日本放送協会 理事会議事録  (平成20年12月 2日開催分)
平成20年12月19日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成20年12月 2日(火) 午前8時00分〜8時40分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、金田専務理事、日向理事、溝口理事、
 八幡理事、永井理事、大西理事、関根理事、今井理事

 多賀谷監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1084回経営委員会付議事項について
(2)平成21年度国内放送番組編集の基本計画について
(3)平成21年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集
   の基本計画について
(4)平成20年度後半期(平成21年2月〜)の国際放送(NHK
   ワールドTV)の編成について
(5)視聴者対応報告(平成20年10月)について

2 報告事項
(1)20年10月の視聴者満足(CS)向上活動報告
(2)放送番組審議会議事録(資料)
議事経過

1 審議事項
(1)第1084回経営委員会付議事項について
(総合企画室)
 12月9日(火)に開催される第1084回経営委員会の付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、審議事項として「平成21年度国内放送番組編集の基本計画について」、「平成21年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集の基本計画について」および「平成21年度収支予算編成要綱」です。また、報告事項として、「地方放送番組審議会委員の委嘱について」と「視聴者対応報告(平成20年10月)について」です。その他事項は「秋季交渉の結果について」です。

(会 長)   原案どおり決定します。


(2)平成21年度国内放送番組編集の基本計画について
(編成局)
 平成21年度国内放送番組編集の基本計画について審議をお願いします。
 まず、編集の基本方針についてです。 
 平成21年度は、いつでも、どこでも、見たい、知りたいコンテンツを一人ひとりの手元に届けるため、放送を軸としつつ、パソコンや携帯端末などを通して質の高い番組や情報を利用形態にもっとも適した形で提供し、多くの人々がNHKに接触できるよう努めます。
 平成20年度前期の視聴好適時間の平均世帯視聴率では、NHK総合テレビがもっともよく見られています。しかし、「信頼」や「社会貢献」への評価が高い一方で、若い世代ほどNHKに「親しみ」を感じていないという調査結果も出ています。NHKは、公平・公正で信頼される質の高い放送により、社会や文化の発展、安心・安全な生活の確保につくすとともに、視聴者の視線での報道、番組作りを進め、人々を勇気づける「明るさ・発見・感動」を伝えてNHKをもっと身近に感じてもらうための取り組みを進めます。
 平成21年度国内放送番組の編集にあたっては、次の5点を基本方針の柱とし、「いつでも、どこでも、もっと身近にNHK」「NHK on 3−Screens」を実現していきます。
幅広い視聴者層に向けたニュース・番組作りを進める。
  ・社会の中核を担う“働き盛り”の世代に向けた放送の充実を図る。
  ・若い世代に向けた放送の充実をいっそう進める。
  ・NHK全体の“ショーウインドー”としての総合テレビと各波の連携の
 推進。
日本と世界にインパクトを与えるパワーコンテンツを制作・編成する。
“激変の時代”に必要とされる報道の強化を図る。
地域の特性に合わせたサービスの充実を図り、地域からの情報発信を強化する。
NHK外部の多様な制作力を積極的に活用する。
 以上の基本方針を中心に、質の高いコンテンツの制作やサービスをより効果的・効率的に行うため、NHKの番組・コンテンツ制作の“量から質”への転換に積極的に取り組み、限られた経営資源を有効に活用していきます。
 編集の重点事項は次の8項目です。
1 信頼に応え、暮らしに役立つ報道の強化
2 質の高い番組の制作と多彩な展開
3 幅広い視聴者層に親しまれる多彩な番組
4 ワンセグ独自放送やNHKオンデマンドなど多様なメディアに向けたサービスの展開
5 個性的で存在感のある衛星放送
6 地域サービスの充実と全国への情報発信強化
7 次代を担う青少年に向けた教育番組の充実
8 冬季オリンピック・バンクーバー大会およびパラリンピック放送の実施
 以上の重点項目の実施にあたっては、“量から質”への転換に積極的に取り組み、限られた経営資源の効率的・効果的な活用に努めます。また、組織を横断した柔軟な連携を促進するとともに、企画競争などを通して国内外の優れた制作者のざん新な発想や手法を取り入れ、多様で豊かな可能性に挑戦します。さらに、研修の強化や組織を越えた異動などにより人材の育成に力を入れ、確かな情報、質の高い番組を安定して提供します。
 このような施策を中心に、創造的で活力に満ちた取材・制作体制を構築します。
 なお、本日了承されれば、第1084回経営委員会に提出するとともに、第545回中央放送番組審議会に諮問することとしたいと思います。

(会 長)

 編集の基本方針「幅広い視聴者層に向けたニュース・番組作りを進める」の中に、「社会の中核を担う“働き盛り”の世代に向けた放送の充実を図る」という項目がありますが、これは非常に大事なことだと思います。男性の30代〜50代は、NHKの接触者率が相対的に低いのですが、一方で、この層はお金を出してでも見逃した番組を見たいという、オンデマンド志向が高いと聞いています。3か年経営計画に、NHKの経営目標の1つとして、接触者率80%をめざすことが明記されていますが、そのためにも、働き盛りの世代を開拓することは極めて重要だと思います。
 また、上半期でNHKは夜7時〜10時の視聴好適時間の平均世帯視聴率が1位になりました。「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」という言葉があります。視聴率にこだわるわけではありませんが、1位になったのはどこが良かったからなのかを分析し、今後に生かしていくことが必要です。視聴者から寄せられる意見からも、NHKが変わりつつあるという評価が読み取れますので、この大事な時期の番組編成をしっかり行ってください。それから、編集の重点事項1の地域からの全国発信枠の拡大には、積極的に努めてほしいと思います。地域放送局には、全国放送にふさわしい質の高い番組制作をお願いしたいと思います。
 原案を了承し、経営委員会に諮ることとします。


(3) 平成21年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集の基本計画について
(国際放送局)
 平成21年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集の基本計画について審議をお願いします。
 まず、編集の基本方針についてです。
 外国人向けのテレビ国際放送では、最新鋭のスタジオから英語ニュースを24時間毎正時に放送します。アジア各地に広がるネットワークを最大限に生かし、国際社会の場で存在感を増すアジアの動きをリアルタイムで伝えることにより、“アジア情報はNHKから”というブランドを確立します。英語番組は、日本の政治・経済から、伝統文化、ライフスタイル、ポップカルチャーまで、国際放送用に制作する番組を充実させるとともに、国内番組を厳選して英語化します。また、外国人向けテレビ国際放送の充実のために新たに設立した日本国際放送(JIB)と連携して、日本のさまざまな魅力を伝えていきます。そして、世界中のより多くの人々に視聴してもらうため、ハイビジョン化を進める一方で、各地域の衛星やケーブルなどによる伝送の整備・拡充に努めます。
 邦人向けのテレビ国際放送では、ワールドプレミアムチャンネルを通じ、日本語のニュース・情報番組などを伝えます。また、在外の邦人の安全を守るための緊急報道等にも万全を期します。
 外国人向けラジオ国際放送では、これまでの短波に加え、衛星ラジオで全地域に送信を開始するとともに、現地のラジオ局と連携して、中波やFMによる再送信を行うなど、さまざまなメディアを用いて新たな聴取者層の開拓に努めます。
 邦人向けラジオ国際放送では、国内の主要ニュース、時事番組、スポーツ中継、音楽番組、ラジオドラマなど、多彩な番組を国内と同時放送し、リアルタイムで日本の情報を伝えます。
 インターネットについては、英語テレビニュースの動画配信やラジオ番組のライブストリーミングを充実させ、常に最新の情報を提供します。
 メディアのグローバル化が進む世界で、NHKが公共放送として日本からの発信を強化し、日本やアジアへの関心を広げ、その実像を伝えていきます。
 外国人向けのテレビ国際放送番組の放送時間は、世界全域で1日23時間程度を基本とします。残りの1時間は、JIBの独自番組を放送します。
 参考までに紹介しますとJIB独自番組は、JIBが民間のノウハウを活用して制作するもので、最新のビジネス情報、日本の地域から発信する自然と暮らしを細やかに伝える番組など、日本の躍動と人々の心を豊かに紹介します。
 なお、本日了承されれば、第1084回経営委員会に提出するとともに、第545回国際放送番組審議会に諮問することとしたいと思います。

(会 長)

 国際放送への期待が高まっていますので、質の高い放送番組が求められていることを認識して、進めてください。
 原案を了承し、経営委員会に諮ることとします。


(4)

平成20年度後半期(平成21年2月〜)の国際放送(NHKワールドTV)の編成について

(国際放送局) 
 平成21年2月2日から、外国人向けテレビ国際放送(NHKワールドTV)は、“Your eye on Asia”(アジア情報はNHKから)の下、ニュース・番組の充実・拡大を図ります。英語ニュースを大幅に拡充して24時間毎正時に編成するとともに、日本を、アジアを、世界に伝えるさまざまな番組についても、世界各地の好適視聴時間帯を意識したゾーン編成とします。
 日本を、アジアを、世界に伝える番組として、世界が注目する日本の技術を紹介する番組などを新設します。また、国内番組の英語化番組では「アインシュタインの眼」など、さまざまなジャンルの番組を編成します。
 参考ですが、JIB独自制作の30分番組を編成し、1週間に6回繰り返し放送する予定です。

(副会長)

 24時間毎正時にニュースを出すことは、国内放送も含めて、NHKで初めての試みですので、ぜひ、国内の報道、番組制作の各部門に積極的に協力してほしいと思います。

(会 長)  原案どおり決定します。

(5)視聴者対応報告(平成20年10月)について
(視聴者サービス局)
 放送法第12条に定める視聴者対応の状況について、平成20年10月分を以下のとおり取りまとめました。ついては、放送法第22条の2第3項の規程に基づき、経営委員会に報告したいので、審議をお願いします。
 10月にNHKに寄せられたご意見・お問い合わせは402,178件でした。放送受信料の訪問集金廃止に伴う問い合わせ等により、前月より34,000件あまり増えています。
 放送番組に関して寄せられた意見・要望・問い合わせでは、10月10日から観覧募集を開始した「NHK紅白歌合戦」の申し込み方法等についての問い合わせが6,500件を超えています。
 好評意見が多かった番組について報告します。2週にわたって放送した「ためしてガッテン」の「シリーズ 運動で若返り」には1,000件を超える好評意見が寄せられました。また、連続テレビ小説「だんだん」には「今回の朝ドラはストーリー性があってとてもいい。朝ドラがいいと一日が充実する気がする」など976件の好評意見が寄せられたほか、番組の終わりに日替わりで表示される「双子の写真」に対する問い合わせが523件寄せられました。
 一方で、Jリーグの「アルビレックス新潟 対 浦和レッズ」(10月26日(日)放送)の放送開始が、「MLB・アメリカ大リーグ」の放送時間延伸により50分遅れ、時差再生となったことについて、「アメリカの野球中継を延長して日本のサッカー中継の開始を遅らせることが、視聴者のためだといえるのか」などの厳しい意見や要望が348件ありました。また、「週刊こどもニュース」(10月11日(土)放送)で、ノーベル賞受賞者の小林誠氏と益川敏英氏を紹介するパターンの写真が入れ替わっていたことについて、「こんな単純なミスをするなんてどうかしている。受賞者に対して失礼だ」「子どもたちが間違えて覚えてしまう。すぐ訂正してほしい」などの厳しい意見が寄せられました。
 次に具体的な対応事例について、いくつか報告します。
 連続テレビ小説「だんだん」の最後に紹介している双子の写真について、「我が家にも双子がいるが、写真を受け付けているか」という要望が多数寄せられました。双子の写真は、双子の子育てを支援する団体「ツインマザーズクラブ」の協力で写真の提供を受けていましたが、要望が多数寄せられたことから、NHK大阪放送局では、11月1日から一般募集を開始し、引き続き「ツインマザーズクラブ」の協力を得つつ、応募いただいた写真も紹介していくことにしました。また、ドラマの舞台となっている島根県のNHK松江放送局でも、“双子の写真”を募集し、島根県向けの夕方のニュース番組「情報満開!しまねっと」の中で紹介する取り組みを開始しました。
 また、「アメリカ大統領選挙のテレビ討論の報道のペイリン副大統領候補の冒頭の発言に『〜いいかしら?』という字幕をつけていた。なぜ、わざわざ女性的な言い回しの字幕をつけるのか理由を知りたい」という意見がありました。外国語の翻訳字幕については、その発言の趣旨から外れることなく、かつ、視聴者にわかりやすい内容であることを心がけており、指摘のあったペイリン副大統領候補の発言は、テレビ討論の相手のバイデン上院議員が年上のため、くだけた表現を意識的に使って討論を有利に運ぼうとしたペイリン副大統領候補の意図を勘案して「ジョーと呼んでいいかしら?」という表現を字幕で使用したことを説明して、理解を求めました。
 「天気予報で、気象予報士が“明日から3連休・・・”と言っていたが、この表現が気になってしかたがない。週休2日制になったとはいえ、国民全員が土曜日に休んでいたら、国民生活が成り立たなくなる。“3連休”という言い方はやめてもらいたい」という指摘がありました。アナウンサーは「今日から3連休の方もいらっしゃると思いますが」などの表現をするよう心がけていますが、今後は気象予報士も含め、休日でも仕事をしている方の気持ちに配慮した表現を心がけていきたいと説明して、理解を求めました。
 受信料関係の意見や問い合わせは208,056件ありました。訪問集金廃止に伴う問い合わせにより、全体の件数が前月に比べて約28,000件増加しています。訪問集金廃止への意見として、「訪問集金でないと支払わないと集金人に伝えたのに、振込用紙が郵送されてきた。どうなっているのか」という内容のものが寄せられました。それに対し、10月から訪問集金が廃止になり、削減された経費は受信料の支払率の向上と番組作りに生かしていくこと、また一定の条件を満たした方には「ふれあい収納」として訪問集金に伺うが、この意見をいただいたお客様は「ふれあい収納」の対象にはならないことを丁寧に説明し、今後はコンビニエンスストアでの振り込みでお支払いいただくことで了承をいただきました。
 経営全般に対する意見や要望は、695件ありました。このうち、次期経営計画に関する意見が、310件寄せられました。次期経営計画の内容のうち受信料に関する意見は77件で、このうち「受信料を値下げすることに反対だ。良質の番組制作や優秀な人材確保にはそれなりの費用がかかると思う。視聴者は良い番組を見たいと思っている」など、受信料の値下げに反対する意見が35件、値下げに賛成という意見が25件、受信料割引等に関する意見が17件ありました。受信料関係を除く意見では、放送時間の短縮や、国際放送、あるいはチャンネル数の削減等に45件の意見が寄せられました。また、NHKや次期経営計画に関連して、自分の意見を展開するものが106件で、次期経営計画関連の番組への意見、問い合わせなどが117件でした。

(八幡理事)  受信料関係の対応について、営業現場での二次対応で全部が解決するとは思えませんが、営業現場でのやりとりはどのように管理していますか。
(視聴者サービス局)  営業現場での二次対応の分については、お申し出の主旨を1件1件記録して、次のお客様対応に活用しています。
(八幡理事)  「何回も電話しているのに、いっこうに解決しない」という話も耳にします。営業担当とのやりとりの中で、問題が出てくることもあると思うので、対応の結果をしっかり管理してほしいと思います。
(会 長)  われわれにとっては、何百件、何千件の中の1件ですが、電話をかけてくる視聴者にとっては、その1件がすべてです。現在のコールセンターの体制では窓口が複数あり、どうしても対応に隙間ができやすいので注意しましょう。
(副会長)

 現在、コールセンターの改革を進めています。22年度後半には、新しいコールセンターの機能が完成する見込みです。中長期的にコールセンターの応答率を高めることなど、具体的な目標を設定して努力していきたいと思います。

(会 長)  原案どおり決定し、第1084回経営委員会に報告します。

2 報告事項
(1)20年10月の視聴者満足(CS)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 20年10月の視聴者満足(CS)向上活動について報告します。
 まず、大河ドラマ「篤姫ファンミーティング」についてです。「篤姫」を支えてくれた視聴者の皆さまに、NHKから感謝の気持ちを伝えようと、視聴者サービス局の呼びかけに関係部局が結集し、11月20日(木)、NHKホールにおいて、「篤姫ファンミーティング」を開催しました。3,000人の視聴者の皆さまが来場し、篤姫のテーマ曲を作曲した吉俣良氏による「篤姫コンサート」や、宮崎あおいさん、松坂慶子さん、番組プロデューサーによるトークショーなど、涙あり、笑いあり、驚きありのファンミーティングとなりました。来場者のアンケートでは、97.4%が満足したと回答しています。
 仙台放送局では、開局80周年を記念して、ドラマ「お米のなみだ」を制作しました。1次ロケ最終日に「岩手・宮城内陸地震」が発生し、ロケ地の宮城県大崎市鳴子町も震度6弱を記録し、被災しました。仙台放送局のドラマスタッフは、地震発生2日後に現地を見舞うなど、お世話になっている地元民家の復旧を手伝いました。被害の状況などから、撮影の継続も危ぶまれていましたが、逆に地元の方々から「ぜひ、ドラマを完成させてほしい」と、励まされるような形で、全面的な協力を受けてロケを再開することができました。番組には20代〜50代まで幅広い層から反響があり、好評意見が9割を超えています。
 山形放送局の「今夜はなまらナイト」について報告します。「今夜はなまらナイト」は、平成19年1月にラジオ番組としてスタートしました。山形弁で山形の話題を自由にトークする番組で、これまで不定期にラジオ第1で6回、総合テレビとラジオ第1同時で1回放送しましたが、10月24日(金)、8回目の放送は総合テレビの午後7時30分に放送し、視聴率は22.8%と、たいへん好評でした。番組では、視聴者から番組に寄せられるメッセージを、1件でも多く放送中に紹介できるように、画面下部にメッセージをスーパーで即座に流せる独自システムを開発するなど、局をあげて取り組みました。その結果、番組中で紹介した投稿が41件、画面下部のスクロールスーパーで紹介した投稿が103件、そして、放送で紹介できなかった投稿も含め、すべての投稿315件を番組ホームページに掲載しました。
 続いて、NHKアナウンサーによる「NHK朗読ひろば」についてです。文部科学省は、20年度学習指導要領で国語の授業に「読む力」の項目を20年ぶりに復活させました。これにより、学校関係者から朗読の学習会ができないかという声が事業センターやアナウンス室に多く寄せられました。その声に応えて、小学校高学年を対象に「朗読」の楽しさと魅力を実感し、コミュニケーション力を高めてもらうための出前授業「NHK朗読ひろば」を10月にスタートしました。20年度は5校程度、21年度は全国で10校程度の開催を予定しています。
 徳島放送局が取り組んでいる、放送受信料訪問集金のお客様への周知活動について報告します。10月、営業コールセンターに寄せられた「訪問集金廃止」に関連する問い合わせは前月に比べて28,000件の増加でした。徳島放送局でも、県内に集金対象がおよそ8,000世帯あり、問い合わせが増えているため、その対策として、口座振替を促すスポットを県域放送で9回放送しました。口座利用率は、地元金融機関のシェアが高いため、地元の金融機関の行員が出演して、口座勧奨と口座振替日をお知らせするスポットを制作しました。こうした取り組みもあって、訪問集金から口座・クレジット継続払いへ変更してくださるお客様が大きく増加しました。徳島放送局ではさらに連携する金融機関を広げてスポットを続けていく予定です。
 続いて、改善実施事例について報告します。大阪放送局の技術部では、災害報道用「河川カメラ画像蓄積再生システム」を開発しました。きっかけとなったのは、神戸・都賀川鉄砲水災害で、発生時に放送した急激に増水する河川の様子は、神戸市のホームページに掲載されている河川カメラ映像を利用したものでした。これにヒントを得て、大阪放送局では、近畿地方の自治体のホームページから、103か所の河川カメラの静止画像を自動的に取り込み、NHKサーバーに蓄積して、コマ送り動画再生するシステムを開発しました。汎用性の高いシステムなので、災害報道の充実のために、他の局でも容易に導入できるものです。
 視聴者満足の向上をめざした改善の実施状況は、10月末現在で665件で、昨年同期より99件増えています。
 ふれあいミーティングは、10月に全国で224回実施し、3,718人が参加しました。これは今年度の最高値でした。10月に実施した事例を紹介します。秋田駅前に新しい放送会館が完成し、来館者が大幅に増えた秋田放送局では、昼前の情報番組「ひるまえこまち」終了後に、観覧者とのふれあいミーティングを10月に11回開催しました。参加者からは「秋田局が駅の近くに移ってきたことで、とても街が明るくなった」「ローカル番組を通じて、消えつつある『秋田弁』を残してほしい」などの声が寄せられました。また、富山放送局では、より多くの視聴者からご意見をうかがうために、各部門の業務に連動して、小回りのきく“ミニ・ミーティング”方針を打ち出しました。10月は、事業所契約など、受信料体系説明に動く営業部が中心となり、自治体、ホテル、不動産会社、ケーブル会社などと、合計22回開催しました。各社からは、普段は受信料ばかりだった打ち合わせに幅ができたなど、好評の声があがっています。


(2)放送番組審議会議事録(資料)
(編成局)
 編成局および国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会、全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州、東北、北海道、四国)の平成20年10月開催分の議事録についての報告。
(注1:放送番組審議会の内容)


以上で付議事項を終了した。
 注1:放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」
    のなかに掲載しています。
上記のとおり確認した。
      平成20年12月16日
                     会 長  福 地 茂 雄

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