日本放送協会 理事会議事録  (平成18年11月14日開催分)
平成18年12月 1日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成18年11月14日(火) 午前9時00分〜10時10分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。


付議事項

1 審議事項

(1) 第1031回経営委員会付議事項について
(2) 平成18年度後半期(19年1月〜)の国内放送番組(衛星放送)
    の編成について

2 報告事項

(1) 「日本賞」・「NHK教育フェア2006」の実施結果について
(2) 会計検査院による平成17年度決算検査の結果について


議事経過

1 審議事項
(1)第1031回経営委員会付議事項について
(秘書室)
 本日、午後に開催される第1031回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、報告事項として、「平成18年度後半期(19年1月〜)の国内放送番組(衛星放送)の編成について」と「会計検査院による平成17年度決算検査の結果について」です。
 そのほか、会長報告などを予定しています。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)平成18年度後半期(19年1月〜)の国内放送番組(衛星放送)
   の編成について
(編成局)
 国内放送番組の衛星放送3波の来年1月からの編成について審議をお願いします。
 今年の12月には、全都道府県で地上デジタル放送が開始されます。全国の地上デジタルテレビジョン放送の視聴可能世帯数は、約3,950万世帯、84%のカバー率になります。平成23年(2011年)の地上デジタル放送への完全移行に向けて放送のハイビジョン化・デジタル化が急速に進んでいます。こうした状況を踏まえ、衛星放送3波に関して、「ニューBS・あしたのテレビがここにある」を共通コンセプトとして編成の刷新図りたいと考えています。19年1月とすべての新番組が出揃う4月の2段階の改定を通して、3波それぞれの役割と個性を明確化するとともに、多様で魅力あふれる放送を実施し視聴者サービスの向上に努めていきたいと思います。
 各波それぞれのコンセプトについて説明します。
 デジタル衛星ハイビジョンは、「未来への映像遺産−文化・芸術波」として、国内外の一級の文化・芸術を積極的に紹介し、100年後を生きる世代にとっても意味を持つ映像遺産を蓄積していきます。あわせて、新たな映像文化を切り拓くチャンネルとしての役割も果たします。また、これまでハイビジョン普及の一環として、地上波で放送している一部のニュースや番組を放送してきましたが、波の個性化の観点から整理を進めたいと考えています。
 衛星第1テレビジョンは、「地球の今にダイレクトアクセス−内外情報&スポーツ波」として、ニュース・情報番組、スポーツ、ドキュメンタリーを三本柱に、日本を含めた世界の今を24時間伝えるチャンネルとして充実を図ります。また、ウェブカメラやIP通信などを活用して、世界の動きをより機動的・多角的に伝えます。
 衛星第2テレビジョンについては、「楽しさいっぱい、ふだん着のBS−娯楽&アーカイブス&難視波」として、映画・海外ドラマなどの良質なエンターテインメント番組に加え、NHKがアーカイブスとして保有してきた番組を視聴者のニーズに合わせて紹介し、身近で親しみやすいチャンネルとして視聴者の多様な関心に応えたいと思います。
 次に、新設する番組を含め具体的な番組の編成の概要について説明します。
 デジタル衛星ハイビジョンは、高品質の文化・芸術波として、3つの柱を立てています。
 まず、1つ目は「ハイビジョン特集」の拡充を図ります。デジタル衛星ハイビジョンの看板番組である「ハイビジョン特集」の放送開始時間を1時間繰り上げ、午後8時からの放送とします。具体的には、月曜日から木曜日が午後8時から午後9時50分、土曜日は午後8時から午後8時52分の放送になります。あわせて、1枠増やし、視聴者の見やすい日曜日午後7時から8時50分にも放送し、全体としていっそうの内容充実を図り、アピールできる編成とします。また、「ハイビジョン特集」の枠内シリーズとして「ハイビジョン特集 フロンティア」を新設し、随時放送します。世界の映像作家がドキュメンタリーやドラマといった従来のジャンル分けを超えて新たな映像表現に挑む作品を紹介していきます。
 2つ目は、月曜日から木曜日の夜10時台を新たな映像文化の開拓を目指す“チャレンジ・ゾーン”として、夜間編成を刷新します。新設する番組は、「アインシュタインの眼」(火曜日・午後10時〜10時45分)、「私が子どもだったころ」(水曜日・午後10時〜10時45分)、「おなじ屋根の下で」(木曜日・午後10時〜10時25分)です。「アインシュタインの眼」は、秒速の世界でプレーするスポーツ選手、ミクロ単位の技術を持つ職人など、肉眼ではとらえられない世界をウルトラハイスピードカメラなどNHKが開発した最新撮影機材で映像化し、時空を超えた新たな「眼」がモノとヒトの不思議に肉薄する番組です。「私が子どもだったころ」は、著名人の知られざる子ども時代を第一線で活躍する映像作家がドキュメンタリーとドラマを交錯させた斬新な手法で描きます。外部の才能に広く門戸を開くという意味合いもあります。「おなじ屋根の下で」は、一見平凡なひとつの家庭に、小型ハイビジョンカメラを携えたディレクターが溶け込むように入り込み、家族の心の機微をとらえる新形式のドキュメンタリーです。いずれも1月の第2週からの放送を予定しています。
 3つ目は、週末の夜を中心に第一級の文化・芸術を紹介する番組やひとつのテーマに関する映像を余すところなく堪能できる長時間番組を新設します。「ワールド・プレミアム・ライブ」(金曜日・午後8時〜9時30分)は、国内外の人気アーティストのライブを紹介し、「ウイークエンドシアター」(土曜日・午後10時〜午前2時)では、オペラやバレエなどのクラシック音楽、歌舞伎をはじめとする伝統芸能、話題の演劇など一級の芸術の魅力を紹介します。また、「夢の○○」は、土曜日あるいは日曜日に放送時間を随時設定し、美術、絶景、クラッシック音楽、世界遺産などをテーマにNHKが蓄積してきた豊富なハイビジョン映像を駆使してその魅力を余すところなく伝える長時間の豪華大全集で、第1回は1月1日、「夢の旅 にっぽん絶景百選」を放送する予定です。
 このように文化・芸術番組を中心とした番組編成をすることにより、波の個性化、その役割の明確化を図っていきます。そうした観点から、地上波と同時に放送している「NHKニュース おはよう日本」、「正午のニュース」、「NHKニュース7」や時差で放送している「ためしてガッテン」などの番組のいくつかについては編成を見直します。
 衛星第1テレビジョンは、“アジア情報”を強化する新番組「アジア クロスロード」を開始します。この番組は、月曜日から金曜日の午後4時40分から5時58分の放送とし、アジア各国のニュースと専門家や解説委員によるわかりやすい時事解説に加え、料理の紹介やゲストトークなどをまじえてバラエティー豊かにアジアの情報を伝えていきます。 また、「BS世界のドキュメンタリー」(月曜日〜金曜日・午後9時10分〜9時59分)は、週別にテーマを立てた編成をするなどいっそうの充実を図ります。
 衛星第2テレビジョンでは、視聴者がより見やすい編成にするため、月曜日から木曜日に放送している「衛星映画劇場」と「海外連続ドラマ」をそれぞれ、午後9時からと午後11時からの放送に改めます。また、多くの視聴者を魅了した「宮廷女官 チャングムの誓い」のノーカット版を1月12日から放送します。毎週金曜日の午後7時45分から全54回、字幕つきで放送し、オリジナルのチャングムをそのまま楽しんでいただきます。
 午後7時台では、「連続テレビ小説 芋たこなんきん」の再放送枠を増設し、月曜日から土曜日の午後7時30分から再放送します。また、月曜日から水曜日の午後7時45分からは、アーカイブスを活用した“蔵出しエンターテインメント”ゾーンを設けます。月曜は「ビッグショー」、1970年代に総合テレビで放送した人気番組「ビッグショー」の中から、セレクトして放送し、今も色あせない名曲、歌を堪能していただきます。火曜日は「藤沢周平ドラマ」、19年は没後10年にあたりますが、これまでNHKが放送してきた藤沢周平原作のドラマ「腕におぼえあり」や「蝉しぐれ」など珠玉の作品をアンコール放送します。水曜日は「○○劇場」、昭和の時代、テレビ史にその名を刻んだ名優やタレントの往年の至芸、名演をアーカイブスのなかから厳選し紹介します。1月は「吉永小百合劇場」を放送する予定です。
 それから、視聴者の声にこたえるアンコール番組として、「あなたのアンコール」を設けます。土曜日午後1時30分から4時、日曜日午前10時から11時54分に放送します。毎日寄せられている再放送希望のなかから、特に反響が大きかった番組を選び、いち早く放送します。番組では、視聴者のお便りなどを紹介するほか、番組づくりのエピソードや制作者の思いなども伝え、視聴者との結びつきを深めます。なお、土曜日は衛星波、日曜日は地上波のアンコールとします。
 平日深夜は若者向けの番組を編成します。火曜日午前0時からは、「十二国記」、「絶対少年」などこれまでNHKが放送してきた人気アニメ番組などをアンコール放送します。そのほか、水曜日午前0時からは「マンガノゲンバ」、木曜日午前0時からは「ウエンズデーJ−POP」を拡充するなどします。なお、4月から、これらに加え、若者向けの双方向番組を編成する予定です。
(中川理事)  衛星放送3波の編成については、「ニューBS」という新たなコンセプトのもと、来年1月に改定して、さらに4月に改定するということですが、双方にどういう違いがあるのですか。
(原田理事)  1月は年度途中ですので、3月の年度末まで継続させる定時番組があります。また、新しい番組のうち、来年1月からでは準備が整っていない番組もいくつかあります。
(中川理事)  そうすると4月まで待たないと「ニューBS」にならないということですか。
(編成局)  いいえ、来年1月から、「ニューBS」にふさわしい衛星放送3波の個性化、それぞれの波の役割の明確化を打ち出すことになります。
(中川理事)  「ニューBS・あしたのテレビがここにある」というなかの“あしたのテレビ”の意味合いを詳しく説明してください。
(編成局)  “あしたのテレビ”は、3つの波、それぞれのテレビの未来像を踏まえていると考えています。デジタル衛星ハイビジョンは新しい映像文化を切り拓いていくこと、100年後にも残るような映像資産を築くことは“あしたのテレビ”と言えると思います。衛星第1テレビでは、ウェブカメラやIP通信を活用して、地球をよりダイレクトに多角的に結んでいくという意味で、“あしたのテレビ”と形容できると思います。衛星第2テレビジョンでは、若者向けの双方向番組を4月から新たなにスタートさせます。インターネットなどによってパフォーマンスや自己表現を募り、番組を通じてそうしたものを発信していくことにより、視聴者が作る新しいテレビにもつながっていくと考えています。
(中川理事)  衛星第2テレビジョンは、再放送やアーカイブス番組の枠が多いように思います。過去のいい番組を編成することも必要ですが、「ニューBS」として刷新を図る機会に、これまであまり衛星放送をご覧いただいていない視聴者のみなさんを新たに開拓するという意味で、もっと新規番組を編成し、幅広い人たちの関心に応えるようにしたほうがいいのではないかと思います。4月改定ではもっと新しさを出してほしいと思います。
(副会長)  衛星第2テレビジョンの「衛星映画劇場」や「海外連続ドラマ」についてですが、アメリカやイギリスの作品が多いと感じています。最近、国際映画祭などで紹介される映画には、フィンランドやスペイン制作の作品で質の高いものがあります。そうした作品のなかには、モラルや心の問題などをテーマにした深いものがありますので、放送権の契約上の問題もあると思いますが、英国圏以外の作品も放送できるように検討してみてください。
(原田理事)  映画については、海外の作品だけではなく日本の映画も積極的に放送しています。第一級の映画監督の作品を集中的に編成するなどしてきています。
(小野理事)  デジタル衛星ハイビジョンを文化・芸術波と位置づけるのは賛成ですが、視聴者のみなさんが番組時刻表を見たときその特徴が伝わりにくいという印象があります。「ハイビジョン特集」、「ハイビジョン秀作選」などが、番組時刻表上大きな面積を占めているので、内容をどう印象づけるかが課題だと思います。以前、「ハイビジョン特集」について、曜日ごとに文化・芸術、エンターテインメント、ネイチャーなどと分けたこともあったと思うのですが。
(編成局)  衛星放送3波は、地上波と比べ、日常的にもかなり特集編成的なところがあるので、定時の番組時刻表を見ただけでは、なかなか具体的なイメージがわきにくいということがあります。ご指摘のように、曜日別に、たとえば、月曜日は自然もの、火曜日は文化・芸術などとしていたこともあります。今はどちらかというと、今週は5日続けて自然ものを並べるとか、来週は世界の画家の特集をするなど、1週間単位で括るような編成をすることも多いので、番組時刻表を見たときにわかりにくい印象がありますので、見せ方については一考する必要があると思います。
(原田理事)  「ハイビジョン特集」について主なジャンルを書き込み、内容を印象づけることも必要だと思います。
(小林理事)  デジタル衛星ハイビジョンは文化・芸術波ということですが、必ずしも文化・芸術番組だけではなくネイチャーとかエンターテインメントなどの番組もあります。若い人たちは、むしろ、そうした番組のほうがとっつきやすいと思います。また、衛星第2テレビジョンで4月から若者向けの番組を編成すると言っていることもあり、デジタル衛星ハイビジョンが逆に堅いイメージでとられる危険性があるので、そこをどうアピールするかという課題があると思います。
(金田理事)  デジタル衛星ハイビジョンを高品質の文化・芸術波とし、NHKならではの番組を編成していくというねらいは確かにいいのですが、一方でこうした教養主義になじめない人たちもいると思います。エスタブリッシュされたものでなく、たとえば、未来を担う若者たちが今まさに作り出そうとしているムーブメントに、NHKが関与して、なにか新しいものを生み出していくような番組、さきほど説明のあった“チャレンジ・ゾーン”などに相当規模こうした人たちを引き入れて、NHKが変わったぞと見えるような方向にすることも必要だと思います。
(原田理事)  そうした挑戦的な番組も取り入れ、活性化を図るよう努力したいと思います。
(西山理事)  デジタル化・ハイビジョン化はもうあたり前のことになりつつあるなかで、デジタル衛星ハイビジョン波の担う役割として、新しい映像文化の開拓という説明がありました。「アインシュタインの眼」などを通じて、今までにない新しいことをどう表現していくのかについて、上手にこの波を活用してほしいと思います。
(会 長)  原案を決定したいと思います。衛星放送の新しい姿を視聴者のみなさんに理解していただけるように、あらゆる工夫をしてもらいたいと思います。また、今、さまざまな意見がでましたが、これらを十分参考にし、来年4月の改定に向けてさらに磨き上げてほしいと思います。

2 報告事項
(1)「日本賞」・「NHK教育フェア2006」の実施結果について
(編成局)
 「日本賞」と「NHK教育フェア2006」を10月24日から11月5日まで実施しましたので、その実施結果の概要について報告します。
 まず、「日本賞」についてです。30か国から152人(審査委員17人を含む)が参加し、応募作品は、番組部門に189作品、ウェブ部門に23作品、番組企画部門に68作品の合計280作品が寄せられました。応募数は過去最高でした。
 次に、受賞番組を報告します。番組部門では、「グランプリ・日本賞」および「文部科学大臣賞」にカナダの制作アパートメント11プロダクションが制作した「ブレインダメーぢ」、「総務大臣賞」にブラジル、ホケッチ・ピント教育放送協会制作の「ヤンチャぼうや・ぼくがなべをかぶったわけ」、「外務大臣賞」にカナダ、オムニ・フィルム・プロダクションカナダ放送協会 (CBC)制作の「声を上げて世界を変えよう」、「東京都知事賞」にインド、レオアーツ・コミュニケーション制作の「さらけ出して、あの日あの時」、「国際交流基金理事長賞」にデンマーク、デンマーク放送協会制作の「残された日々」、「ユニセフ賞」にデンマークとオランダ、スポール・メディア キリスト教放送(KRO)制作の「和解に向かって」、「前田賞」にコロンビア、コロンビア国立大学テレビ他制作の「俺たちに仕事と夢を!」がそれぞれ選ばれました。ウェブ部門では、「最優秀ウェブ賞」にアメリカのKCET ロサンゼルスが制作した「子どもの居場所」、番組企画部門では、「HBF(放送文化基金)賞」にインド、ハラカラ・メディアが提案した「ひとりで教えるスーパー授業」、「日本ユネスコ協会連盟賞」にナミビア、ナミビア放送協会(NBC)提案の「名前を書きたい」が選ばれました。
 このうち、「ブレインダメーぢ」は、タイトルが奇異に感じられますが、ダメージという英単語の部分がもともと正しいスペルではありません。番組タイトルのニュアンスを出すため、日本語タイトルを作り変えています。内容は、コール・アドラーさんという方が、交通事故により頭に大きなダメージを負いましたが、その後10年間にわたるリハビリの記録を描いています。脳の医学的な解説やアドラーさんを支える両親、友達のインタビューなどを交えて、今までのリハビリの記録とはまったく違う非常に斬新な番組になっています。
 授賞式は、10月30日、放送センター101スタジオで、皇太子殿下ご臨席のもと、関係者総勢364人が出席し行われました。
 「日本賞」関連の主な番組の放送については、10月29日、「これが世界の教育番組だ」を放送し、参加作品から見た世界の教育番組の潮流と教育の課題を紹介しました。また、10月31日から3夜連続で放送した「第33回日本賞受賞番組紹介」では番組部門受賞4作品の日本語版をノーカットで紹介しました。そのほか、「日本賞審査員が語る 私の国の教育番組」で世界の最新の教育番組の動向を紹介するなどしました。
 次に、11月2日から11月5日まで実施した公開イベント「NHK 秋のふれあい広場」について報告します。
 放送センター正面玄関ロビーでは、「くらしワークショップ」、「学びのストリート」など8つのゾーンわけを行い、幼児、子ども、若者向け番組、福祉、趣味実用番組など、教育テレビの番組の多彩さを紹介しました。また、正面玄関中央メインステージを設けて、「どかーんと生中継教育フェア2006」、「親と子のTVスクール」、「おしゃれ工房」の公開生放送や収録を実施しました。
屋外ステージでは、「いないいないばあっ!」、「忍たま乱太郎」など、幼児・子ども連れのファミリー向け番組の人気キャラクター・ショーを12ステージ実施しました。
 みんなの広場・ふれあいホールでは、「日本賞」の関連事業として「第7回NHKアジア・フィルムフェスティバル」を開催し、イスラエル、インド、中国などの5作品を上映しました。
 スタジオパーク・パークギャラリーでは、「ウェルカムスタジオ ワンワンとの記念撮影会」や「NHKファミリー放送体験クラブ」を実施しました。
 そのほか、同時開催イベントとして、NHKホールでは「おかあさんといっしょファミリーコンサート」なども開催しました。
 総入場者数は、4日間で86,765人でした。昨年より約2万人増加しました。増えた理由は、イベント内容そのものがシンプルで子どもから大人までわかりやすい内容であったことに加えて、イベントと生放送とがうまく相乗効果を発揮したのではないかと思います。
 10月28日から11月5日までは、教育テレビを中心に特別編成を行いました。展示会場からの生放送、「日本賞」関連番組、「ETVワイド」
などのほか、定時番組スペシャルやニュース、広報番組も含めて、NHKの教育をテーマに集中的に編成しました。
 最後に、アジア教育プロデューサー会議について報告します。今年は、5回目になりましたが、中国(CCTV)、韓国(EBS)、マレーシア(RTM)、ベトナム(VTV)、モンゴル(MNPRTV)のアジアの放送機関とNHKの教育番組プロデューサーなど11人が集い、10月26日から30日にかけて会議を行いました。今回は、「ABU未来への航海」(ABU(アジア太平洋放送連合)が主催する環境教育イベント。NHKが事務局を務め、2005年、2007年、2009年に開催)の2007年のテーマである「砂漠化」や「放送が環境教育に果たすべき役割」、「国際共同制作のあり方」などについて議論しました。
(中川理事)  今回の「日本賞」を実施して、事実関係の結果だけではなく、今後の教育番組の制作にどう生かすのか、あるいは国際的な教育番組の潮流がどういうところにポイントがあり、今何が求められているのかというさまざまな視点から次回にどうつないでいくのかという総括もしてほしいと思います。来年度以降そういうことも視野に入れてお願いしたいと思います。
(西山理事)  「日本賞」について改革を図っていくという提案が以前ありましたが、今回の「日本賞」はその改革への足がかりになったのですか。
(編成局)  今回の「日本賞」を踏まえ、来年6月までには新しい案を出そうと進めています。来年の「日本賞」に「こういう方針に変えたい」という発表をし、教育テレビ50周年の平成20年に向け、番組を募集していきたいと考えています。

(2)会計検査院による平成17年度決算検査の結果について
(衣奈理事)
 会計検査院による平成17年度決算検査報告が、11月10日、内閣総理大臣に提出されましたので報告します。NHKに関する報告は2点です。
 1点目は、不当事項として、「職員の不正行為による損害が生じたもの」です。スポーツ報道番組の制作に当たる元チーフ・プロデューサーが、本部および札幌放送局において、平成12年10月から18年4月までの間に、不正に旅費等を受領し、NHKに損害を与えたというものです。損害額19,959,846円については、平成18年7月までに、全額が同人から返納されています。なお、会計検査院は、NHKにおける内部統制の実効性が確保されているかに留意しつつ、番組制作費、旅費等の会計経理が適切に処理されているか、引き続き検査していくこととしています。
 2点目は、処置済事項として、「事業所等におけるテレビジョン受信機の設置状況を適切に把握するなどして、受信契約の締結を促進するよう改善させたもの」です。国の機関やホテルなどの事業所の受信契約業務に関するもので、NHKは、事業所契約に当たり、テレビの設置状況を調査するなどして契約を締結していますが、国の機関などについては、テレビ調査票の記載内容が十分でないなど、テレビの設置状況を的確に把握しているとはいえない状況となっていました。また、ホテルについては、5つのホテルグループに属する128ホテルについて、公表されている数の客室にすべてテレビが設置されていると仮定して、契約率を試算したところ、各ホテルグループごとの契約率には最大で80ポイント以上の差がある状況となっていました。そこで、事業所契約に関し、業務の改善を図る必要があるとされ、NHKは、18年7月以降、1事業所契約について、法人営業センターと地方放送局との間の担当区分を明確化し、2テレビ調査票の標準的な書式を定めるとともに、担当者会議を開催するなどして、テレビ調査票の記載依頼を適切に行うよう周知徹底を図り、3ホテルについては、契約率の低いホテルグループについて法人営業センターが計画的に対応するとともに、その他のホテルについても法人営業センターの指導により統一的な取組を行なうなど、指摘に対する改善の処置を講じた結果、処置済みの事項として報告されました。

以上で付議事項を終了した。

上記のとおり確認した。
      平成18年11月28日
                     会 長  橋 本 元 一   

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