日本放送協会 理事会議事録  (平成20年12月22日開催分)
平成21年 1月16日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成20年12月22日(月) 午前9時00分〜10時05分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、金田専務理事、日向理事、溝口理事、
  八幡理事、永井理事、大西理事、関根理事、今井理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)総務省「平成23年以降の新たなBSデジタル放送に係る委託放
   送業務の認定に関する制度整備案に対する意見募集」への対応に
   ついて
(2)平成20年度 技術局の組織改正について
(3)平成21年度収支予算案の一部調整について

2 報告事項
(1)考査報告
(2)契約・収納活動の状況(平成20年11月末)
(3)2008年11月全国個人視聴率調査の結果について
(4)2008年11月全国接触者率調査の結果について
(5)2008年11月放送評価調査の結果について
議事経過

1 審議事項
(1) 総務省「平成23年以降の新たなBSデジタル放送に係る委託放送業務の認定に関する制度整備案に対する意見募集」への対応について
(総合企画室)
 総務省は、11月28日、平成23年以降の新たなBSデジタル放送に係る委託放送業務の認定に関する制度整備を行うため、放送法施行規則、放送普及基本計画、放送用周波数使用計画、放送法関係審査基準等の改正案等を公表しました。
 今回の制度整備案は、本年7月31日に公表された「平成23年以降の新たなBSデジタル放送に係る委託放送業務の認定に関する基本方針」に基づくものであり、その骨子は次のとおりです。
BS放送と東経110度CS放送を制度上「特別衛星放送」として統合し、その普及政策を一体化する。
マスメディア集中排除原則については、「特別衛星放送」全体について、1事業者が支配できる中継器の数を現在のCSデジタル放送並みの4中継器以内とする。ただし、地上放送事業者による兼営は従来どおり認めない。
同じ帯域幅でより多くの番組を伝送可能とする新たな放送方式(H.264)の選択を可能とする。
放送大学学園の「特別衛星放送」への参入を可能とする。
「特別衛星放送」への参入希望者に割り当てる周波数が不足するときは、「1週間当たりの放送時間全体に占める広告放送の割合が3割を超えない」「1週間当たりの放送時間全体に占めるピュア・ハイビジョン放送(ハイビジョンカメラ等により制作・編集された番組)の割合が高い」等の基準に適合する者を優先する。
地上デジタル放送の衛星利用による難視聴地域対策(衛星セーフティネット)を行う放送事業者について、番組基準の策定、放送番組審議機関の設置、放送番組の保存の各義務を免除する。
 なお、平成23年以降のNHKのBSデジタル放送のチャンネル数等については、衛星セーフティネットの実施が確定していないため、今回の制度整備案には盛り込まれていません。
 総務省は、この制度整備案に対する意見募集を、平成21年1月5日を期限として行っています。NHKとしては、今回の制度整備案にはNHKに直接関係する項目はないものの、今後のBSデジタル放送の普及に大きな影響を及ぼす可能性があること、衛星セーフティネットを円滑に進めるための規制緩和が含まれていることから、次の2点の意見を提出したいと思います。
 1 .これまでBS放送が順調に普及してきたのは、視聴者の期待に応えるハイビジョン番組の制作や、安定的、継続的な放送確保のための入念な設備整備・運用による信頼性の確保などによるところが大きいものと考えます。
 今回の制度整備案において、BS放送および東経110度CS放送を「特別衛星放送」として統合し、その普及政策を一体化することとされています。この点については、これまで関係者の努力によってハード・ソフト両面にわたって築かれてきたBSデジタル放送に対する信頼を損なうことなく、引き続き視聴者の期待に十分応えることのできる多様な放送番組が確保されるとともに、設備面においても高い信頼性が維持されるようにすることにより、準基幹放送としてのさらなる普及・発展が図られるよう、制度の運用にあたって十分な配慮がなされることを要望します。
 2 .地上デジタル放送の衛星利用による難視聴地域対策は、NHKおよび地上系一般放送事業者が行う地上デジタルと同一の放送を同時に行うものであり、当該対策の実施主体が独自に放送番組の編集を行うものではありません。
 したがって、当該対策の実施主体に対して番組基準の策定、放送番組審議機関の設置、放送番組の保存の各義務を課することは、放送番組の適正性の確保など各義務の趣旨に鑑みて実益に乏しく、むしろこれらを免除することが、当該対策のより効率的な実施に資するものと考えられることから、適切な措置と考えます。
 以上の対応について審議をお願いします。
 なお、今後の日程については、制度整備案に対する電波監理審議会の答申を経て、平成21年3月ごろに委託放送業務の認定申請の受付が開始され、6〜7月ごろ、その認定がある見通しとなっています。

(日向理事)  意見の1点目では、具体的にどういうことを表明しているのでしょうか。
(総合企画室)  NHKとしては、BSデジタル放送の高品質で多様な番組が今後とも安定的に確保されるよう求めることなどを述べたいと思います。
(永井理事)  ハイビジョンの高品質な番組や放送内容の多様性も大事なことですが、放送の安定送出に向けた設備の信頼性も重要だということもうたっています。BS放送は、設備の事故があればすぐバックアップ設備に切り替えて放送の確保に努め、放送の安定性を維持することにより普及につなげてきました。今回、東経110度CS放送も、「特別衛星放送」として普及政策が一体化されることから、運用にあたってハード面の信頼性が損なわれることのないよう、配慮を求めることも重要です。
(溝口理事)  制度上、NHKはCS放送を実施できますか。
(総合企画室)  NHKがCS放送を行うことは、法律上は不可能ではありませんが、NHKが保有する放送波については別の面での制約があります。また、NHKはこれまでBSに軸足を置いて普及を図ってきました。その上、CS放送まで保有することに意味があるのかという議論もあると考えます。
(八幡理事)  衛星セーフティネットの実施が確定していないので、制度整備案にNHKの放送について盛り込まれていないということですが、平成21年度は衛星セーフティネットの経費を負担しなくてよいということですか。
(総合企画室)  制度はまだ確定していませんが、国の予算としては、21年度から準備を開始するということで、12月20日に発表された政府予算の財務省原案に盛り込まれました。政府予算案では、衛星セーフティネット全体の経費のうち3分の2を国が補助するとされています。残りについては、放送事業者の負担が想定されていますが、割合については現在調整中です。いずれにしても21年度から経費負担があると見込まれます。
(会 長)  原案どおり決定します。

(2)平成20年度 技術局の組織改正について
(人事総務局)
 完全デジタル化の確実な遂行に向けては、共同受信施設等への対応など受信環境のデジタル化整備が急務となっており、全国の支援体制を強化する必要があります。このため、技術局の業務体制の見直しを次のとおり実施することとしたいので、審議をお願いします。
 「送信・視聴者技術センター」を、「送受信技術センター」に改組し、現行の「送信・視聴者技術センター」および「全国・首都圏技術センター」にある受信環境のデジタル化整備関連業務を一元化します。
 また、「全国・首都圏技術センター」は「首都圏技術センター」に改称します。
 改正時期は、共同受信施設への経費助成業務等(平成21年4月開始)の準備や、テレビ受信者支援センターの全国展開(同2月)との連携のため、平成21年1月26日に発令する予定です。

(会 長) 

 地上デジタル放送の普及推進は、総務省などとも連携しての取り組みですから、NHKがこのように一生懸命取り組んでいることについて、しっかりと広報してほしいと思います。私も関係者の会議等の場で周知します。
 原案どおり決定します。

 
(3) 平成21年度収支予算案の一部調整について
(経理局)
 平成21年度収支予算案の一部調整について、政府予算案に伴い次のとおり一部を調整したいので、審議をお願いします。
 国際放送関係交付金の増により交付金収入が1.7億円増えた結果、一般勘定の平成21年度事業収入は6,699億円となります。事業支出は当初のとおり6,728億円で、事業収支差金の不足が29億円に縮減されます。それに伴い不足を措置するための前期繰越金の受入額が減少しますので、資本収支における資本収入は、917億円となります。また、平成21年度末における財政安定のための繰越金は、895億円となります。
 以上について了承されれば、本日開催の第1085回経営委員会に審議事項として提出します。
  
(会 長)

 原案どおり決定します。


2 報告事項
(1)考査報告
(考査室)
 11月下旬から12月中旬にかけて放送したニュースと番組について報告します。
 まず、ニュースについてです。12月15日(月)、日銀が「短観(企業短期経済観測調査)」を発表したのを受けて、景況感が急激に悪化している状況を報道したニュースでは、数値データの推移だけでなく、工作機械メーカーへの取材や、東京都および神奈川県でのマンションの新規販売の大幅な減少、いわゆる“派遣切り”や学生の就職内定取り消しなど厳しい雇用情勢、来年はさらに悪化すると予測する専門家のコメントなど、幅広い視点から現状を分析し、政府の景気対策も含めて視聴者に的確に伝えていました。
 12月8日(月)、NHKが行った世論調査の結果、内閣支持率が急落したことを報道していました。NHKの調査結果では、麻生内閣を「支持する」という回答が、前回調査から24ポイント下がって25%、「支持しない」という回答が、25ポイント上がって65%でした。麻生首相が就任後わずか2か月半で厳しい政権運営に直面している状況を伝え、各党の声など政界の反響を紹介するとともに、記者が支持率低下の背景を解説して今後の政局を展望していました。考査室としては、要点を押さえた伝え方に加え、各種の調査結果でも支持率が大幅に低下していたことを紹介するなど、広角的に情報を提供していたことを評価します。
 元厚生事務次官の自宅が連続して襲撃され、元次官やその妻が殺傷された事件で、11月22日(土)の夜に「自分が刺した」という男が警視庁に出頭してきました。報道では、午後10時32分にスーパー速報した後、取り調べの状況や銃刀法違反容疑で逮捕されたことを、定時や特設のニュースで伝えていました。その中で、山口県に住む容疑者の父親にNHKが単独で電話取材したのをはじめ、各地の知人や元同僚などに容疑者の周辺情報を取材していました。取り調べの状況や、厚生労働省はじめ政府の対応、特に容疑者の人物像について、各放送局と連携しながら中継を交え分厚く伝えていたと思います。
 インドのムンバイで現地時間11月26日(水)の夜、駅や高級ホテルなどが同時に襲撃されるテロが発生し、180人余りが死亡しました。別の取材で現地に滞在していた記者とカメラマンが素早く対応し、27日(木)朝の「NHKニュース おはよう日本」で電話リポートしたほか、日本人にも死傷者が出たことなど現場の状況をいち早く伝えていました。
 続いて、いくつかの番組について、報告します。
 12月1日(月)放送のNHKスペシャル「さまよえるがん患者」についてです。がん対策基本法の成立から2年たっても医療体制の整備が進んでいない現状など、同法が掲げた理想と現実が大きくかけ離れていることが、具体例を通してよくわかりました。現時点での実情と問題点の指摘は伝わりましたが、モニターの声に「がん対策基本法を有効に機能させる具体的方策も論じてほしかった」という意見があったように、今後も対応策を含めて継続的に伝えていってほしいと考えます。
 日本の、これから「裁判員制度」(12月6日(土)放送)についてです。裁判員制度が平成21年5月から開始するのに向けて、23人の市民とゲストが徹底討論していました。番組の直前に関連の「NHKスペシャル」を編成し、その内容を踏まえた議論によって、裁判員制度の課題をさまざまな形で浮き彫りにしていたことを評価します。ただ、最高裁判所、最高検察庁、日本弁護士連合会の法曹3者からも代表者が出演していたので、「なぜ今裁判員制度なのか」などの疑問点を直接尋ねたり説明してもらったりする時間がもう少しあればよかったと思いました。モニターからは「制度や法律が十分国民に知らされず作られていくようで腹立たしく感じた」などの声が寄せられました。
 11月28日(水)放送の「祝女〜SHUKUJO」は、女性の“気質”や“本音”を8つのショートストーリーで描いていました。こうした番組では、描き方によっては女性からの反発や不快感を招きかねないのですが、そうした視点での配慮もできていたと思います。考査室では、女性の視点にこだわった、共感と笑いを誘う番組として評価します。今後もせりふや演出の“過激さ”を追求せず、ウイットに富んだ物語によって女性を元気づける番組を目指して制作してほしいと思います。モニターの声でも、「女性のかわいさとしたたかさが見事に演じられ、楽しかった」など、おおむね好評でした。 
 11月23日(日)放送のETV特集「長すぎる休日〜若年認知症を生きる」は、50代で認知症と診断された2人の男性が、苦悩と不安を抱きながら妻と手を携えて生きようとする姿を見つめた秀作でした。「残された人生をどう生きるか」を求めて旅したオーストラリアで、自らの心と向き合いながら夫婦が語り合う場面は、生きる意味を問いかける印象的な対話でした。モニターからも「夫婦の苦しい胸の内が自然な会話の中で描かれていた」という声が寄せられました。
 BSハイビジョンで12月1日(月)に放送した、ハイビジョン特集「星の子 モーシャ〜世界初 義足をつけたゾウ」は、地雷で右前足の先を失った子象が義足を付けて歩くまでの半年間の記録を紹介し、周囲の人たちの愛情のもとで子象が回復し成長する様子を率直に伝えていました。女性獣医師が記録した絵日記の紹介と朗読が効果的で、情感豊かに描かれていただけでなく、国境近くの地雷の問題や森林伐採の現状など社会的背景も盛り込まれていたというのが、考査室の評価です。モニターからは、「罪のない象が地雷の犠牲になっていることに怒りを覚える」「モーシャのために懸命な人々の深い愛情を感じ、優しい気持ちになった」などの声が寄せられました。


(2)契約・収納活動の状況(平成20年11月末)
(営業局)
 20年11月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 まず、放送受信契約の総数についてです。第4期(10月・11月)は、10月からの訪問集金廃止に伴い、委託契約収納員の業務を契約の取次業務にシフトした結果、期間での契約総数取次数が前年度の113%に増加しました。しかし、一方で、障害者に対する放送受信料の免除の適用範囲を10月から拡大したことで、有料契約から全額免除への変更が8.1万件ありましたので、有料の契約総数については、増加が期間で0.4万件、年度累計で13.6万件(年間目標に対する進捗率54.3%)となりました。衛星契約も同じ理由により、契約取次数が前年度比で105%と増えたものの、衛星有料契約から全額免除への変更が2.6万件あり、衛星契約は、期間で6.9万件、年度累計で31.5万件(同70.0%)の増加となりました。
 次に、当年度収納額については、第4期は1,039億円で、前年度同期より5.2億円減っていますが、これは、先に述べた障害者免除の適用範囲拡大により全額免除が増加したことに加え、10月から訪問集金を廃止したことで継続振込払いに変更となったお客様が148万件あり、その払込時期が12月以降にずれた件数が多かったためです。払込時期のずれによる減収分は、第5期(12月・1月)に回収できると考えています。また、年度累計の当年度収納額は4,186億円となり、前年度の同期に比べて52.9億円の増収となりました。 
 第4期の支払い拒否・保留数については、新たな発生数が2千件だったのに対し、支払い再開数が3.0万件で、期末現在の件数は55.3万件となりました。最も多かった時期から72.7万件減少しています。引き続き、支払いを再開していただけけるように努めてまいります。
 また、口座・クレジットカード継続払いについては、第4期は6.8万件の増加で、年度累計では74.8万件になりました。

(八幡理事)  職員による出張旅費の不正請求という不祥事がありましたが、契約・収納活動への影響はどのくらいありますか。
(営業局)  営業コールセンターで受けたお叱りの電話の件数は、それ以前の不祥事の時に比べると少なめですが、訪問活動の現場ではさまざまなお叱りを受けており、どれだけ影響が出るかは、現時点ではまだわかりません。NHKの改革姿勢についてご理解いただけるよう、現場での説明に努めたいと思います。
(今井理事)  昨今の厳しい経済状況、雇用情勢の悪化の影響は出ていませんか。
(営業局)  契約総数取次が年度累計で13.6万件増加したと報告しましたが、その内訳をみると世帯契約は増えているものの、法人・事業所の契約件数は減っています。8月以降、雇用情勢の悪化に伴い、期間従業員寮の廃寮などによって多数の契約が一度に廃止になるケースも出ています。さらに、今後、家計消費支出が低迷するようになると、受信機の買い控えにつながり、地上デジタル放送や衛星放送の普及への影響が懸念されますので、動向を注視したいと思います。

(3)2008年11月全国個人視聴率調査の結果について
(放送文化研究所)
 2008年11月全国個人視聴率調査の結果について報告します。
 調査は11月17日(月)から23日(日)までの1週間、全国7歳以上の3,600人を対象に、配付回収法による24時間時刻目盛り日記式(個人単位)で実施し、有効回答率は68.6%でした。有効率は前年同期の調査から1ポイント上回っています。
 この調査対象週のうち、18日(火)には、元厚生事務次官の自宅が相次いで襲われ、元次官やその妻が死傷する事件が発生し、22日(土)には、この事件の容疑者が警視庁に出頭しました。
 調査結果についてです。
 まず、1日のテレビ視聴時間は、週平均でNHK総計が1時間06分、民放総計が2時間45分、テレビ総計としては3時間51分でした。この数字は過去10年間大きく変わっていません。
 次に、NHK各波の週間接触者率(1週間に5分以上そのチャンネルを見た人の割合)についてです。総合テレビは60.8%で、前年とほとんど変わっていません。一方、衛星ハイビジョンは5.8%と、前年同期に比べて増加しています。ハイビジョン受信機の普及や朝の連続テレビ小説の放送時間変更が、その理由と思われます。また、各放送波の週間接触者率の長期推移を見ると、総合テレビはこの約10年間で10%程度下がっていますが、教育テレビはほとんど変わっていません。衛星放送は伸びが鈍化してきています。今回の調査では、総合テレビの週間接触者率で男性20代の数字が落ちています。一時的なものかどうか、今後の推移を見守りたいと思います。
 総合テレビで最も見られた番組は「篤姫」で、個人視聴率で17.8%ありました。大河ドラマでは平成14年の「利家とまつ」(18.6%)以来の高い数字です。ほかに、「NHKニュース7」や「NHK歌謡コンサート」などがよく見られています。関東においてNHK・民放全体で個人視聴率が高かった番組について見ると、上位15番組のうち9番組をNHKが占めています。前年度、NHKは3番組でしたので、大幅に増えています。また、連続テレビ小説「だんだん」の個人視聴率を、総合テレビ・衛星第2・衛星ハイビジョンの本放送・再放送すべてで単純合計すると、20.8%になります。
 「NHKニュース7」、「ニュースウオッチ9」など夜のニュースについての年層別では、男女とも60〜70代の高齢層の視聴率が非常に高くなっています。同様に平日20〜24時の年層別視聴率について、総合テレビは、高齢層ほどよく見られ年代が若くなるほど見られなくなっているのに対し、民放全体では、どの世代にもまんべんなく見られています。


(4)2008年11月全国接触者率調査の結果について
(放送文化研究所)
 2008年11月全国接触者率調査の結果について報告します。
 この調査は、従来の視聴率調査ではとらえられない、録画再生やインターネット、DVDなど放送以外の媒体(番組関連出版物は除く)による番組への接触も含めたメディアへの接触状況を測ることを目的とするもので、2007年11月に初めて調査を行い、今回が3回目です。個人視聴率調査での接触者率と区別するため、リーチ(接触者率指標)という言葉で表します。
 調査は、11月17日(月)から23日(日)までの1週間行いました。1日単位で5分以上視聴や利用があったかどうかを記入する調査で、有効回答率は70.8%でした。
 調査結果の概要について報告します。
 NHKの放送リーチは75.4%、放送外リーチは17.9%で、NHK全体リーチ(放送、放送以外を問わず、NHKに接触した人の割合)は76.1%でした。この数値は、これまで2回の調査と大きく変わっていません。放送外では、前年11月と比較して、IPTVの番組配信やインターネットでのリーチが高くなっています。
 ワンセグ携帯の所有者は、全体の23.6%とほぼ4人に1人になりました。ただし、ワンセグ携帯所有者を分母としてもリーチは7%と、リーチの面ではこれからに期待したいと思います。
 NHK全体リーチを年層別で見てみると、放送リーチでは、12歳以下の子どもを除く若い世代で数字が低いのですが、放送外リーチでは、世代間に大きな差はありません。放送以外のメディアをうまく活用すれば、若い層の接触を増やすことが期待できると考えられます。13〜19歳の年代で、全くNHKの放送を見ずにインターネットなど放送外の経路でのみ接触するという層は、4%(前回3%)ありました。  

(5)2008年11月放送評価調査の結果について
(放送文化研究所)
 2008年11月放送評価調査の結果について報告します。
 放送評価調査は、NHKの放送に対する視聴者の評価を把握するためのもので、昨年度から始まり年4回実施しています。今回は今年度3回目の調査で、11月22日(土)から11月24日(月)までの3日間、電話法(RDD追跡法)により、全国の20歳以上の男女1,859人を対象に実施し、1,134人(61.0%)から回答を得ました。
 調査は、全体評価として「信頼(NHKの放送を信頼しているか)」、「満足(NHKの放送に満足しているか)」、「親しみ(NHKの放送に親しみを感じているか)」、「独自性(NHKの放送は民放にはない特色があると思うか)」、「社会貢献(NHKの放送は社会の役に立っていると思うか)」の5項目の評価を問うものです。さらに、側面別評価として「正確・公平(事実を正しく、公平に伝えている)」、「生命・財産を守る(災害、大事件、大事故のニュースをいち早く伝えている)」、「娯楽性(楽しんだり、リラックスしたりする番組を放送している)」、「知識・教養(知識や考えを深める番組を放送している)」、「実用性(仕事や生活に役立つ番組を放送している)」、「地域への貢献(地域に役立つ番組を放送している)」、「文化の継承・発展(伝統文化の継承や、新しい文化の発展に役立つ番組を放送している)」、「福祉(お年寄りや障害のある人々のための番組を放送している)」、「教育(子どもや青少年のためになる番組を放送している)」、「国際理解(国際理解に役立つ番組を放送している)」の10項目についても調査します。15項目それぞれについて1点から5点で回答してもらい、4点以上の肯定的評価があった回答の率を出しています。
 調査結果です。全体評価では「独自性(62%)」と「満足(58%)」が、側面別評価では「実用性(58%)」、「福祉(57%)」および「教育(52%)」が、前年度平均を上回っています。評価が下がった項目はありません。
 2007年度の平均と今年度3回の平均を比較しても、各項目でほとんど差はありません。
 結果として「信頼(64%)」や「社会貢献(63%)」の評価が高く、「親しみ(49%)」が低いなど、項目間の評価の全体的な傾向は、これまでと大きく変わっていません。なお、「親しみ」は、「平成21〜23年度NHK経営計画」に目標として掲げる50%に、あと一歩の数字となっています。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成21年 1月 13日
                     会 長  福 地 茂 雄

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