日本放送協会 理事会議事録  (平成21年 9月29日開催分)
平成21年10月16日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成21年 9月29日(火) 午前9時00分〜9時45分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、金田専務理事、日向理事、溝口理事、
 八幡理事、永井理事、大西理事、関根理事、今井理事、黒木理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)平成21年度組織改正について

2 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成21年8月末)
(2)財政の現況(平成21年8月末)
(3)2009年9月放送評価調査の結果について
(4)放送技術審議会委員の委嘱について
(5)放送番組審議会議事録(資料)

議事経過

1 審議事項
(1)平成21年度組織改正について
(人事総務局)
 平成21年度の組織改正の追加実施について審議をお願いします。
 「平成21〜23年度 NHK経営計画」の経営方針に掲げる組織風土改革への取り組みとして、複雑化・多層化した組織を見直し、活力ある体制に再構築するため、次のとおり必要な改正を実施したいと思います。
 改正の1点目は、総合企画室の3局化です。総合企画室の〔経営計画〕、〔関連事業〕、〔情報システム〕の3つのグループを、その責任体制と業務の実態に合わせ、それぞれ、経営企画局、関連事業局、情報システム局として、独立した局とするものです。
 2点目は、業務実施グループの見直しです。全国の組織内に部長権限を有する業務実施グループを設置しています。これらのグループを、現行名称の部とし、責任体制を明確にするものです。ただし、以下の組織は例外的に扱います。
 (1)  報道局取材センター(アジアセンター)は、国際部に移行して廃止します。
 (2)  営業局(計画)は、計画管理部とします。
 (3)  経理局調達部(企画)と同(契約)は、調達管理部と資材調達部とします。
 (4)  経理局財務部(資金)は、財務部に統合します。
 (5)  放送技術研究所の業務実施グループのうち、研究開発を行うグループは、研究部とします。
 (6)  大阪放送局放送センター(番組制作)は制作部、名古屋放送局放送センター(編成計画)は編成部とします。
 その他の改正事項として、営業局法人営業センター、同IT営業推進センター、および経理局中央審査センターは、それぞれ法人営業部、IT営業推進部、中央審査部とします。また、神戸放送局尼崎営業センターは、11月下旬に予定している事務所の移転に合わせて、阪神営業センターに改称します。
 実施時期については、平成21年11月1日を予定しています。ただし、阪神営業センターへの改称は、11月24日に実施する予定です。
 また、今回の組織改正に伴い、職制規程について必要な改正を行います。このほか、各部局が管理する規程についても、組織改正による名称変更等に伴い改正が必要なものは、各部局長の責任において改正します。

(金田専務理事)

  NHKオンデマンド室は、現在、臨時職制という扱いになっていますが、将来的にどういう体制にすべきなのか、検討してください。

(人事総務局)

  臨時職制は、NHK全体として重要な施策を推進する際、その責任体制を明確にするなどの理由で期間を限定して設置するものですが、NHKオンデマンド室については、今年春に実施した組織改正で、臨時職制としての設置期間を今年度末まで1年間延長することとしました。その後の体制については、22年度の組織改正に合わせて検討し、提案したいと思います。

(八幡理事)

  これまで検討してきた中で、組織や職位のありようについてさまざまな課題がありました。今回の組織改正で対応がとられなかったものについては、来年度の組織改正に向けて引き続き検討していくということですね。

(人事総務局)

 複雑化・多層化した組織を見直し活力ある体制に再構築するための改正に今回から着手しましたが、まださまざまな課題が残っていますので、来年度の改正に向けて、今後検討を深めていきたいと思います。

(会 長)

 原案どおり決定します。


2 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成21年8月末)
(営業局) 
 21年8月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 8月の放送受信契約総数の増加状況については、契約取次活動が十分に実施できていなかった地域に対する契約活動に努めた結果、契約総数取次数が前年度同月比で114%になりました。一方、障害者免除や公的扶助受給世帯の増加により有料契約から全額免除への変更が1.4万件あったこともあり、契約総数増加数は月間で0.5万件と、前年度同月(1.8万件)を下回りましたが、年度累計では17.3万件と、前年度同月末での12.0万件を上回っています。
 衛星契約取次数は、移動世帯の衛星放送受信確認を徹底したこと、地上契約から衛星契約への変更を進める取り組みやケーブルテレビ事業者・電器店等と連携した活動を強化したことなどにより、前年度同月比で116%になりました。また、衛星契約増加も月間で4.9万件(前年度同月4.5万件)となり、年度累計では29.2万件(同21.0万件)と、いずれも前年度同月を上回っています。
 8月の当年度収納額は、訪問集金廃止に伴う継続振込支払いの受信料の入金時期の“ずれ”や、経済状況の影響による口座振替率の低下、障害者免除や公的扶助受給世帯の増加により、単月では502億円で前年度同月(503億円)から0.8億円の減、年度累計では2,569億円(前年度同月2,580億円)で同じく10.6億円の減となりました。すでに実施している追加施策に加え、継続振込支払いの入金が遅れている契約者に対する訪問対策活動の開始時期を前倒しするなど、さらに収納活動を強化したいと思います。
 前年度受信料の回収額実績は、年間累計で46.9億円となり、前年度同月(33.7億円)から13.2億円の増加となりました。また、前々年度以前受信料の回収額実績は、年間累計で10.1億円(前年度同月8.3億円)となりました。


(2)財政の現況(平成21年8月末)
(経理局)
 平成21年8月末の財政の現況について報告します。
 まず、予算の執行状況です。
 事業収入の実績額は2,758億円で、進ちょく率は41.2%と、8月末時点の標準進ちょく率41.7%(5か月/12か月)をやや下回っています。事業収入のうち受信料は、契約取次の業績が前年度を上回るものの、経済情勢の悪化や事業所割引導入の影響などにより、進ちょく率が標準をやや下回っています。
 また、事業支出は2,631億円で、進ちょく率は39.1%と、標準進ちょく率を下回っています。事業支出のうち、国内放送費は、バンクーバー冬季オリンピックの放送実施経費の支出が来年2月になることから、進ちょく率が標準を下回っています。国際放送費は、外国人向けテレビ国際放送の新番組を10月から開始する予定であることから、進ちょく率が標準を下回っています。
 こうした結果、事業収支差金は、今年度予算ではマイナス29億円としていますが、8月末現在ではプラス126億円となっています。
 次に、損益計算書による前年度同期との比較です。
 経常事業収入は、放送受信契約の契約総数・衛星契約の増加により受信料収入が増加したことなどから、19億円増加しています。一方、経常事業支出は、32億円増加しています。これは、国内放送費は、北京オリンピック関連の支出があった前年度と比較して減少しているものの、国際放送費が、外国人向けテレビ国際放送の充実に伴う番組制作費の増加や受信環境整備の推進のため、人件費が、年金資産運用環境の変化に伴う退職給付費用の増などのため、また、未収受信料欠損償却費が、受信料収納率の低下に伴う未収額の増加のため、それぞれ増加したことなどによるものです。この結果、経常事業収支差金は150億円で、前年度同期から12億円の減となっています。
 また、関連団体からの受取配当金が前年度より少なかったことなどにより財務収入等が減少したことから、経常事業外収支差金は、前年度より33億円減少しています。その結果、経常事業収支差金と経常事業外収支差金を合わせた経常収支差金は132億円で、前年度より45億円の減となっています。
 経常収支差金と特別収支を合わせた事業収支差金は126億円で、前年度同期より40億円の減となっています。
 続いて、貸借対照表による前年度決算との比較です。
 資産の部では、事業収支差金の発生や受信料前受金の増加などにより現金預金・有価証券が増加しています。また、固定資産の取得額が減価償却等による減少額を下回ったため、有形・無形固定資産が減少しています。これらの結果、資産合計は8,674億円で、前年度決算から439億円増加しています。
 負債の部では、受信料前受金や退職給付引当金が増加したことなどから、負債合計が3,041億円となり、前年度決算から312億円増加しています。
 純資産の部では、8月末の事業収支差金の発生に伴い、前年度決算から126億円の増加となっています。
 最後に、放送受信契約の状況は、契約総数が17.3万件の増、衛星契約が29.2万件の増と、ともに前年度を上回って推移しています。それにより、事業収支上の受信料収入は2,664億円となり、前年度同月比で12億円の増となります。


(3)2009年9月放送評価調査の結果について
(放送文化研究所)
 2009年9月放送評価調査の結果について報告します。
 放送評価調査は、NHKの放送に対する視聴者の評価を把握するためのもので、2007年6月から年4回実施しており、今回は今年度2回目、通算では10回目の調査となります。9月4日から6日にかけての金・土・日曜日に、電話法(RDD追跡法)により、全国の20歳以上の男女2,132人を対象に実施し、1,329人から回答を得ました(回答率62.3%)。今回の調査時期について特記すべき出来事として、調査の1週間前の8月30日に衆議院選挙の投開票が行われ、また、調査直前の8月31日から9月1日にかけて台風11号が東日本に接近し、関連のニュースを随時放送したことが挙げられます。
 調査は、全体評価として、「信頼(NHKの放送を信頼しているか)」、「満足(NHKの放送に満足しているか)」、「親しみ(NHKの放送に親しみを感じているか)」、「独自性(NHKの放送は民放にはない特色があると思うか)」、「社会貢献(NHKの放送は社会の役に立っていると思うか)」の5項目についての評価を問います。さらに、側面別評価として、「正確・公平(事実を正しく、公平に伝えている)」、「生命・財産を守る(災害、大事件、大事故のニュースをいち早く伝えている)」、「娯楽性(楽しんだり、リラックスしたりする番組を放送している)」、「知識・教養(知識や考えを深める番組を放送している)」、「実用性(仕事や生活に役立つ番組を放送している)」、「地域への貢献(地域に役立つ番組を放送している)」、「文化の継承・発展(伝統文化の継承や、新しい文化の発展に役立つ番組を放送している)」、「福祉(お年寄りや障害のある人々のための番組を放送している)」、「教育(子どもや青少年のためになる番組を放送している)」、「国際理解(国際理解に役立つ番組を放送している)」の10項目についても問います。計15項目それぞれについて1点から5点で回答してもらい、4点以上の肯定的評価があった回答の率を算出しています。
 調査結果について説明します。
 視聴頻度の高低と各項目の評価の高低には相関関係があることがわかっていますが、今回、回答者のNHKを視聴する頻度はこれまでの調査で最も高く、「ほとんど毎日」という回答が63.1%、「週に1回以上」という回答が16.7%で、合計79.8%ありました。これまでの傾向のとおり、調査結果は高い評価となっています。
 全体評価では、「信頼」の評価が67%(前年度平均62%)と、前年度4回の平均より数値が有意に高くなっています。また、側面別評価では、「生命・財産を守る」が74%(同71%)、「知識・教養」が69%(同66%)と、前年度平均より有意に高くなりました。さらに、全体評価の「信頼」、側面別評価の「生命・財産を守る」、「知識・教養」、「正確・公平」(今回63%)、「国際理解」(同49%)の5つの項目で、過去10回の調査で最も高い数値が得られました。
 評価を年層別に見ていきます。20代を取り出して見ると、回答者数は少ないのですが、NHKへの視聴頻度が「週に1回以上」という回答が、前年度平均59%から今回は68%となり、逆に「まったく見ていない」という回答は16%から5%に減っています。全体評価については、その20代で「信頼」が前年度平均44%から今回は66%に、「独自性」が同じく46%から61%に大きく伸びるなど、「親しみ」を除くすべての項目の数値が高くなっています。また、60代でも「信頼」が前年度平均69%から今回77%になりました。側面別評価についても、20代で「生命・財産を守る」と「知識・教養」が、60代で同じ2項目に加え「教育」が、前年度平均より有意に伸びています。
 今回の好結果の背景には、衆議院選挙や台風関連報道によってNHKの視聴頻度が高かったことがあると思われます。その裏づけとして、例えば今回、「信頼」は、視聴頻度が「ほとんど毎日」という層で81%あったのに対し、「週に1回以上」の層で62%、「半月に1回以下」の層で38%、「まったく見ていない」層では11%と、頻度が下がるにつれて評価の数値も下がっています。その他の全体評価の項目、「地域への貢献」を除く側面別評価の各項目でも、同様の傾向となっています。
 次回の調査は、11月に「全国個人視聴率調査」、「全国接触者率調査」と同時期に実施する予定です。


(4)放送技術審議会委員の委嘱について
(永井理事)
 放送技術審議会委員の委嘱について報告します。
 若尾正義氏(社団法人 電波産業会専務理事)に、平成21年10月1日付で再委嘱します。


(5)放送番組審議会議事録(資料)
 編成局と国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会および全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州、東北、北海道、四国)の平成21年7月開催分の議事録についての報告(注1)。

 ※注1:

放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」の中に掲載しています。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成21年10月 13日
                     会 長  福 地 茂 雄

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