放送制度等に関するNHK意見 NHK information
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。
「BS−4後発機を用いたデータ放送に係る委託放送業務への参入希望等及び
届出のなかったサイマル放送用周波数帯域の用途」に関する意見
 
 NHKは、「BS−4後発機を用いたデータ放送に係る委託放送業務への参入希望等及び届出のなかったサイマル放送用周波数帯域の用途」に関する郵政省の意見募集に対し、平成11年1月29日、以下の意見を提出しました。
 
 
(1)BS−4後発機を用いたデータ放送に関する事項

 イ データ放送に係る制度等に関する意見・要望

(ア)一の事業者が持てる最大の伝送容量(スロット数又はシンボル数)及びそのように考える理由

○デジタル放送を魅力あるものにするためには、データ放送をテレビジョン放送と組み合わせて行うことが必要不可欠と考えます。したがって、データ放送の認定にあたっては、テレビジョン放送を行う者への割当てを優先すべきであると考えます。

○現在、放送事業者にはテレビジョン放送を行うために必要なスロットしか割当てられていません。今後、テレビジョン放送の定義の中でデータ放送を行う場合でも、あるいはテレビジョン放送とは別 に認定を受けてデータ放送を行う場合でも、テレビジョン放送用のスロットとは別 に、テレビジョン番組1系統あたりどれだけのデータ放送の伝送容量が必要かという観点から、最大の伝送容量 を考える必要があると考えます。したがって、一の事業者が持てる最大の伝送容量 は、データ放送に求められる情報量、実用に足るスピード、使用可能な伝送容量 等を勘案し、テレビジョン番組1系統ごとに定めるのが適当であると考えます。

○NHKは公共放送として、データ放送により「緊急時に役立つサービス」、「生活をより便利で豊かにするサービス」をコンセプトに、緊急災害情報、ニュース、公共福祉サービス、番組関連情報などのサービスを実施したいと考えています。
(別紙:郵政省「NHKの行うデータ放送の範囲についての意見募集」〔平成10年11月〕に提出したサービスイメージを参照)
 こうしたサービスの提供にあたってデジタル放送を魅力があるものにするためには、視聴者が知りたいと思った時にいつでもほぼ瞬時に見られるという「便利さ」「スピード」を確保することが必要であり、そのためには以下の伝送容量 が必要であると考えています。

◆NHKが既に委託放送業務の認定を受けているBSアナログ放送のサイマル放送として行うデジタル放送2番組と同一のトランスポートストリーム(TS)に2スロット、今後の制度整備でNHKが高精細度テレビジョン放送の委託放送業務の認定を受けた場合、高精細度テレビジョン放送1番組と同一のTSに2スロット。

○一の事業者が持てる最大の伝送容量の設定にあたっては、NHKが公共放送としてBSデジタル放送の普及に向けた先導的役割を果 たしていくため、データ放送の魅力を十分に具現化できる配慮をお願いします。

(イ)その他参考となる事項

○デジタル放送の特徴は、映像、音声、データを一体的に取り扱うことが可能となることです。その結果 、テレビジョン放送とデータ放送を組み合わせた新しい放送サービスや、映像、音声、データのビットレートを可変的に使用して豊かで柔軟な放送サービスもできるようになります。
 NHKとしては、こうしたデジタル放送の特徴を生かしたサービスを実現するため、今後の制度整備にあたって、次の点を要望します。

◆デジタル技術の特徴を生かし、伝送容量の有効活用と豊かで柔軟な放送サービスの実現を図るため、同一の委託放送事業者が使用可能なスロット数の範囲内で、テレビジョン放送とデータ放送のスロット数を一定限度可変的に使用できるようにすること。

 ウ その他データ放送に関する意見・要望について

○EPG(電子番組ガイド)は、デジタル放送を魅力的かつ使い易いものにするために不可欠なものです。使い易いEPGにするためには、視聴者がどの放送事業者のチャンネルを見ていても、SI(番組配列情報)を利用した全局EPGに簡単にアクセスできるようにしておく必要があります。
 したがって、全局EPGは、BS−4後発機の中に専用のチャンネルを設けて放送するのではなく、各放送事業者が自らのTSの中で放送することが適当と考えます。

(2)届出のなかったサイマル放送用周波数帯域の用途に関する事項

○空き容量(最大6スロット)の用途として適当と考える放送及びそのように考える理由

◆空き容量6スロットはすべてデータ放送の帯域として使用するのが適当と考えます。

 〜理由〜
 データ放送は、デジタル放送の特徴を生かしたサービスであり、高精細度テレビジョン放送を中心とするテレビジョン放送とデータ放送を効果 的に組み合わせたり、データ放送でテレビジョン放送とは独立した情報サービスを実施することにより、デジタル放送による高度で多彩 なサービスが可能になると考えます。
 現在、WOWOWの空き容量を除くと、BS−4後発機にはデータ放送用に使用可能な容量 は最大6スロットしか確保されていません。これだけでは、多様な事業者による多彩 なデータ放送の実現が不可能と言わざるを得ません。
 アナログ放送からデジタル放送への移行・転換およびデジタル放送の普及を図るためには、デジタル放送を魅力的なものにするデータ放送を実施できる帯域を最大限確保することが不可欠であり、空き容量 6スロットは、データ放送用の帯域として使用するのが適当と考えます。

(3)その他衛星放送に関する意見・要望

○デジタル放送受信機では、その不具合を修正するためのソフトをダウンロードすることが一般 的です。また、新しいサービスを始めるためには、受信機に対応ソフトをダウンロードする必要があります。
 BSデジタル放送の安定的な運用を図るため、またその発展のため、こうしたソフトのダウンロード用スロット(エンジニアリングスロット)を確保する必要があると考えます。

〔別紙:郵政省「NHKの行うデータ放送の範囲についての意見募集」に提出したサービスイメージ〕

(具体的なサービス例)
▽地震発生。あなたの家族は大丈夫?--指定した地域の地震情報が見られます。
▽お出かけ前。今日の天気は?--------あなたの住んでいる地域の天気予報がいつでも見られます。
▽あの料理の材料は?---------------番組に関連する興味のある情報をいつでも引き出せます。
▽ボランティアしてみたいけど?--------各地のボランティア活動の情報がいつでも引き出せます。

[緊急災害情報]
 自分の住んでいる地域の個別情報や親戚・友人など関係のある地域の情報を、いつでも引き出せます。
 地震情報、津波情報、台風情報、安否情報 等

[ニュース]
 ジャンル別の目次の中から、興味のあるニュースをいつでも選択し、コンパクトな形で読むことができます。
 政治、経済、社会、スポーツ・ニュース等

[選挙開票速報]
 関心のある選挙区の情報がいつでも引き出せます。
 各小選挙区の開票速報 等

[生活便利情報]
 自分の住んでいる地域の個別情報や興味のある情報がいつでも引き出せます。
 気象情報、交通情報、スポーツ情報 等

[公共福祉サービス]
 「健康ホットライン」、「すこやかシルバー介護」等の番組を活用した情報を、必要なときに引き出せます。
 聴覚障害者字幕サービス、医療関連情報、介護関連情報、ボランティア情報 等

[EPG/電子番組ガイド]
 見たいジャンルの番組を検索したり、番組開始時刻が変更になっても録画が正確にできるようになります。
 テレビ全局分の8日間の番組表、自動録画機能 等

[視聴者問い合わせ情報]
 これまで電話で問い合わせていた情報を、知りたいときにいつでもテレビから引き出すことができます。
 番組変更・再放送予定、公開番組・催し物案内、受信料案内 等

[番組問い合わせ情報]
 問い合わせの多い番組には、より詳しい情報を提供します。
 「生活ほっとモーニング」
 「ためしてガッテン」等

[番組関連情報]  番組に関連する興味ある情報を引き出し、番組をより楽しめます。
 連続ドラマのあらすじ 等
 
ページトップ
 
経営情報へ戻る前に戻る