日本放送協会 理事会議事録(平成18年 5月22日開催分) 
平成18年 6月 9日(金)公表

<会 議 の 名 称> 
  理 事 会 
<会  議  日  時>
  平成18年 5月22日(火) 午前9時00分〜10時00分
  
<出   席   者>
橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、中川理事、
小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事

古閑監事、坂野監事

<場         所>
放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項

(1)平成17年度業務報告書について

(2)平成17年度決算について

2 報告事項

(1)「視聴者サービス報告書」(視聴者白書)の発行について

(2)平成18年4月全国個人視聴率調査の結果について

議事経過

1 審議事項

(1)平成17年度業務報告書について
(総合企画室)
 平成17年度業務報告書について審議をお願いします。
 業務報告書は、放送法38条の規定に基づき、NHKが各年度に行っ
た業務の内容をとりまとめ、事業年度経過後2か月以内に総務大臣に提
出することになっています。本日、了承されれば、5月23日の経営委
員会に諮り、審議、議決を得たうえで、監事の意見書を添えて、決算と
あわせて5月31日までに総務大臣に提出する予定です。
 本文は11の章からなっており、内容は国内放送、国際放送をはじめ、
調査研究、営業および受信関係業務、視聴者関係業務、放送設備の建設
改修、業務組織、財政の現況、子会社等の概要等、平成17年度業務全
般にわたって記述しています。
 なお、業務報告書(監事の意見書を含む)は、情報公開の一環として、
全国の放送局、支局、営業センターに備え置くほか、NHKホームペー
ジにも全文を掲載します。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることにします。


(2)平成17年度決算について
(経理局)
 平成17年度決算について審議をお願いします。
 17年度決算に関して、予算総則の適用等についてはすでに理事会、
経営委員会ともに説明していますが、最終的に数字が確定しましたので
お諮りします。本日、了承されれば、5月23日の経営委員会で審議、
議決を得たうえで、放送法第40条第1項に基づき、監事の意見書を添
えて、業務報告書とあわせ、総務大臣に提出する予定です。なお、この
決算は、放送法第40条第2項、第3項に基づき、会計検査院の検査を
経て国会の審議に委ねられます。
 事業収入は、受信料収入が放送受信契約件数の減少や16年度下半期
以降増加した未収の影響などにより、16年度と比較して385億円の
減収となる一方、その他の収入が固定資産売却益の増加などにより、6
2億円の増収となり、事業収入全体では、前年度6,667億円に対し、
323億円減収の6,343億円となりました。また、予算額との比較で
は、受信料収入が454億円不足したこと等により、事業収入が384
億円の不足となっています。
 事業支出は6,300億円で、地上デジタル放送設備への投資等により
減価償却費等が28億円増加となりましたが、事業運営費が設備経費や
管理間接経費等を抜本的に見直すとともに効率的な番組制作に努めたこ
と、役員報酬や職員給与のカットおよび要員削減等により対前年度比3
20億円の減少となり、事業支出全体では前年度6,592億円に対して
291億円減少させることができました。予算額と比較では390億円
の予算残となっています。
 事業収支差金は43億円で、このうち37億円は債務償還に充当し、
残る5億円を翌年度以降に繰り越しています。
 なお、17年度決算についての資料は、全国の放送局、支局、営業セ
ンターに備え置くほか、NHKホームページにも全文を掲載します。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることにします。


2 報告事項

(1)「視聴者サービス報告書」(視聴者白書)の発行について
(視聴者総局)
 「みなさまの声にお応えして NHK視聴者サービス報告書2005」
について報告します。
 NHKは、視聴者のみなさまからいただいたご意見やご要望を放送や
経営に的確に反映させるため、CS(お客さま満足)向上活動などに積
極的に取り組んでいます。この報告書は、視聴者のみなさまの声やNH
Kの視聴者のみなさまとの交流活動などをわかりやすくとりまとめたも
のです。
 内容は大きく3つに分かれています。
 ひとつは、視聴者のみなさまからのどのようなご意向が寄せられたの
かについてです。17年度にNHKに寄せられたご意見、お問い合わせ
等は約731万件でした。ご意向の内容は、終戦60年企画「NHKス
ペシャル」や「紅白歌合戦」などの放送番組に関するものをはじめ、受
信料関係、経営関係、デジタル放送等の受信関係、不祥事に関するもの
等さまざまで、視聴者のみなさまの主なご意向を具体的に記載しました。
 二つ目は、NHKは視聴者のみなさまとどのように向き合い、また、
どのような取り組みをしたのかについてです。
 視聴者のみなさまとの結びつきをより深めるための活動として、「N
HKふれあいミーティング」、「NHKハートプラザ」、「CS(お客さま
満足)向上活動」などを詳しく紹介するとともに、視聴者コールセンタ
ーや情報公開・個人情報保護の取り組みもわかりやすく記載しています。
 三つ目は、視聴者のみなさまのご意向に応えた改革・改善事例につい
てです。
 視聴者のみなさまの声を反映して改善した事例は、この1年間で56
9件ありました。たとえば、地震速報画面について、視聴者のみなさま
から地震速報スーパーが元の画面の文字と重なって読みにくいというご
意見が多数寄せられていました。そこで、その時放送している番組をそ
のまま縮小して画面を逆L字型のスペースを作り、そこにスーパーを表
示するように工夫を重ね、速報スーパー、元の番組画面ともに見やすく
改善しました。そのほか、全国に53あるNHKの各放送局の改善事例
なども紹介しています。
 この冊子は、全国のNHKの各放送局に備え置き、視聴者のみなさま
にご覧いただけるようにしています。

(会 長)  視聴者のみなさんに、この冊子を配布するのですか。
(視聴者総局)ご希望の方には、郵送料のみいただき、無料でお分けい
      たします。
(副会長)  この冊子は、文字も読みやすく、写真なども多く使って
      いますので、たいへん見やすく仕上がったように思いま
      す。

(2)平成18年4月全国個人視聴率調査の結果について
(放送文化研究所)
 4月の全国個人視聴率調査の結果について報告します。
 調査は4月17日(月)から23日(日)までの1週間、全国7歳以上
の3,600人を対象に、配付回収法による24時間時刻目盛り日記式(個
人単位)で実施し、有効数は2,315人、有効率は64.3%でした。
なお、この調査による1%あたりの視聴者数は118万人です。
 4月に全国個人視聴率調査を実施するのは、今回で3回目です。前回
までは4月の第1週に調査を実施していましたが、今回は第3週としま
した。4月の第1週は、民放テレビの夜間の番組編成が特殊で、特別番
組を多数放送するという事情がありますので、今回は通常編成時のデー
タを調査するため、第3週に変更しました。
 また、今回の調査の有効サンプル構成について、7歳から12歳まで
のサンプル数が少なく、誤差が非常に大きいため、この年代については
参考値ということにしています。
 まず、テレビ視聴の概況について説明します。
 NHKと民放を合わせた1日のテレビ視聴時間は、3時間56分でし
た。内訳は、NHKが1時間1分、民放は2時間55分となっています。
視聴時間の傾向はほとんど変化していません。男女年層別の特徴では、
NHKを長時間見ていただいているのは男女60歳以上が中心で、これ
についても従来どおりの状況です。
 平日の総合テレビの30分ごとの平均視聴率の特徴は、昨年に比べて、
午後8時台後半が高くなっている一方、午前7時30分から8時までと
午後10時台が低くなっています。
次に、1週間に少しでもそのチャンネルを見た人の割合である週間接
触者率についてです。総合テレビの週間接触者率は61.8%で、昨年
と同程度でした。NHKのテレビ全体では70.3%、ラジオを入れた
NHKの8波全体では72.8%でした。
男女年層別の週間接触者率についても、すべての年層で昨年と同レベ
ルになっています。
 続いて、主な番組について報告します。
 平日の「NHKニュースおはよう日本」の視聴率は、6時台前半は5.
8%、6時台後半は7.9%、7時台が8.9%でした。6時台前半後半と
もに男性60代以上と70歳以上に、7時台は男女とも60代以上に良
く見られている一方、7時台では50代の女性の視聴率が落ちています
ので、次回以降の調査を注視していきたいと思います。
 朝の連続テレビ小説「純情きらり」の視聴率は13.1%で、男性70
歳以上と女性60代以上によく見られています。
 昼の主な番組では、「金曜バラエティー」の視聴率が昨年に比べて上が
っているのが特徴的です。
 夜の主なニュースについては、「ニュースウオッチ9」が6.1%で、
昨年の午後9時台と比べると、番組ジャンルは全く異なりますが、視聴
率はほぼ変わっていません。去年の午後10時台に放送していた「ニュ
ース10」と比較すると、「ニュース10」が4.8%だったのに対し、
今回の「ニュースウオッチ9」は時間帯を午後9時台に移設しています
が、6.1%と上がっています。     
 午後の11時台の「スポーツ&ニュース」は昨年の同時間帯の視聴率
とほぼ同様の数字です。
午後8時台の番組の視聴率では、「歌謡コンサート」が11.8%と最も
よく見られました。月曜日の「鶴瓶の家族に乾杯」が10.0%、昨年
は「地球・ふしぎ大自然」が6.5%でしたので、視聴率は上がってい
ます。木曜日の時代劇「柳生十兵衛島原の乱」が7.4%、昨年の「探
検ロマン世界遺産」が5.2%でしたのでこれも上がっています。金曜
日は「迷宮美術館」が4.4%、昨年の「鶴瓶の家族に乾杯」が6.7%
で、今回、下がっていますが、これは単純には比較できません。編成上
この時間帯は地域によって別番組を編成しているためで、必ずしも「迷
宮美術館」を見ている数字ではないためです。
 午後の10時台では、午後9時台から移設した「その時歴史が動いた」
が4.2%で最も良く見られました。火曜日の「クイズ日本人の顔」、木
曜日の「プロフェッショナル 仕事の流儀」、金曜日の「にんげんドキュ
メント」はいずれも3%台になっています。各番組とも、男女年層別に
見ますと、70歳以上の女性に特によく見られています。50代以下の
各年層視聴率ですが、「その時歴史が動いた」が男性50代で5%で、そ
れ以外は全部5%未満になっています。
 次に午後11時台の番組です。この中では「きよしとこの夜」がよく
見られています。この時間帯で70歳以上の女性で9%というのは非常
に高い数値ですし、全体として60歳以上の女性がよく見ているのがわ
かります。
 土曜日の主な番組については、プロ野球の巨人×阪神戦が男女60代
以上を中心によく見られました。「土曜ドラマ・マチベン」は4.1%、「つ
ながるテレビ@ヒューマン」は3.2%でした。ただし、いずれもプロ野
球の延長により放送開始時間が大幅にずれたため、これらの時間帯の分
析は次回以降にしたいと思います。
 日曜日は、「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」の視聴率が7.7%で
「ニュース7」に引き続き男女60代以上を中心に見られています。大
河ドラマ「功名が辻」の視聴率は15.0%で幅広い層に見られています。
特に、女性60代以上の視聴率は30%以上と高くなっています。
教育テレビについては、週間接触率は29.5%です。特に男女の7
歳から12歳、女性の30代、女性の60代が良く見てます。ただし、
7歳から12歳は非常にサンプル数が少なかったので参考値としていま
す。
 衛星放送については、衛星各波の接触率が高いのは男性60歳以上で
す。衛星第2テレビは、加えて女性の60歳以上の接触者率も高くなっ
ています。
 最後にラジオについてですが、NHKラジオの接触者率は21.0%、
民放AM、FMを合わせた民放ラジオは合計で33.1%となっていま
す。NHKラジオは60歳以上の接触者率が高いのですが、民放ラジオ
計では男性の40〜60代と女性40代・50代で接触者率が高くなっ
ています。

(小林理事) 衛星放送を見ることができる受信機が増えているなか
      で、総合テレビと衛星放送とで同時間に放送している番組
      や時間を若干ずらして放送している番組について、その番
      組の視聴率をどのように考えるのか検討していく必要があ
      るのではないでしょうか。朝の連続テレビ小説を総合テレ
      ビではなく衛星第2でご覧いただいている視聴者のみなさ
      んも多いと思います。
(放送文化研究所) 朝の連続テレビ小説「純情きらり」の場合、総合
      テレビ、衛星第2それぞれ視聴率は公表していますので、
      対外広報としておっしゃっていただくことは可能です。た
      だし、放送文化研究所はこれまでずっと歴史的に同じよう
      な方法で分析をしてきていますので、1次分析としてこれ
      はこれでやらせていただいて、それをどう活かしていくか
      今後ともいろいろと考えていきたいと思います。

以上で付議事項を終了した。

上記のとおり確認した。
      平成18年 6月 6日
                     会 長  橋 本 元 一   

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