日本放送協会 理事会議事録  (平成18年10月30日開催分)
平成18年11月24日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成18年10月30日(月) 午前9時00分〜9時25分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。


付議事項

1 報告事項

(1)	監査結果報告
(2)	18年9月のCS向上活動報告
(3)	放送番組審議会議事録

議事経過

1 報告事項
(1) 監査結果報告
(監査室)
 近畿地方6放送局と北海道地方7放送局の監査結果の概要を報告します。近畿については、8月下旬から9月上旬にかけて、また、北海道については、9月上旬から10月上旬にかけて、監査を実施しました。
 大阪放送局では、地域放送番組として、今年で7年目を迎えた金曜日午後7時30分の「関西クローズアップ」が、幅広いテーマをタイムリーに伝えています。17年9月の「岡田阪神 2年目の飛躍」や18年1月の住宅の耐震化問題を取り上げた「木造住宅は大丈夫?」が好評でした。全国放送番組の「その時 歴史が動いた」は、17年12月に放送した「赤穂浪士 討ち入り組VS討ち入り不参加組」など、地上デジタルの双方向機を生かした視聴者参加の新しい歴史番組にも取り組んでいます。「赤穂浪士」は第14回橋田壽賀子賞を受賞しました。また、現代史や女性史などにもテーマを広げ、「シリーズ日本の独立 その光と影〜吉田茂とサンフランシスコ講和条約」、「大奥 悲しみの果てに〜徳川家宣正室 天英院熙子」を放送しました。
 次に、緊急報道・災害報道についてです。首都直下型大地震時の本部放送センターの代替機能強化として、BS・CS衛星を使用した送出訓練などを行っていますが、本部にしかない機能・設備の大阪放送局への分散配置や、東京に集中している中央省庁の重要情報やライフライン情報をどこで得て発信するのかが課題となっています。また、南海・東南海地震については、取材体制の整備・強化が課題となっています。
 京都放送局は、「ニュース610 京いちにち」と「京都ニュース845」が全面府域放送となって2年目を迎えました。「ニュース610 京いちにち」は、“京のええとこ連れてって”のコーナーを新設し、より親しまれる番組として定着を目指しています。「京都ニュース845」は、夕方の地域ニュースを見ることができないサラリーマン層などの関心が高く、「一日の動きがコンパクトにまとめられ、よく分かる」という評価を受けています。また、京都の魅力を「知るを楽しむ」や「趣味悠々」など全国放送の定時番組で紹介し、「ハイビジョン特集」などにつなげています。
 17年度、「ハートプラザ」の見学コースやギャラリーを整備し、放送で利用を呼びかけたりした結果、来館者が前年の3倍以上に増加しました。
 神戸放送局は、午後6時台の地域情報番組「ニュースKOBE発」で“兵庫のきょうがわかる”をコンセプトに、ニュースやリポートのほか、“とっておき兵庫”や“カフェトアステーション”などを伝えています。毎週月曜日には、“震災メッセージ”のコーナーを設け、阪神・淡路大震災の教訓や復興への課題をインタビューで伝え、平成15年4月から、放送回数は160回を超えました。全国放送では、阪神・淡路大震災から11年目にあたる18年1月、NHKスペシャル「活断層列島〜リスクが足元に迫っている」やクローズアップ現代「大丈夫ですか?あなたの家〜木造住宅・進まぬ耐震化」で防災への備えを訴えています。
 和歌山放送局では、午後6時台の地域情報番組「わかやまNEWSウェーブ」で、18年度、障害のある人たちの前向きな生き方を描く“チャレンジド”、さまざまな災害への取り組みを紹介する“防災ファイル”など新コーナーを設け、充実を図っています。南海・東南海地震による津波に備えて、ロボットカメラを増設するなど設備の充実を進めています。また、18年3月の会館公開では、「風のハルカ」出演者のトークショー、アナウンサーやキャスターによるスタジオ紹介、記念フォトサービスを行うなどをした結果、1,400人が来館しました。
 奈良放送局は、18年4月から、午後6時台の地域情報番組を「ならナビ」と改め、より地域に密着し、親しまれる放送サービスに努めています。この時間帯に、16年11月の女児誘拐殺人事件から1年が経過した17年11月、子どもの安全、子育てなどを考える取り組みを伝える「なら・こどもキャンペーン」をはじめ、特集番組も放送しました。視聴者からは「キャンペーンをずっと見ている。子どもたちの遊びの環境についても取り上げてほしい」などの反響が寄せられています。
 大津放送局は、午後6時台の地域情報番組「おうみ610」を放送サービスの柱とし、18年度、大規模災害への備えや子どもの安全に関する情報を伝える“くらし安心ファイル”や県内外で活躍する滋賀県人を紹介する“おうみ人街道”を新設しました。18年7月には、新幹線新駅建設の凍結問題で注目されている滋賀県の嘉田新知事の県議会での所信表明を生中継しました。併せて金曜午後8時台でも、県域の特集番組「動き出した嘉田県政〜滋賀県のこれから」を放送し、視聴者の関心に応えました。全国放送では、17年10月放送のNHKスペシャル「ディープインパクト〜無敗の三冠馬はこうして生まれた」や18年3月放送のハイビジョンふるさと発「四季・沖島〜琵琶湖の島で暮らす人びと」が好評でした。
 次に、コンプライアンス活動と適正経理の取り組みについて報告します。
 大阪放送局では、経理担当者が経費支出の伺いを事前にチェックするなど企画総務室が中心となって、適正な処理に努めています。また、各放送局では公金意識や放送倫理の徹底を図っています。
 証ひょう類の調査では、タクシー券に必要事項が記入されていない場合や出張報告書の提出遅延などが見られましたので、改善を要望しています。
 続いて北海道地方の7放送局についてです。
 札幌放送局は、夕方の地域情報番組「ほくほくテレビ」の放送開始時間を17年10月から、今までの午後3時45分から午後5時10分に変更しました。道内7局のネットワークを活用して、5時台は料理やタウン情報、6時台はニュースを中心にコンパクトな構成とし、視聴者からも見やすくなったとの声が寄せられ、視聴率も上昇しています。金曜夜7時30分からは、北海道が抱える課題を視聴者とともに考える「ホンネで北海道」をはじめ、「北海道スペシャル」、「北海道クローズアップ」、「北海道ひと物語」、「北海道中ひざくりげ」の5つの番組を柔軟に編成し、視聴者の多様なニーズに応えています。
 今年の夏の全国高校野球選手権大会で、「駒大苫小牧高校」と「早稲田実業」との決勝戦と引き分け再試合を、2日連続して、深夜1時過ぎから北海道ブロックの総合テレビで再放送しました。9月27日には、プロ野球パ・リーグのレギュラーシーズン1位を決める「日本ハム」対「ソフトバンク」の試合を、通常の編成を変更して、北海道ブロックの総合テレビで午後7時30分から放送し、視聴者のニーズに的確に応えています。
 函館放送局は、17年12月、延べ5時間の年末特集番組「どどんと道南スペシャル」を函館地方で放送したほか、18年度、金曜午後6時30分から放送している地域情報番組「ニュースぱれっと」にキャスターが事前取材や予告なしに道南各地を訪ねる“旅コーナー”を新設するなど、地域密着の情報発信に努めています。全国放送では、18年1月、教育テレビで「福祉ネットワーク 最期まで“我が家”で」を放送しました。29年前に函館市郊外に設立された特別養護老人ホーム「旭ヶ岡の家」には、キッチン付きの個室や美容室まであり、入居者が毎日の生活を豊かに過ごす工夫がこらされています。老人ケアのあり方を考える番組として、総合テレビでの再放送の希望などがありました。
 旭川放送局は、夕方の地域情報番組「ほくほくテレビ ニュースあさひかわ」で、「余剰米対策」や「観光客とホテル競争」など地域経済活性化につながるテーマに力を入れています。全国放送では、18年9月放送のプロフェッショナル 仕事の流儀「医者は人生を手術する〜脳神経外科医・上山博康」をはじめ、17年11月放送のプロジェクトX「旭山動物園ペンギン翔(と)ぶ〜閉園からの復活」、18年6月放送のダーウィンが来た!生きもの新伝説「モモンガ驚きエコ生活」など地域で活躍する人物や、サロベツ原野など道北の自然を全国に発信しています。
 帯広放送局は、今年の11月、開局70周年を迎えます。“日本の食糧基地・十勝”にある放送局としてニュース・番組を積極的に発信しています。全国放送では、17年8月放送の「ごちそう賛歌 北の風土が育(はぐく)む酪農家のナチュラルチーズ」や17年10月放送の「たべもの新世紀 白く輝け ゆり根〜北海道忠類村」などを放送しました。18年4月に廃止された北海道ちほく高原鉄道の最後の冬を記録した「にっぽん紀行〜ふるさと銀河線最後の冬」を今年3月に放送し、たいへん好評でした。また、帯広市で実施される「NHKアイスホッケー大会〜小中学校の部決勝」や、足寄町での「小中学校選抜全十勝スピードスケート大会」を帯広地方で毎年中継放送し、地元の期待に応えています。
 釧路放送局は、札幌放送局と共同で、NHKスペシャル「ユリばあちゃんの岬」を17年11月に放送しました。秘境知床岬で、たった一人昆布を取って暮らす79歳の女性の日常を半年間にわたり取材し、大自然のなかで生きる人間と厳しい自然との共生を描きました。
 また19年10月の地上デジタル放送開局に向け、北海道で唯一、民放と共同でデジタル親局を建設中で、19年6月に完成する見込みです。NHKの単独建設に比べて、経費を大幅に削減しました。
 北見放送局は、トリノオリンピックで人気となった女子カーリングの選手3人が北見市(旧常呂町)出身だったことから、オリンピック代表決定戦やトリノ大会での活躍、地元の応援、人気の秘密、帰国後の様子などを全国放送等で伝えました。17年の大みそかに北見局が初めて参加した「ゆく年くる年」では、地元の人たちが楽しむ“年越しカーリング”を中継しました。
 世界遺産に登録された知床の魅力を全国に伝えるとともに、大きな問題となっている環境保全についても継続して発信しています。
 室蘭放送局は、17年度、午後6時台の地域情報番組「いぶりDAYひだか」で地域の話題を丁寧に紹介し、300本以上のリポートを放送しました。全国放送では、17年11月、ハイビジョンふるさと発「カマイルカの楽園〜噴火湾 生命の海」を放送し、カマイルカの詳しい生態やイワシが噴水のように吹き上がるシーンなど学術的に貴重な映像を撮影し、海外の専門家から高い評価を受ました。18年6月には、NHKネットワーク54「未来へ伝えたい〜萱野茂さんのメッセージ」を放送し、アイヌ民族の伝統を守る活動を続け、アイヌ語辞典など著した萱野さんの足跡を描き、モニターのみなさんから支持を集めました。
 最後に、コンプライアンス活動と適正経理の取り組みについて報告します。
 札幌放送局は、18年4月に会議などの出張を求める依頼文書の出張報告書への添付や、複数の管理者による出退勤承認時の確認など、不祥事の再発防止策を職員に周知・徹底しました。旭川放送局では、記者全員が勤務とタクシー使用状況を月間一覧表として提出するなど、より適正な管理に取り組んでいます。各放送局でもスタッフを含め全職員が参加し、各部で毎月コンプライアンスについての考えや学習内容を発表するなどさまざまな取り組みを行っています。

(2) 18年9月のCS向上活動報告
(視聴者サービス局)
 9月のCS向上活動について報告します。
 9月のコールセンターの受付データ状況は99,446件でした。
 また、9月にいただいた再放送希望は11,467件で、特に「ハイビジョン特集」や「ためしてガッテン」などへのリクエストが目立ちましました。ハイビジョン特集のなかでも、「世界最大のカブトムシ・ヘラクレスを追う〜昆虫写真家・栗林慧のエクアドル紀行〜」(9月4日放送)への再放送希望が特に多くありました。
 また今回、コールセンターで独自に「再放送希望」の事由別の調査を行ったところ、「NHKスペシャル」については、「番組を見逃したので」「番組の内容が良いので」という理由が最も多く、「ハイビジョン特集」では、「他の波で再放送して欲しい」という声が一番多いことがわかりました。こういった調査データは今後の編成などにも役立つと思いますので、当面続けていこうと考えています。
 次に、特に好評な意見が集中した番組は、連続テレビ小説「純情きらり」(4月3日〜9月30日放送)、NHKスペシャル「密着“ポスト小泉”の300日〜ドキュメント自民党総裁選 〜」(9月3日放送)、ためしてガッテン「放送500回記念(2)糖尿病!衝撃の新事実」(9月6日放送)、生活ほっとモーニング「ここまで来た!リハビリ」(9月20日放送)、プロフェッショナル 仕事の流儀「医者は人生を手術する〜脳神経外科医・上山博康〜」(9月14日放送)、ハイビジョン特集「世界最大のカブトムシ・ヘラクレスを追う〜昆虫写真家・栗林慧のエクアドル紀行〜」(9月4日放送)、「海鳥と妻と〜北海道 礼文島〜」(GTV 9月18日放送)、「吉田拓郎&かぐや姫 @n つま恋 2006」(BSHV 9月23日放送)、探検ロマン世界遺産スペシャル「エルサレム・34億人の聖都」(GTV 9月23日放送)、「あの夏〜60年目の恋文〜」(GTV 9月16日放送:8月8日放送のハイビジョン特集を再編集)などとなっています。
 次にふれあいミーティングの実施状況について報告します。
 9月は、全国で195回開催し、参加者は3,513人でした。特に、反響の大きかったNHKスペシャル「ワーキングプア〜働いても働いても豊かになれない〜」をテーマにしたふれあいミーティングを公募で実施しましたところ、路上生活者へのボランティアを続けているご夫婦や高校の先生、医学部の学生の方など様々な立場の方21名にご参加いただき、番組制作者と、何ができるか、何をすべきかを2時間半にわたって真剣に語り合いました。その際、参加いただいた多くの方から「今後もNHK番組に期待する」旨の強いご支援の声をいただきました。今後も、このような形で制作者と視聴者のみなさんが「放送番組」を核として共に考える場を積極的に作っていきたいと考えています。
 また、半年前に放送が終了している「風のハルカ」ですが、朝の連続テレビ小説として初めてホームページに公式掲示板を開設したところ、その掲示板を通じた交流が番組終了後も継続し、その登録者150名のうちの30名と、ミーティングを開催しました。ホームページを通じ、視聴者のみなさんとの強固なつながりを作っていく新しい可能性を示したものではないかと注目しています。
 続いて、視聴者のみなさんの声などを生かして改善を行った改善件数は、本部54件、各局84件、合計138件でした。
 おもな改善実施事例を報告します。
 視聴者のみなさんから、携帯電話のNHK携帯サイトについて、もっと多くの番組の情報が知りたい、また、着信メロディーや番組DVDなどの情報を載せてほしいというご要望を多数いただいていましたので、10月1日から大幅に改善しました。
 番組サイトをこれまでの61番組から440番組へ増やし、番組の内容や出演者、1週間先までの放送予定等を掲載しました。また、ジャンル別検索、50音順検索を新設し、利便性を向上させました。番組の予告ムービーも提供しています。着メロやDVD、テキストなどの情報もそれらを扱っているNHKの関連団体のホームページにリンクして、容易に情報入手できるようにしました。
 宮崎放送局では、台風被害の大きかった地域で「ふれあいミーティング」を実施したところ、「一過性の放送ではなく、長期にわたって地域を取材し放送して欲しい」という声を多くいただきました。このご意見を活かす形で、被害後1ヶ月、3ヶ月、半年と、節目の都度に夕方の地域情報番組で復興の状況や課題などを伝えるとともに、1年後にあたる9月15日には、九州沖縄スペシャル「この村で生きる〜宮崎・椎葉村 台風被害と闘った1年」の放送に結びつけました。
 高知放送局では昨年度、今後予想される南海地震に関する情報、被害防止に役立つ情報を夕方の情報番組「南海地震ひとくちメモ」のコーナーで放送していましたが、この内容を18年度に入って小冊子にまとめ、自治体や地域の自主防災グループなどに配布しています。ビジュアルな内容がたいへん好評で、県民の防災学習会などにも役立てていただいています。
 最後に、各局の「満足度向上」への取り組みについて報告します。
 本部ではNHKホールに新たに5台分の「身障者用駐車スペース」を増設しました。従来の場所は、移動するのに若干の距離がありましたが、新しい駐車スペースはNHKホールに隣接しており、ほとんど移動距離がなくなりました。またあわせて、車イス用のゆるやかな勾配スロープも増設しました。
 札幌放送局では、9月27日、プロ野球パ・リーグのレギュラーシーズン1位を決める「日本ハム」対「ソフトバンク」の試合をBS1による全国放送に加えて、総合テレビで午後7時30分から北海道ブロックで放送しました。この措置については視聴者のみなさんから大変多くの感謝の声をいただきました。
(副会長)  再放送希望についての分類の仕方が詳しくなって、視聴者の意向がより分かりやすくなりました。
(原田理事)  再放送希望の事由別は興味深く、放送現場として大変参考になります。
(会 長)  この種のデータは我々の活動の拠りどころとなるものなので、大事に扱ってください。

(3) 放送番組審議会議事録
 編成局および国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会、全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州、東北、北海道、四国)の平成18年9月開催分の議事録についての報告。
(注1:放送番組審議会の内容)

注1: 放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。
以上で付議事項を終了した。

上記のとおり確認した。
      平成18年11月21日
                     会 長  橋 本 元 一   

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