NHK INFORMATION
業務報告書


第6章 放送設備の建設改修及び運用の概況



1 放送設備の建設改修

 (1) 放送衛星等の整備

 4月17日打ち上げられたBSAT−1aについては、機能確認を経て、8月1日、株式会社放送衛星システムから静止衛星軌道上で引き取り、同日、衛星第1テレビジョン放送局、衛星第2テレビジョン放送局等の運用をBS−3aから、高精細度テレビジョン放送実用化試験局等の運用をBS−3bから、それぞれ切り換えた。

 地上設備については、主送受信局(東京)、第2主送受信局(埼玉)等の整備を完了した。

 なお、株式会社放送衛星システムが行うBSAT−1の調達及び管制設備の整備の業務に協力した。

 (2) 地上放送網の整備

  ア テレビジョン

 補完的な置局として、外国電波混信による難視に対処するため、総合放送及び教育放送において、佐呂間知来局(北海道)を開設した。

  イ ラジオ

 外国電波混信の増加に伴う夜間の聴取状況の悪化に対処するため、第1放送において中津局(大分)及び双葉局(福島)を開設した。
 FM放送においては、五木局(熊本)及び土佐佐賀局(高知)を開設した。

 年度末で、放送区域は、第1放送が全国世帯の99.9%、第2放送が99.4%、FM放送が96%であった。

  ウ テレビジョン文字多重放送

 テレビジョン放送局の開設に伴い、総合放送の局に併設するテレビジョン文字多重放送局1局を開設した。

 (3) 放送設備の整備

 良質な放送を確保するため、放送設備の改善及び老朽設備の更新整備を進めた。
 報道取材設備及び番組制作・送出設備については、取材・中継機能の機動性の向上、地域放送の充実等に資するため、通信衛星を利用するデジタル映像伝送ネットワークの構築を進め、地域拠点局全7局に固定型の送信設備を、放送センター等17局に車載型の送信設備を整備したほか、甲府、静岡等17局に固定型の受信設備を整備した。

 また、ハイビジョン放送時間の拡大に対応してハイビジョン設備の整備を進め、放送センター等に新たに開発したVTR一体型カメラの整備を行うとともに、放送センターのスタジオ及び編集設備の整備を行ったほか、地域拠点局4局の中継車各1台のハイビジョン化整備等を行った。このほか、放送センターにおいて、衛星第2放送での字幕放送開始に対応する設備整備、テレビジョン国際放送の放送対象地域拡大に向けた設備整備を行った。

 テレビジョン放送所設備については、災害時における電波の安定確保を図るため、福知山(京都)及び久留米(福岡)の給電線の整備を行った。

 ラジオ放送所設備については、熊本、秋田の大電力中波放送装置の更新整備を進めたほか、宮崎のFM放送装置の更新を行った。

 (4) 放送会館等の整備

 長野放送会館及び大分放送会館の建築工事を取り進めたほか、大阪放送会館の建築工事に着手した。また、放送技術研究所の整備のための諸準備を取り進めた。

2 放送設備の運用

 (1) 国内放送

 年度末において、地上放送関係では、テレビジョンは、総合放送3,478局、教育放送3,403局、ラジオは、第1放送210局、第2放送140局、FM放送518局を運用した。テレビジョン文字多重放送については、総合放送系統の3,478局を運用した。また、FM文字多重放送51局を運用した。

 このほか、地方自治体等が整備し所有する施設により、テレビジョン放送局8局、テレビジョン都市受信障害対策用SHF放送局2局、これらに併設するテレビジョン文字多重放送局を運用した。

 衛星放送関係では、放送衛星局として、衛星第1放送及び衛星第2放送各1局、衛星放送の地上再送信局として、父島、母島、南大東各2局を運用した。また、ハイビジョン放送について、高精細度テレビジョン放送実用化試験局1局を運用した。

 このほか、固定局395局、基地局155局、携帯基地局143局、陸上移動局7,224局、携帯局2,073局、地球局365局、人工衛星局3局を運用し、取材、連絡、番組中継等に活用した。

 (2)ラジオ国際放送

 年度末において、国際電信電話株式会社八俣送信所の送信機300kW7台、100kW4台、計11台を専用した。

 送信出力は、一般向け放送については300kW及び100kW、地域向け放送については、欧州向け、中東向け、アフリカ向け、極東ロシア向けが300kW、中米・北米・ハワイ向け、アジア大陸向け、東南アジア向けが300kW及び100kW、南米・豪州・ニュージーランド向けが100kWであった。

 カナダ放送協会の委託による中継国際放送の送信出力は300kW及び100kW、ラジオ・フランス・アンテルナシオナル及びイギリス放送協会の委託による中継国際放送の送信出力は300kWであった。

3 放送技術審議会

 会長の諮問機関である放送技術審議会において、放送技術の大綱について審議を行った。


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