日本放送協会 理事会議事録  (平成19年11月13日開催分)
平成19年11月30日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成19年11月13日(火) 午前 9時00分〜 9時35分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田専務理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、石村理事、西山理事、日向理事、溝口理事、八幡理事

 古閑監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項
1 審議事項
(1)受信料の「訪問集金の廃止」「複数支払いに関する特例」に対する
   「意見募集」の実施について

2 報告事項
(1)NHK教育フェア2007の実施結果について
(2)平成19年度「NHK歳末たすけあい」「NHK海外たすけあい」
   の実施について

議事経過
1 審議事項
(1)受信料の「訪問集金の廃止」「複数支払いに関する特例」に対する
   「意見募集」の実施について
(営業局)
 受信料の「訪問集金の廃止」「複数支払いに関する特例」に対する「意見募集」の実施について審議をお願いします。
 「意見募集」への基本的な考え方についてです。
 NHKは受信料に支えられた公共放送として、視聴者との結びつきの強化が重要であると認識しています。平成19年度“約束”の中においても「みなさまの声を経営や放送に反映」と明記しており、平成18〜20年度NHK経営計画においても、「あらゆる機会を通じてさまざまな方法で視聴者のみなさまのご意見をお聞きする活動を今後も地道に継続」と視聴者のみなさまに約束しています。
 このため、今後は視聴者への影響が大きい受信料に関する見直しにあたって、視聴者のみなさまへの「意見募集」を行うことを基本とし、いただいたご意見を参考にさせていただき、よりよい制度にしたいと考えています。また、視聴者のみなさまから寄せられたご意見に対しては、NHKの考え方とあわせて公表し、説明責任を果たしていきます。
 まず、「訪問集金の廃止」についてです。
 現在、受信料のお支払いは、「口座振替」、「クレジットカード継続払」、「継続振込」(金融機関、コンビニエンスストア等における払込み)、「訪問集金」の4つの方法の中から選択していただいていますが、このうち、「訪問集金」については、留守等のため、何度も訪問することが必要になるなど、多くの要員や経費が必要となっています。そこで、受信料の支払い方法のうち「訪問集金」を廃止し、その他の3つの方法に限定したいと考えています。これにより、「訪問集金」に要していたパワーを支払い拒否・保留者の削減、新規契約の増加など受信料の公平負担の徹底に振り向けるとともに、受信料を収納する経費を削減し、放送サービスの充実に活用していきます。また、「訪問集金の廃止」により、視聴者のみなさまとの対話が不十分になるということがないよう、「ふれあいミーティング」の充実や、コールセンターの利便性向上にも取り組んでいきたいと思います。
 この「訪問集金の廃止」の実施時期は平成20年10月1日を予定しています。
 次に、「複数支払いに関する特例」についてです。
 現在、日本放送協会放送受信規約における受信契約の単位は、事業所の場合は設置場所(部屋・自動車等)ごと、同一の世帯に属する2以上の住居の場合は住居ごととなっています。このため、ホテル、病院など、1つの事業所に多数の受信機を設置する場合や、家族が複数の住居に別れて暮らす場合、複数の受信料支払いが必要となり負担が大きくなります。この負担を軽減するとともに、新たなルールを設けて公平負担の徹底を図り、1契約めは通常の料額としたうえで、負担の大きくなる2契約め以降の受信料について、衛星契約、地上契約とも通常の受信料額の半額を割り引くなど、複数支払いに対する特例を実施したいと考えています。
 なお、平成18年10月より、親元を離れて暮らす学生または単身赴任者の方を対象に、一定の要件を満たした場合に、受信料を33%割り引く、「家族割引〔学生〕〔単身赴任〕」を導入しています。しかし、同一生計で住居が異なるケースには、学生、単身赴任以外にも、離れて暮らす父母や学生ではない子どもを扶養している場合等があります。このため、「複数支払いに対する特例」の考え方を「家族割引」にも取り入れて、その適用範囲を学生、単身赴任以外にも拡大し、新しい特例に移行して実施する予定です。
 この「複数支払いに関する特例」の実施時期は、平成21年2月1日を予定しています。
 スケジュールについては、11月15日から12月6日まで、NHKホームページ、印刷物等で、「意見募集」を行い、来年1月を目途に結果を公表する予定です。

(会 長)  「意見募集」の期間が3週間となっています。若干短いようにも思えますが、この期間を設定した理由は何ですか。
   
(営業局)  20年度に「訪問集金の廃止」、「複数支払いに関する特例」を実施するための今後のスケジュールを考慮して、一応12月6日までとしました。しかし、その後に寄せられた意見も取り入れていきたいと思います。
 なお、国が行う意見募集でも3週間という事例があります。
   
(会 長)  専門家のご意見も伺うことになっていますが、このご意見と視聴者のみなさまからいただいたご意見は分けて取りまとめるのですか。
   
(営業局)

 取りまとめの段階では、同じ扱いにしたいと思っています。
しかし、専門家の方々に対しては、より専門的な観点からのご意見を、こちらからお尋ねする形にしたいと思っています。

   
(会 長)

 原案どおり決定します。


2 報告事項
(2)NHK教育フェア2007の実施結果について
(編成局)
 NHK教育フェア2007を10月23日から11月4日まで実施しましたので、その実施結果の概要について報告します。
 まず、第34回「日本賞」教育番組国際コンクールについてです。
23か国から345人が参加し、応募作品は、番組部門に187作品、ウェブ部門に27作品、番組企画部門に48作品の合計262作品が寄せられました。
 次に、受賞番組を報告します。番組部門では、「グランプリ・日本賞」および「東京都知事賞」にカナダのカナダ放送協会が制作した「特別授業 差別を知る〜カナダ ある小学校の試み〜」、ウェブ部門では、「最優秀ウェブ賞」にイギリス、ティーチャーズ・テレビが制作した「ティーチャーズ・テレビ」、番組企画部門では、「放送文化基金賞」にブータン、KCDプロダクションが提案した「ヤング・デモクラシーが選ばれました。
 授賞式は、10月29日、NHK放送センター101スタジオで、皇太子殿下ご臨席のもと、約300人が出席して行われました。
 「日本賞」関連の主な番組は、総合テレビで「日本賞・世界が教育を見つめた七日間」(11月2日放送)を放送しました。厳正な審査の様子に初めてテレビカメラが密着し、世界一の教育番組を決定する過程をドキュメントとして紹介しました。また、教育テレビでは、同じく「第34回日本賞受賞番組紹介」(11月2日放送)で番組部門最優秀受賞4作品の日本語版をノーカットで紹介しました。そのほか、「日本賞2007〜世界に輝く教育番組の祭典〜」(11月4日放送)では授賞式の模様を紹介しました。
 次に、11月1日から11月4日まで実施した公開イベント「NHK 秋のふれあい広場〜教育フェア2007〜」について報告します。
 今年は、幅広い世代の来場者に満足していただき、NHKへの親近感を深めていただけるように、ワークショップなど体験・参加型の演目を増やしました。
 放送センター正面玄関ロビーおよび5階スタジオロビー周辺では、「からだのちから」などの子ども向け番組に関連した紙飛行機づくりや粘土あそびなどのワークショップや、「みんなのうた」で人気の「おしりかじり虫」のダンス教室が大好評でした。5階食堂では、「きょうの料理食堂」として、今年で50周年を迎えた「きょうの料理」のスペシャルメニューを提供しました。また、50年の歩みや、紹介した料理のレシピも公開しました。
 みんなの広場・ふれあいホールでは、「第8回NHKアジア・フィルムフェスティバル」(11月1日〜11月5日)を開催し、イラン、ベトナム、などの5作品を上映しました。
 総入場者数は、昨年より約5,000人多い91,643人でした。
 10月27日から11月4日まで、「視聴者といっしょにつくる特別編成」として、教育フェア2007会場からの生放送や語学・趣味などの公開収録番組、「きょうの料理」50周年特集番組や「日本賞」関連番組のほか、「ABU未来への航海」、「ETV特集」、「BSドキュメンタリー」などの番組を特別編成しました。そのほか、定時番組のスペシャル版、ニュース、広報番組も含めて、NHKが展開するさまざまな教育サービスについて集中的に放送しました。
 また、10月26日、27日には、「ネットワーク社会におけるメディアとヒューマンコミュニケーション」をテーマに、第58回放送教育研究会全国大会を開催しました。今大会は、平成14年の大阪大会以来5年ぶりで、視聴覚教育総合全国大会との合同大会が実現し、若手と中堅教師の参加が多く見られました。映画監督の山田洋次氏による記念講演のほか、地上デジタル放送の利用をめぐるシンポジウム、NHKデジタル教材のデモンストレーション、放送やデジタル・コンテンツを利用している教師の実践報告などが多彩に行われました。
 今年で6回目を迎えたアジア教育プロデューサー会議は、「ABU未来への航海2007」に参加した、中国(香港を含む)、韓国、マレーシア、モンゴル、タイのアジアの放送機関とNHKの教育番組プロデューサーなど11人が集い、10月25日から29日まで、この夏のモンゴルでの環境学習と番組制作について総括を行いました。さらに次回(2009年実施予定)の展望を議論し、放送が環境教育に果たすべき役割やアジアの国際共同制作のあり方について考えました。

(3)平成19年度「NHK歳末たすけあい」「NHK海外たすけあい」
   の実施について
(視聴者サービス局)
  平成19年度「NHK歳末たすけあい」「NHK海外たすけあい」の実施について報告します。
 NHKでは、公共放送として社会福祉の向上と国際相互理解の促進を目的として、NHK厚生文化事業団とともに「NHK歳末たすけあい」を中央共同募金会と、また、「NHK海外たすけあい」を日本赤十字社とそれぞれ共催で実施し、みなさまからの義援金を募ります。義援金は、12月1日(土)から12月25日(火)まで、NHK各放送局、共同募金会、日本赤十字社、全国の郵便局及びゆうちょ銀行直営店、取り扱い標示のある金融機関などで受け付けることにしています。
 NHKでは、“ともに生きる社会”をめざして、NHKハート展、NHKハート・ストリートをはじめとした福祉キャンペーン「NHKハート・プロジェクト」を実施しています。「NHK歳末たすけあい」「NHK海外たすけあい」はその中核事業として、さまざまな番組やイベント会場で「たすけあい」への協力を呼びかけ支援の輪を広げたいと考えています。 
 「NHK歳末たすけあい」の義援金は、中央共同募金会を通じて国内の援助を必要とする子どもたちや体の不自由な方に、そして介護を必要とするお年寄り、福祉施設などの支援へ、また「NHK海外たすけあい」の義援金は、日本赤十字社を通じて、世界各地の紛争や自然災害の災害復興支援などに使われます。 
 「たすけあい」の関連番組として、12月1日午前10時5分から総合テレビで「あなたのやさしさを2007」を生放送します。そのほか、「たすけあい」の義援金の使われ方についてのミニ番組、どーもくんによる義援金の呼びかけスポットも放送し、視聴者のみなさまへご協力を呼びかけます。
 12月1日には、渋谷公園通りの5か所のステージで、約20組の多彩なアーティストによるコンサートなどのパフォーマンスを繰り広げ、義援金への協力を呼びかけます。
 なお、実施結果は来年の2月上旬にNHKホームページなどで公表する予定です。

以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成19年11月27日
                     会 長  橋 本 元 一

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