日本放送協会 理事会議事録  (平成20年 5月27日開催分)
平成20年 6月13日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成20年 5月27日(火) 午前10時30分〜10時45分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、金田専務理事、日向理事、溝口理事、
 八幡理事、永井理事、後藤理事、大西理事、関根理事

 多賀谷監査委員、井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)次期経営計画について
(2)19年度“約束”の評価を受けて

2 報告事項
(1)放送受信契約の締結拒否者に対する民事手続きの実施について
(2)平成20年度放送技術研究所公開 実施結果について
(3)放送番組審議会議事録

議事経過
1 審議事項
(1)次期経営計画について
(総合企画室)
 次期経営計画については、今年の9月に公表する予定ですが、現在までの検討内容を取りまとめ、基本的な考え方を本日開催される経営委員会に提出したいと思います。
 次期経営計画は、現在の3か年経営計画(18年度〜20年度の経営計画)の成果と課題を整理したうえで、現在のメディア環境の変化を踏まえつつ、21年度を初年度とした3か年の経営計画として、放送の完全デジタル化後〈平成23年〉を見通したものにしたいと思います。
 現3か年経営計画の達成状況としては、全体としては、受信料収入の目標を達成し、財政的には安定を確保した一方、コンプライアンスの徹底については未達成と言えます。また、放送サービスに対する視聴者の満足度は向上しているものの、接触者率の長期低落傾向が続いています。
 メディア環境状況については、放送・通信融合時代にあって、若者のテレビ離れが進む一方、ネットへの接触時間は増えています。また、グローバル化の進展に伴い、コンテンツの国際競争力を高めていく必要があります。そのほかさまざまな環境変化に的確に対応していかなければなりません。
 次期経営計画の基本的な考え方は次のとおりです。
 無駄のない、より強靭な“公共メディア”への転換を目指し、従来型の放送にとどまらず、NHK on 3−Screens(テレビ・PC・モバイル)を推進するとともに、国際放送の情報発信力を強化します。地域放送局は、視聴者の身近な存在として、満足度を高め、存在感を確かなものにしていきます。また、受信料のより公平な負担の実現に向けて、さまざまな施策を通じて支払率を高めるとともに、収入の低い高齢者に対しては、割引・免除などを検討します。平成23年の地上デジタル化の完遂に取り組むとともに、放送・通信融合時代を先導する技術組織の転換を行います。経営体制については、“公共メディア”に相応しい質の高い効率的なNHKグループ経営を図っていきます。また、コンプライアンスの徹底やリスクマネジメントの定着を図るとともに、人材育成を強化します。
 今後は、9月に向けて、経営委員会や視聴者のみなさまの意見をうかがいながら、さらに検討を重ねていきます。

(会 長)原案を了承し、経営委員会に諮ることとします。


(2)19年度“約束”の評価を受けて
(総合企画室)
 19年度“約束”の評価委員会の報告を受けてNHKの見解をとりまとめましたのでご審議をお願いします。
 NHKは、視聴者の意向をより的確に事業運営に反映するため、各年度の事業運営の目標として視聴者に“約束”を公表し、達成状況を外部の専門家が視聴者の視点に立って評価し、それに基づいて事業運営を改善していくしくみ(PDCAサイクル)を、平成17年度に導入しました。
 本日、NHK“約束”評価委員会から、19年度“約束”の評価報告を受けました。これを受けて、以下の内容をNHK見解として経営委員会に報告した後、評価報告書と合わせて、NHKホームページに掲載したいと思います。
 「公共放送の価値」の実現度は、昨年度と比べて4.7ポイント上昇しました。また2年ぶりに実施したCVM(仮想市場価値法)調査によれば、NHKの放送サービスに対する視聴者のみなさまの支払意思額は、地上放送、衛星放送ともに現行の受信料額を上回り、平成17年度と比較してVFM(受信料に見合う価値)は5.7%向上しました。
 一方、19年度の“約束”で初めて取り入れた「信頼性」「必要性」「社会貢献」「効率性・効果性」という評価指標の達成度をみると、「経営の信頼性」「効率性・効果性」「必要性(接触の度合い)」「必要性(親しまれる)」が、まだ十分に達成されているとは言えないこと、選択と集中による抜本的な構造改革、組織風土改革、受信料の公平負担の徹底等が強く求められていることが指摘されました。
 この“約束”評価結果は、定量的・定性的な測定方法で把握した視聴者のみなさまの意向であると真摯に受け止め、指摘された点については、さらに充実・強化していきます。この評価結果を踏まえて、21年度を初年度とする次期経営計画を策定していきます。

(会 長)  原案どおり決定します。


2 報告事項
(1)放送受信契約の締結拒否者に対する民事手続きの実施について
(営業局)
 放送受信契約の締結拒否者に対する民事手続きの実施について報告します。
 昨年の12月の理事会で、「放送受信契約の締結拒否者に対する民事訴訟の実施に関する基本方針」について審議・決定され、この内容は、今年の1月の経営委員会で了承されています。
 今回の民事手続きは、この方針に基づいて実施するものです。
 受信契約の締結を求めて、平成19年5月に担当窓口を営業現場から受信料特別対策センターへ変更した未契約事業所のうち、1件について、およそ1年にわたって交渉してきましたが、現在も具体的な進展がありません。このため、相手方に対して、民事手続きの実施を予告し、それでもなお受信契約に応じていただけない場合は、民事手続きに着手することにします。
 なお、受信契約の締結を求めて、営業現場で交渉を行ってきたものの、現場の対応では契約化が困難であると判断した未契約の一部事業所について、担当窓口を受信料特別対策センターに変更します。未契約者の窓口変更は昨年5月に続いて2回目となります。


(2)平成20年度放送技術研究所公開実施結果について
(永井 理事)
 平成20年度放送技術研究所公開の実施結果について報告します。
 今年の技研公開は、「技術のチカラがテレビを変える」をテーマに、最新の研究成果43項目を展示し、公開期間5月20日から25日までの6日間に、期間中昨年より約2,700人多い、21,005名の方にご来場いただきました。
 来場者には、スーパーハイビジョンなど、新たなメディアを拓く研究所の役割をご理解いただくとともに、新しい「技研ビジョン」を公表し、テーマに沿って研究項目を紹介しました。また、講演会にはNAB(全米放送事業者協会)、RAI(イタリア公共放送)から講師を招き、また初めてBBCとの共同展示を行うなど国際色豊かな公開となりました。昨年平日に実施して好評を得た専門家向けの「ポスター展示」(基礎研究の成果を掘り下げて紹介)を全日程で開催し、連日熱心な議論が交わされました。また、ファミリー向けの「体験展示」には子ども連れを中心として多数の家族が参加し先端技術を楽しく体感していました。
 来場者に対してアンケートを実施し、技研公開の感想を調査しました。展示内容についての印象は、「大体わかった」、「良くわかった」が84%、「分かりにくかった」、「難しかった」が14%でした。さらに今年は、技研職員によるガイドツアーにあわせて「ふれあいミーティング」を実施し、286名が参加、NHKに対する率直なご意見をいただきました。
 今後とも、各部局とも連携して放送技術研究所にふさわしいふれあいの場を設け、公共放送における研究所の取り組みや研究成果を紹介していきたいと思います。


(3)放送番組審議会議事録
(編成局)
 編成局および国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会、全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州、東北、北海道、四国)の平成20年4月開催分の議事録についての報告。
(注1:放送番組審議会の内容)



以上で付議事項を終了した。
注1: 放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。
上記のとおり確認した。
      平成20年 6月10日
                     会 長  福 地 茂 雄

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