2018年8月3日

外務省報道課 井原康雄さん

外交カメラマンの「こだわらない」ランチ

2018年8月3日

霞が関からほど近い、港区虎ノ門。界わいの飲食店は、昼どきになると近隣で働く人たちでごった返します。

外務省報道課の井原康雄さん(45)もその1人。いつものように外務省から歩いて、やってきました。

きょうのランチは何にするんですか。
「500円カレーです。安いのにボリュームもあるので」
ところがこの日、お目当ての店のランチは、残念ながらお休みでした。

「仕方ないですね」と言いながら向かったのは、同じ虎ノ門にある雑居ビル。地下に、飲食店が軒を連ねています。

何軒かのぞいたあと入ったのは、昼はランチを提供している居酒屋でした。
井原さんが選んだのは、ご飯とみそ汁がついた定食「牛ハラミステーキ」880円。

「外務省の職員って、ランチにこだわりが強い人が多い気がします。銀座まで食べに出かける人もいる。自分はどちらかというと、そこまでこだわりは強くないし、手間はかけないほうですね」

確かに、内外を頻繁に行き来する外務省職員の皆さんは、美食家が多いイメージ。
井原さんも「こだわりはない」と言いつつ、おいしいものには目がないのだとか。

実は、井原さんは外務省専属のカメラマン。
外務大臣が各国の首脳や外相と会談する際に同行し、さまざまな場面を撮影します。
「河野大臣になってから、外国出張に行く回数がグンと増えましたね」
こちらが、井原さんが撮った写真です。

去年11月、初めて日本を訪れたアメリカのトランプ大統領を、横田基地で出迎える河野大臣を撮影したもの。
セキュリティーが非常に厳しく、外務省の公式カメラマンといえども、近くで撮影することは許されなかったため、苦労して撮影した1枚だそうです。

外務省の専属カメラマンは、2人しかいません。
ですから、ランチに十分な時間がとれないことも少なくないそうです。

なぜカメラマンに。
「大学を中退して、写真家になろうと本格的に勉強していたんですけど、なかなか狭き門でした。そうした時に外務省のカメラマンの話があったんです。最初は本当に緊張しました。写真撮れなかったらどうしようって」

すでに15年以上のキャリアを重ねている井原さん。これまでで、印象に残っている外務大臣は。
「麻生太郎さんです。立ち姿がりんとしていて、名門政治家の厳かな雰囲気もありましたね。今の河野大臣もそうですが、政治家の皆さんは写真に撮られるのがやはり上手。目をつぶってしまったりすることはめったにありません」

30分ほどで食べ終えた井原さん。
「虎ノ門はいいですよね。近いし、いろいろなランチが食べられるので」
この夏は、外務大臣に同行する外国出張が立て続けに予定されているそうです。ひとときのランチでしたが、ステーキで英気を養いました。

ごちそうさまでした!