日本放送協会 理事会議事録  (平成19年 4月 3日開催分)
平成19年 4月20日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成19年 4月 3日(火) 午前9時00分〜9時35分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項
1 審議事項
(1)第1041回経営委員会付議事項について
(2)平成19年度管理職給与の改定について
(3)地上デジタルテレビジョン中継放送局の設置計画について
(4)国際放送番組審議会委員の委嘱について

2 報告事項
(1)国際放送実施命令および委託協会国際放送業務(テレビジョン放送)
   実施命令について
(2)中継放送局の開局について
(3)中継放送局の廃局について
(4)放送技術審議会委員の委嘱、退任について
(5)19年2月のCS(お客さま満足)向上活動報告


議事経過
1 審議事項

(1)第1041回経営委員会付議事項について
(秘書室)
 4月10日(火)に開催される第1041回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「役員報酬支給基準の改正について」、「平成19年度標準役員報酬について」、「平成19年度役員交際費の支出限度額について」、「国際放送番組審議会委員の委嘱について」、「平成19年度組織改正について」、「地上デジタルテレビジョン中継放送局の設置計画について」、「日本放送協会受信料免除基準の一部変更について」です。また、報告事項として「関連団体の事業運営状況等について」、「国際放送実施命令および委託協会国際放送業務(テレビジョン放送)実施命令について」、「中継放送局の開局について」、そして「中継放送局の廃局について」です。
 そのほか、会長報告などを予定しています。

(会長)  原案どおり決定します。


(2)平成19年度管理職給与の改定について
(小野理事)
 平成19年度管理職給与の改定について審議をお願いします。
 基本年俸については、平成17年度に削減を行い,18年度は据え置きましたが,19年度についても据え置きとします。
 また,平成19年10月から管理職の処遇区分の見直しを実施します。具体的には,現行の課長級から局長級を廃止し,新たにD1からD8を設けます。
 なお,10月の見直しを踏まえ,初任の課長級,部次長級,局次長級の基本年俸について見直しを行います。

(会長)  原案どおり決定します。

(3)地上デジタルテレビジョン中継放送局の設置計画について
 (西山理事)
 放送局設置に関する諸条件が整った北海道の定山渓、札幌藻岩下、簾舞、宮の沢、岩手県の室根、宮城県の気仙沼、白石、山形県の朝日、山寺、関山、東沢、尾花沢、福島県の原町、白河、富岡、いわき南、茨城県の北茨城、竜神平、奥久慈男体、日立神峰、栃木県の今市、馬頭、群馬県の下仁田、利根、吾妻、桐生、草津、埼玉県の小鹿野、千葉県の東金、大多喜、神奈川県の南足柄、箱根湯本、愛川、湯河原、新潟県の糸魚川、両津、高千、外海府、妙高高原、津南田中、津南上郷、糸魚川大野、村上、石川県の山中、福井県の敦賀、小浜、山梨県の上野原、長野県の戸倉上山田、岡谷川岸、明科、塩尻東、岐阜県の下呂、郡上八幡、静岡県の下田、下田稲梓、小笠、三重県の鳥羽、伊賀、京都府の亀岡、兵庫県の竜野、福崎、和歌山県の御坊、有田箕島、有田吉備、九度山、岡山県の津山、笠岡、高梁、新見、備前、久世、広島県の大柿、因島、西条、山口県の美祢、徳島県の脇町西赤谷、香川県の小豆島、高知県の須崎、佐川、宿毛、安芸、中土佐、佐賀県の日ノ隈、長崎県の諫早、大分県の三重、中津、宮崎県の高千穂、日向、沖縄県の今帰仁、久米島、佐敷の地上デジタルテレビジョン中継放送局を設置したいと考えています。
 本日、了承されれば、第1041回経営委員会に諮りたいと思います。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることとします。


(4)国際放送番組審議会委員の委嘱について
 (石村理事)
 国際放送番組審議会委員の委嘱について審議をお願いします。
 平田康夫氏((株)KDDI研究所代表取締役会長)を平成19年5月1日付で再委嘱したいと思います。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることにします。



議事経過
  2 報告事項

(1)国際放送実施命令および委託協会国際放送業務(テレビジョン放送)
   実施命令について
(国際放送局)
 総務大臣から、放送法第33条第1項の規定に基づき、平成19年度の国際放送実施命令と委託協会国際放送業務(テレビジョン放送に係るものに限る)実施命令を、4月1日付で受けましたので報告します。
 今回、指定された放送事項は、国際放送(ラジオの国際放送)が昨年と同様に、「時事」、「国の重要な政策」、「国際放送に関する政府の見解」とこれらの「事項の放送に当たって、北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意すること」となっています。
 また、委託協会国際放送業務(テレビの国際放送)の実施命令は、今回が初めてです。指定された委託放送事項は、「時事」、「国の重要な政策」、「国際放送に関する政府の見解」となっています。ラジオと違い、「外国人によって視聴されることに特に配慮すること」と明示されています。
 いずれもNHKが行うラジオ、テレビの国際放送と一体として行うことになっています。
 国際放送と委託協会国際放送業務の実施命令の費用は、放送法第35条第1項の規定により、国の負担になります。国際放送については21億5,761万円余り、委託協会国際放送業務については3億円となっています。
 NHKとしては、これまでどおり、自主・自律の編集を貫き、公共放送として、正確で公正なニュースや情報を国際発信していきます。


(2)中継放送局の開局について
(西山理事)
 中継放送局の開局について報告します。
 まず、地上デジタルテレビジョン中継放送局についてです。
 設置計画に基づいて建設を取り進めている地上デジタルテレビジョン中継放送局のうち、昨年12月中旬以降4月1日にかけて、神奈川県の小田原、静岡県の三島、岐阜県の土岐南、三重県の熊野、尾鷲、兵庫県の神戸兵庫、西宮山口、奈良県の栃原、広島県の呉、佐東、徳島県の鳴門瀬戸、愛媛県の新居浜、佐賀県の唐津、長崎県の佐世保の中継局を開局しました。18年度末での全国の地上デジタルテレビジョン放送の視聴可能世帯数は約4,000万世帯、85%のカバー率になりました。
 次に、ラジオ中継放送局についてです。
 設置計画に基づき、夜間における外国電波の混信を改善するために建設を取り進めていた沖縄県の南大東中継放送局が4月1日開局しました。FM波を使うことにより、約1,000世帯で受信状況が改善されました。


(3)中継放送局の廃局について
(西山理事)
 中継放送局の廃局について報告します。
 平成18年度において、共同受信施設への加入などにより受信者が皆無となりましたテレビジョン中継放送局(総合31局、教育32局)を廃局しました。
 また、新潟県中越地震災害に伴い臨機の措置として開局したラジオ中継放送局についても、当該エリア内の受信状況が復旧したことから、免許有効期間満了をもって廃局しました。


(4)放送技術審議会委員の委嘱、退任について
(西山理事)
 放送技術審議会委員の委嘱、退任について報告します。
 安田豊氏((株)KDDI執行役員コア技術統括本部長)を平成19年4月1日付で新規委嘱しました。また、同日付で、白井克彦氏(早稲田大学総長)と原島博氏(東京大学大学院情報学環教授)を再委嘱しました。
 なお、土井美和子氏((株)東芝研究開発センター技監)は任期満了により、村上仁己氏((株)KDDI理事)はポスト交代により19年3月31日付で退任されました。


(5)19年2月のCS(お客さま満足)向上活動報告
 (視聴者サービス局)
 19年2月のCS向上活動について報告します。
 まず、コールセンターで受け付けたご意見・お問い合わせは、およそ95,000件でした。
 土曜ドラマ「ハゲタカ」に対する反響についてです。
 「ハゲタカ」は、18年度に放送した他の「土曜ドラマ」と比較して、1回あたりの平均反響数が多いのが特徴で、多くの方々から好評を多数いただきました。反響をいただいた方の年齢層は、他の「土曜ドラマ」と大きな差は見られませんでしたが、性別では男性からの反響が多くなっています。ただし、2月17日の初回放送時には、「BGMが大きすぎて、セリフが聞こえない」というご意見を若年層も含めて多くいただきました。「ハゲタカ」では、通常のドラマと異なるドキュメンタリーのような現実味と緊迫感をもったドラマを目指し、セリフ、効果音、音楽の相乗効果により臨場感を出そうと試みましたが、視聴者のみなさまのご意見から、そうした演出意図が十分伝わらなかった部分もあったことがわかり、2回目以降の放送分について、直ちに音声関係の改善を行って放送しました。「ハゲタカ」には、「内容が良いので」、「見逃したので」という理由から再放送希望も多くいただきましたが、「放送開始時間を変更する場合は、周知をもっとしてほしい」という意見も寄せられました。
 音声については、「ハゲタカ」以外にも同様の意向が寄せられた番組もあることから、CS向上委員会で、視聴者のみなさまの意向に的確に応えていくため、(1)演出、音声、音響デザインそれぞれの担当者に視聴側に立った番組作りが重要だという共通認識が不可欠であり、(2)ドラマはセリフ、ドキュメンタリーはナレーションを大切にし、(3)送り手側の意図だけでなく一般のご家庭で「聞く」ことを想定した番組制作をこころがけていくことを確認しました。
 2月に、特に好評な意見が集中した番組は、NHKスペシャル「大化の改新 隠された真相〜飛鳥発掘調査報告」(2月2日放送)、「シリーズ 認知症 その時、あなたは」―第2回・介護の孤独を防ぐために―(2月4日再放送)、プラネットアース 第11集「青い砂漠 外洋と深海」(2月11日放送)、ハイビジョン特集「白洲正子が愛した日本人〜美の旅人・西行と明恵〜」(2月1日放送)、「瀬戸内寂聴 遺(のこ)したい言葉」(2月22日放送)、プレミアム10「サウンド・オブ・ミュージック マリアが語る一家の物語」(2月5日放送)、「ピアノ・華麗なるワンダーランドへようこそ」(2月19日放送)、「夢の美術館 世界の至宝・工芸100選」(2月11日・12日放送)、ためしてガッテン「血管の赤信号!むくみ根本改善術」(2月7日放送)などです。
 続いて、視聴者のみなさまの声などを生かした改善の件数ですが、2月は、本部2件、各局63件、合計65件でした。
 主な改善実施事例を報告します。
 本部では、降雨時に、NHKホールで開催される公開イベントにお越しいただいたみなさまのために、ホールの外側の待機通路に雨よけテントを70メートルにわたり設置しました。このテントは日よけ用としても活用することができます。
 福井放送局では、福井県の協力を得て、県が設置している中小河川のカメラ映像を、19年2月から、報道用に使用することができるようになりました。国土交通省が設置している大きな河川のカメラ映像に加えて、中小の河川の増水に対しても、よりきめ細かく、迅速に情報を伝えることができるようになります。
 次に、各放送局の「満足度向上」への取り組み事例について報告します。
 技術局では、「地上デジタル放送についてもっと知りたい」という視聴者の声に応えるため、自治会などのグループからご要望があれば直ちにおうかがいする「デジタル放送 出前セミナー」を開始しました。2月末、横浜市で実施した第1回セミナーはたいへん好評でした。
 ライツ・アーカイブスセンターでは、川口アーカイブスオープン4周年を記念したイベントを、2月3日、4日に実施しました。今年のアーカイブスの年間テーマである「にっぽんくらしの記憶」にちなみ、昭和30、40年代の暮らしをふりかえる番組上映や展示などを行い、訪れた多数の視聴者のみなさまに満足していただきました。
 また、全国54の放送局がそれぞれの地域に即したテーマを掲げて地域や社会に貢献する「チャレンジ54」を進めていくこととしていますが、その一つとして、大津放送局では、環境について楽しく考える「環境シンポジウム」を開催しました。地球温暖化をテーマに池上彰氏(「週刊こどもニュース」初代お父さん役)を講師に迎え実施したところ、「日々の生活のなかで楽しみながら環境保全活動を行っていきたい」などのご意見が寄せられ、たいへん好評でした。
 最後に、ふれあいミーティングの実施状況です。
 2月は、全国で136回開催し、参加者は3,165人でした。
 昨年12月に放送したNHKスペシャル「ワーキングプア2 努力すれば抜け出せますか」をテーマに、参加者を公募して実施したふれあいミーティングには26名の方が参加され、「他人事ではない、だれにでも起こりうる問題だ」、「解決策をぜひ番組で考えてほしい」などのご意見をいただきながら、制作者とともにこの問題を考えました。
 また、津放送局では、NHK離れが著しいといわれる若い人たちの声を聞くため、年間を通じて、三重県下の10大学と順次、ふれあいミーティングを実施してきました。ミーティングには、若手のディレクターなども参加し、番組作りの舞台裏を紹介するなどして、NHKへの理解促進に努めました。19年度は高校生にも対象を広げ、ふれあい活動を進めていくことにしています。

(会 長)  「ハゲタカ」以外にも、音声の問題については、視聴者のみなさまからさまざまなご指摘を受けているので、改めて、制作現場でしっかりチェックするようにしてください。

以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成19年 4月17日
                     会 長  橋 本 元 一   

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