドがあまり知られていないことが明らかになり、今後のふれあいミーティングで「5.1サラウンド聴き比べ」などの企画を検討しています。


(2)「NHK情報公開」の実施状況(平成21年度上半期)
(視聴者サービス局)
 21年度上半期の「NHK情報公開」の実施状況について報告します。
 21年度上半期、本部と全国の放送局で直接受け付けた分と郵送を合わせて50件の情報公開の求めがありました。これは前年同期と比べて13件減少しています。このうち、「開示の求め」として受け付けたものが、8人の視聴者による15件で、前年同期から15件減少しています。また、窓口対応や郵送により情報提供したものが35件で、前年同期より2件増加しています。「開示の求め」として受け付けた15件の内訳は、経営一般5件、放送5件、営業3件などです。「開示の求め」が前年同期から半減した主な理由は、昨年はインサイダー取引などの不祥事に関連した求めが8件ありましたが、今年度上半期はなかったことがあげられます。情報公開ホームページへのアクセス数は、平成21年4月から9月の半年間で、約18.2万ページビューで、前年同期から4.7万ページビュー減少しています。
 情報公開の1つの手段として、全国の放送局・支局・営業センター等に「備え置き公開文書」を置いていますが、平成21年9月末現在で59文書となっています。
 「開示の求め」に対しては、15件すべての検討を終えました。検討結果は、情報の開示をしたものが7件、不開示が4件、開示の求めの対象外が4件でした。不開示の理由は、そもそも文書自体が存在しないものが3件、NHKの業務に支障を及ぼすおそれがあるものが1件となっています。
 21年度上半期の開示率は64%でした。なお、13年7月の開始から21年9月末までの累計の開示率は71%となっています。21年度上半期の開示率が累計よりも低くなっているのは、「開示の求め」の件数が少なかったため、率の変動が大きくなってしまったことによります。昨年度末の累計の開示率は71%でしたので、上半期の件数を加えても累計に変化はありませんでした。
 次に、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会の審議状況について報告します。
 NHK情報公開・個人情報保護審議委員会は、NHKが行った一部開示または不開示の判断に対して、視聴者から「再検討の求め」が出された場合に、中立的・客観的な立場からNHKの判断をチェックする第三者機関です。委員は5人で、会長が経営委員会の同意を得て、部外の有識者の中から委嘱します。任期は2年で、再任可能です。21年度上半期は6回開催されました。
 審議状況については、平成21年度上半期の「再検討の求め」の受け付けは2件で、前年度からの継続案件も含め、4件について審議し、2件について答申をいただきました。1件は、NHKの当初の判断どおり一部開示が妥当であるという判断で、1件は、NHKの当初の判断どおり不開示が妥当であるという判断でした。残る2件は現在審議中です。


(3)契約・収納活動の状況(平成21年9月末)
(営業局)
 平成21年9月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 放送受信契約の契約総数増加状況について、第3期(8月・9月)は、2か月で2.1万件の増加となりました。年度累計としては、上半期で18.9万件の増加となり、年度目標に対する進ちょく率は62.9%となっています。前年度同期の、年度目標に対する進ちょく率は52.9%でしたので、10.0ポイント上回っています。また、上半期の契約総数取次数は、前年度同期の114%になりました。上半期の契約総数増加は順調ですが、一方で、障害者免除の適用範囲拡大や公的扶助受給世帯の増加により、有料契約から全額免除への変更が第3期だけで2.9万件ありました。今後の影響が懸念されますので、年度後半期の動向を注視したいと思います。
 衛星契約増加状況については、期間で10.0万件の増加となり、上半期で34.3万件の増加、年度目標に対する進ちょく率は57.2%で、いずれも前年度同期を上回っています。上半期の衛星契約取次数も前年度同期の123%となり、順調に推移しています。
 当年度収納額については、年度当初から前年度比で減収が続いていましたが、第3期の当年度収納額は1,070億円で、前年度同期をわずかながら上回りました。単月で見ると9月は前年度比0.9億円の増収に転じて、減収に歯止めをかけました。しかし、年度累計では、上半期で9.7億円の減収となっており、実施中の追加施策に加え、継続振込支払いの振り込みが遅れている契約者に対する訪問対策活動の前倒し実施などにより、今後さらに収納活動を強化したいと思います。
 前年度受信料の回収額実績は、上半期で50.2億円となり、前年度同期に比べ14.4億円増加しました。また、前々年度以前受信料の回収額実績は上半期で12.2億円となりました。当年度収納額と、前年度および前々年度以前の受信料回収額を合計すると、上半期で3,199.9億円となり、前年度同期の3,192.6億円を7億円あまり上回る収納実績を上げています。
 第3期末の支払い拒否・保留数は41.4万件で、最も多かった時期の128万件から86.6万件の削減となりました。第3期末の未収数は240万件で、前年度末から3万件減少しています。また、第3期の口座・クレジット支払いの増加は8.3万件で、上半期では37.0万件の増加となりました。ただ、経済状況の影響からか、口座の残高不足により収納できなかった件数が増えています。今後さらに増えることも考えられますので、いっそうの未収削減活動に努めたいと思います。


(4)地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について
(日向理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について報告します。
 関東甲信越地方で山崎嘉正氏((株)亀屋代表取締役社長)に、四国地方で植田貴世子氏((株)クラッシー代表取締役)に平成21年11月1日付で新規委嘱します。また、関東甲信越地方で玉木正之氏(スポーツ&音楽ライター)に、近畿地方で立本成文氏(総合地球環境学研究所所長)に同日付で再委嘱します。
 また、東北地方の宮城光信委員(仙台高等専門学校校長)については、本人の申し出により任期途中の10月31日付で退任されます。
 なお、関東甲信越地方の山田香織委員(盆栽家(彩花盆栽教室主宰))、四国地方の河内順子委員(大塚国際美術館理事)は、任期満了により10月31日付で退任されます。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成21年11月 4日
                     会 長  福 地 茂 雄

戻る

Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。