日本放送協会 理事会議事録  (平成21年 5月19日開催分)
平成21年 6月 5日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成21年 5月19日(火) 午前9時00分〜9時45分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、金田専務理事、日向理事、溝口理事、
 八幡理事、永井理事、大西理事、関根理事、今井理事、黒木理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項
1 審議事項
(1)第1095回経営委員会付議事項について
(2)平成20年度予算総則の適用について
(3)視聴者対応報告(平成21年4月)について

2 報告事項
(1)21年4月の視聴者満足(CS)向上活動報告
(2)関連団体の事業運営状況等について

議事経過

1 審議事項
(1)第1095回経営委員会付議事項について
(総合企画室)
 5月26日に開催される第1095回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「平成20年度予算総則の適用について」です。また、報告事項は、「関連会社の再編統合について」、「関連団体の事業運営状況等について」、「地方放送番組審議会委員の委嘱について」、および「視聴者対応報告(平成21年4月)について」です。

(会 長)   原案どおり決定します。


(2)平成20年度予算総則の適用について
(経理局)
 平成20年度の決算にあたり、予算総則の適用について審議をお願いします。
 予算総則は、国会で承認された各年度の予算書の中で、予算の各項間の流用等、予算の執行に関するルールなどを定めているものです。
 20年度は、決算に際し、経営委員会の議決を経て予算総則を適用する項目が3項目、理事会の決定を経て適用する項目が3項目あります。
 まず、経営委員会の議決を経て適用する項目について説明します。
 1項目目は予算の流用です。予算の不足する「退職手当・厚生費」に「給与」から28億円、「財務費」「特別支出」に「減価償却費」から15億円を流用します。2項目目は、同様の措置を、放送法で区分計理することとされている番組アーカイブス業務勘定において行うことです。金額は2百万円です。3項目目は、予備費の使用です。地震など災害関連の取材および被災施設の復旧経費などに13億5千万円の予備費を使用します。
 理事会決定事項は、国の研究開発プロジェクトの受託研究実施による技術協力収入1億6千万円の研究実施経費などへの振り当て、19年度支出未了の建設費予算34億円の19年度予算からの受け入れ、同じく20年度支出未了の建設費予算20億円の21年度予算への繰越です。
 本議案が決定されれば、5月26日の経営委員会に、経営委員会の議決を要する事項について諮ることにしたいと思います。
 なお、本日、この予算総則を適用した20年度財務諸表を、放送法の規定に基づいて、20年度業務報告書とともに監査委員会および会計監査人に提出します。20年度の財務諸表は、監査委員会および会計監査人の監査を経た後、6月23日の経営委員会に諮る予定です。

(会 長)   原案どおり了承し、経営委員会に諮ることにします。


(3)視聴者対応報告(平成21年4月)について
(視聴者サービス局)
 放送法第12条に定める視聴者対応の状況について、平成21年4月分を以下のとおり取りまとめました。ついては、放送法第22条の2第3項の規定に基づき、経営委員会に報告したいので、審議をお願いします。
 4月にNHKに寄せられたご意見・お問い合わせは41万4,738件で、新番組への問い合わせなど、20年4月以来、最多の反響がありました。
 4月の特徴的な反響について報告します。
 連続テレビ小説「つばさ」には、1,340件の反響がありました。放送開始から4週間の反響は、20年度前期に放送された「瞳」よりも多く、後期の「だんだん」よりは少ない件数で、厳しい意見が目立ちました。年代別に見ると、50代以上の方から厳しい意見が多く寄せられています。また、20代以下からは、寄せられた反響は少ないものの、好評意見の割合が高くなっています。寄せられた意見の内容は、「明るいのはいいが、度が過ぎるほど騒ぎすぎ」など、騒がしいという意見が目立っていますが、一方で、「一見騒がしそうに見えて、でもホロリとさせられる、本当にいいドラマ」という意見も寄せられています。
 平日午後10時台の新番組については、月曜日放送の「世界遺産への招待状」には、435件の反響があり、「カメラワークも良いし、何より自分が旅行をしている気分になる。これからもずっと続けてほしい」など、好評意見が寄せられています。水曜日放送の「歴史秘話ヒストリア」には、760件の反響が寄せられました。主な意見としては、「今まで『その時歴史が動いた』が歴史の表舞台を描いたとすると、今度の『歴史秘話ヒストリア』は裏舞台を描いているといえる。むしろそのほうが面白いと思う」などの好評意見がある一方で「案内役のアナウンサーの背景の画面は、華やかさを強調しようとしたのかとてもにぎにぎしく、着物の模様も派手すぎて、画面全体がうるさく感じられた」などの声も寄せられました。木曜日の「ソクラテスの人事」は反響が175件とやや少なめでした。
 4月の放送番組に寄せられた反響総数は、14万4,707件で、このうち意見は5万4,808件で問い合わせは8万9,899件でした。
 4月4日に放送した、プロジェクトJAPAN「プロローグ 戦争と平和の150年」には、782件の反響が寄せられました。「今後のこのシリーズに期待したい」という好評意見や、「歴史の取り上げ方があまりにも自虐的ではないか」という厳しい意見も寄せられました。
 また、4月5日に放送した、NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」に寄せられた反響は2,924件で、20年度のNHKスペシャルで最も反響が多かった「うつ病治療 常識が変わる」(2月22日放送)の件数を大きく上回りました。番組への関心が高く、放送から1か月近く経過しても反響が続いていました。この番組には、インターネット上の話題をもとにした意見が多く寄せられているのが特徴的です。なお、NHKでは、自らの見解をホームページに掲載しています。
 ニュースでは、4月23日に人気タレントが公然わいせつの疑いで逮捕されたニュースに対し、1,671件の反響が寄せられました。その内容は、「地デジCMなど社会的な影響がないわけではないが、酔っ払いの行動をトップニュースとは。NHKだけでも終盤のニュース扱いにしてほしかった」など、「ニュース7」や「ニュースウオッチ9」などでオープニング映像やトップニュースとして扱ったことへの意見が反響の3分の1を占めました。
 テロップなどの誤記や原稿などの誤読については、視聴者からの指摘をもとに確認した結果、47件の表記のミスや読み間違いなどがありました。いただいた指摘については、番組担当者に連絡し放送の中で訂正するように努めるとともに、再発防止に向けて放送関係の部局に周知し、現場に注意を喚起しました。これ以外に、視聴者の誤解に基づく指摘もありましたが、説明し理解を求めました。
 続いて、視聴者の意見や要望を受けて対応した事例を紹介します。
 4月11日に総合テレビで実施した、プロ野球「巨人」対「阪神」のマルチ編成(地上デジタル放送独自のサービスで、2番組を同時に放送することができる)について、183件の問い合わせや意見が寄せられました。総合テレビのマルチ編成は今年度あと2回予定しており、今回問い合わせが多かったことから、次回の予定の6月6日に向けては、地上デジタル放送受信者への丁寧な周知のしかたについて検討しています。
 大学の留学生センターの方から、「学生に新型インフルエンザの情報を携帯・パソコンから伝えたい。NHK国際放送のニュース・ラジオなどのサイトをぜひリンクさせてほしい」という要望が寄せられました。これに対して、NHKは視聴者の皆さまの関心の高い情報をホームページ上でも積極的に提供しており、ぜひ利用していただくよう、リンクの方法を案内しました。
 幼児・子ども向け音楽番組「クインテット」には、「曲が聴こえてから画面を見ると、いつもタイトルが出た後で、タイトルや作曲家の名前がわからずじまいだ。総合テレビの歌番組のように、画面の隅にタイトルや作曲家の名前を出してもらえないか。または曲が終わる頃に再度出してもらえないか、検討してほしい」という要望が多数寄せられました。これに対し、平成21年度の放送から、コンサートの曲の最後に、画面向かって左下の位置にその日の演奏曲目をテロップで表示するようにして、要望に応えました。
 「おかあさんといっしょファミリーコンサート」のチケットがネットオークションで大量に転売されていたことに対し、「チケットの転売は禁止ではないのか?転売目的で購入するものがあまりにも多くて大変遺憾だ」という意見が寄せられました。これに対して、「NHKでは、オークション主宰会社に再三にわたり出品の取り下げを要求してきたが、オークションの行為自体は違法ではないという主張から、なかなか応じてもらえていない。しかし、詐欺的な被害が発生していることも事実であり、違法性が認められるものは、すみやかに警察に情報提供をしている。オークション主宰会社には今後も強く抗議を続けていく。お客さまも、こうした仕組みを許さない社会づくりに協力していただきたい」と回答し、理解を求めました。
 次に、受信料関係の対応について、業務改善に向けた取り組みを紹介します。毎年4月は世帯の大量移動時期にあたり、地域スタッフの活動量も年間で最大となることから、お客様にできるだけ不満や不快な思いを与えないように、営業局では4月1日から8日までの間の地域スタッフに対する苦情を分析しました。その結果、「決済機能付端末を使用する際のクレジットカードと暗証番号の取り扱い」についての苦情が多いことがわかりました。そのため、全国の営業拠点に対して、クレジットカードや暗証番号の取り扱いなどを丁寧に行うよう周知し、地域スタッフへの指導を徹底しました。こうした取り組みや、昨年度からの苦情削減に向けた継続的な対策により、21年4月に寄せられた地域スタッフ関係の苦情は、昨年同月比で約600件、25パーセント減少しました。
 経営全般に対する意見や要望は、1,002件でした。
 4月6日にスタートした「NHKワンセグ2」についての問い合わせや意見が213件寄せられました。スタート当初は「これまで見ていた番組が見られなくなった」などの反響が集中しましたが、その後は減少しています。

(金田専務理事)  時系列で見たとき、4月の視聴者の声の内訳などで、何か変化は見られましたか。
(視聴者サービス局)  4月は、NHKスペシャル「アジアの“一等国”」に多くの反響が寄せられたため、視聴者コールセンターでの一次対応で完結しないものを番組担当者が二次対応した件数が少し多くなっています。
(金田専務理事)  報告には時系列の変化を入れたほうがわかりやすいので、適宜取り入れるといいと思います。また、視聴者の声など、グラフで件数を表すときは、今回合計がありませんが、明細とともに合計の件数を入れるようにしてください。
(視聴者サービス局)  それでは、昨年11月から今年4月までの「視聴者の声」分野別受付件数のグラフに合計の数値を表示するように報告書を修正し、第1095回経営委員会に報告したいと思います。
(会 長)  今の発言のとおり原案を一部修正し、次回経営委員会に報告することとします。

2 報告事項

(1)21年4月の視聴者満足(CS)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 21年4月の視聴者満足(CS)向上活動について報告します。
 「平成21〜23年度 NHK経営計画」に基づき、今年度から全国53の放送局が地域に根ざした独自の取り組みを掲げた“放送局のちから”を具体的にスタートさせました。4月は、本部6件、53の放送局で139件、合計145件の取り組みについて報告がありました。これらの報告はイントラネットに掲載し、全職員で情報を共有しています。本日は、このうち、各地の放送局に水平展開が期待できるものとして6つの事例を紹介します。
 最初は、宮崎放送局の取り組みです。宮崎放送局は、“地域に開かれ、お役に立てる放送局”を目指し、2つの数値目標を明確に掲げました。1つ目は、県域番組への年間のべ1,000人の県民の出演と、県内各地から100回以上の中継をするという目標です。3つの県域番組に視聴者参加コーナーを新設し、この目標に向けて取り組んでいます。2つ目は、年間100回以上、3,000人とふれあいミーティングを行うという目標です。県域番組の放送終了後、スタジオで見学者や参加者の皆さまと平日毎日ふれあいミーティングを開催したり、技術部では、地上デジタル放送普及をテーマに各地へ出向くなど、全局をあげて取り組んでいます。
 奈良放送局では、平城遷都1300年を迎える2010年に向けた取り組みの一環として、奈良の基幹産業である観光を盛り立てる取り組みを行っています。4月26日、平城京にゆかりのある史跡と万葉集に詠まれた風景を、公募による一般参加者と訪ね歩く、番組収録を兼ねたウォークイベントを開催しました。この取り組みは、奈良市が開催する“平城(なら)遷都祭”と連動したもので、地域との連携で“放送局のちから”を推進する活動となりました。終了後のアンケートでは、88%の参加者が満足と答えており、この模様は、6月に「かんさい特集」で放送します。
 続いて、北海道内の7局が連携して北海道各地の魅力を発信し、地域の活性化に貢献する取り組みを紹介します。「まるごと体感!北海道」をキャッチフレーズに、北海道の魅力あふれる多彩な情報をこれまで以上に発信して、視聴者の期待にこたえようと、オール北海道で取り組んでいます。3つの柱があり、1つ目は情報発信です。北海道の魅力を全国はもちろん、国際放送の番組「Cool!Hokkaido」を通して、世界に向けて発信します。2つ目は、道内キャラバンです。中継車に番組をPRするラッピングをほどこし、北海道内をキャラバンして、地域密着の情報を集中発信したり、メインスタジオを外に持ち出して中継を行うなど、立体的な展開を行っています。3つ目は、視聴者参加メニューの充実です。キャンペーンに連動したさまざまなイベントやホームページを展開しています。
 北九州放送局では、視聴者と作り上げる音楽イベントで地域を盛り上げ、地域の力を引き出す取り組みを行っています。市民に親しまれる放送局をめざして、NHKと市民が一緒に知恵を出し合い、北九州放送局内のオープンスタジオ“リバスタ”で、「NHKサンデーコンサート」と題した音楽コンサートをスタートさせて6年目を迎えました。毎週日曜日に実施し、のべ276回の開催で、累計観客数は2万人を超えています。NHKと地元の音楽家が運営委員会を作り、出演者のプロ・アマを問わず演奏会をコーディネートし、司会進行、ミキシングはNHKが担当しています。参加者は子ども合唱団から地元のオーケストラまで多種多様で、当日の様子は、地元アマチュアカメラマングループが収録し、NHKが編集し、「リバスタ音楽館」として放送しています。
 高知放送局では、“地域との「ふれあい」、大切にします”を掲げて、視聴者とのつながりを強めることを目指し、番組上映会と連動した公募型ふれあいミーティングを毎月実施することにしました。高知にちなんだ番組やリクエストの多い番組などの上映会に続き、ふれあいミーティングを行い、視聴者からの意見や要望を伺います。第1回は、昭和43年放送のNHK大河ドラマ「竜馬がゆく」を上映し、高知市内を中心に42人の視聴者が参加しました。参加者からは、来年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」に期待を寄せる声が多数寄せられました。上映会の活用事例では、熊本放送局が成功をおさめており、高知放送局は熊本放送局の運営のノウハウなどを学び、水平展開を行っています。
 大阪放送局の取り組みを紹介します。大阪放送局制作の連続テレビ小説「ちりとてちん」は、放送終了後もファンクラブができたり、ブログサイトでファンが情報を交換するなど、人気が続いています。そうした中、ファンクラブで知り合ったカップルが、出会いのきっかけとなった大阪放送局で結婚式を挙げたいと願っているという話が寄せられました。大阪放送局は快諾し、ファンへの感謝の気持ちをこめて、BKプラザに「ちりとてちん」セットを再現して式を演出しました。その様子は、当日のニュースでも取り上げ、また翌日のスポーツ新聞などでも、アットホームな話題として取り上げられました。
 視聴者からの意見や要望などをもとに実施した業務等の改善については、4月は全国で110件で、前年同月の97件を上回りました。視聴者から寄せられた声に迅速に対応した改善が増え、CS向上活動が日常業務に定着している様子がうかがえます。
 改善の実施事例として、2件紹介します。
 山形放送局では、全国で初めて日々の地域放送のロケ地マップを作成し、ホームページにアップしました。地元だけなく、全国から訪れた観光客などにも好評で、ホームページのアクセス数は1.6倍に増加しました。
 津放送局では、20年度、放送、営業などの若手職員の仕事ぶりを紹介するスポットを放送したところ、放送後、NHKの仕事ぶりをもっとPRすべきだという意見が寄せられたことから、4月から会館内に設置したパソコンに動画をアップし、タッチパネルで選択すると動画が再生されるサービスを開始しました。
 4月、「ふれあいミーティング」は全国で157回開催され、3,994人が参加し、前年同月を大きく上回っています。
 中でも、もっとも積極的に取り組んだ放送局は、24回開催した室蘭放送局です。
 室蘭放送局では、20年度のふれあいミーティングで「ミーティングは1回やって終わるのではなく、時期を改めて何度か実施してはどうか」という意見が出されたことを受けて、「再会!ふれあいミーティング」を実施しました。ミーティングでは、前回いただいた意見や要望にどのように対応しているのかを説明し、意見交換を行いました。
 最後に、21年度改定の総合テレビ夜10時台の新番組に寄せられた反響について報告します。
 「世界遺産への招待状」や「歴史秘話ヒストリア」に寄せられた反響は、年代別に見ると60代からの反響がもっとも多く、男女比では男性のほうが多くなっています。金曜ドラマ「コンカツ・リカツ」では、反響総数は男女比が4対6で女性からの反響が多く、年代別では40代と60代からの反響が多くなっています。20代、30代からは再放送要望や問い合わせが多く、60代以上からは、番組タイトルや「アラフォー」などのドラマの中で使われている言葉についての意見や問い合わせが多く寄せられています。


(2)関連団体の事業運営状況等について
(総合企画室)
 関連団体の事業運営状況等について、関連団体運営基準第15条および第19条ならびに第20条に基づいて概要を報告します。
 まず、平成20年度の関連団体の業務運営状況調査の結果についてです。昨年までは業務監査として報告していましたが、この呼称が一般企業における会計監査と誤解されるとの指摘が監査法人からあり、今回から業務運営状況調査という呼称に改めました。
 関連団体運営基準第19条に基づき、関連団体の業務運営状況をあずさ監査法人に委嘱して調査しています。調査は関連団体28団体に対し、平成20年9月から21年2月にかけて行われ、前年度に調査を実施して以降、今年度に調査を行うまでの期間を対象としました。監査法人には、関連団体の事業活動が運営基準に照らして適正に行われているかについて調査を委嘱しています。調査内容は主に2つで、1つ目は、関連団体の事業活動が運営基準に照らして適正に行われているかの調査です。その結果、2団体2件の検出事項の報告がありましたが、NHKはその内容を確認し、いずれも不適切なレベルではないと判断しました。2つ目は、NHKが指定した事項に関する調査です。平成20年度は、A「『国内出張旅費請求支給手続きの指針』への準拠性」、B「業務の適正を確保するために必要な体制の整備の進捗状況」、C「業務区分ごとの『実績原価報告』」の3点を調査しました。その結果、Aについては20団体、43件の検出事項が報告され、当該団体にはそれぞれ改善を求めました。Bについては10団体、14件の検出事項が報告され、当該団体に整備を進めるよう要請しました。Cについては7団体、7件の検出事項が報告されましたが、実績原価の調査結果については報告された計算が適切な範囲にあることが確認できたので、今後はNHKとの契約見直し検討等に活用します。
 NHKとしての今後の対応は、検出された事項のうち、改善が必要なものについては関連団体に改善を求め、21年度の業務運営状況調査で再確認していきます。
 続いて、平成20年度の関連団体との事前協議等の概要についてです。関連団体運営基準第11条に掲げる経営上重要な事項は、NHKとの事前協議を義務づけています。昨年12月に10月末までの報告をしていますので、今回は11月から21年3月末までについて報告します。
 関連団体運営基準のなかでは、NHKと事前協議すべきものとして、合併・解散、定款・寄付行為の変更、出資案件、重要な人事等がありますが、11月から3月までは、事前協議事項は31件でした。具体的には、NHK交響楽団の定款変更、NHKアイテックの出資などです。
 最後に、平成20年度関連団体事業活動審査委員会の活動結果についてです。
 関連団体事業活動審査委員会はNHKの関連団体の対外的な事業活動が、適正な範囲を逸脱していないか、適正性を審査するために設置しているもので、副会長を長として外部の公認会計士等から構成されています。
 平成20年度については、関連団体事業活動審査委員会に寄せられた意見・苦情等はありませんでした。
 なお、関連団体事業活動審査委員会の事務局では、20年度からNHKホームページからもメールで意見・苦情等を受け付けることができるようにし、委員会が有効に機能するように努めています。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成21年 6月 2日
                     会 長  福 地 茂 雄

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