2022年6月5日

テレワークコンサルタント 田澤由利さん

テレワークなら自宅で焼肉ランチができる!

2022年6月5日

今回は、久しぶりの地方サラめし、北海道北見市です。

北見市にある住宅でパソコンに向かっているのは、コンサルタント会社を経営している田澤由利さんです。新型コロナウイルスの感染拡大で、ことし、広く浸透した「テレワーク」について、企業や行政にアドバイスしています。

奈良県出身の田澤さん。夫の転勤と出産に伴って、北見市に移住。その後、1998年に会社を設立しました。

「出産、夫の転勤で仕事を辞めざるをえなかったんです。つまり、会社に行けないから、仕事を辞めなくてはいけなくなった。それで在宅でフリーライターを始めたら、その仕事の仕方を教えてくれという人が多くて、だったら、それを仕事にしようと」

以来20年余り、テレワークの草分け的な存在として活動してきた田澤さんですが、当時は苦労も多かったと言います。

「『テレワーク』って『離れて、働く』という意味なんです。会社に行かなくても仕事ができるということ。でも、最初のころは、私、『テレワーク』の仕事してますと言うと、先方に「うちは電話の仕事してません」と言われることもあった。今もたまにあります」

しかし今や、テレワーク全盛。その経験を買われた田澤さんは国の有識者会議などに引っ張りだこの存在になっています。
「地方創生有識者懇談会」
「『ポストコロナ』時代におけるデジタル活用に関する懇談会ワーキンググループ」
などの会議です。

そんな田澤さん。この日、午前中に東京の流通大手の企業へのテレワークの研修を終えると、向かったのは、自宅のベランダでした。

いったいベランダで何をするのでしょうか。洗濯もの?いやいや、この時期、北見は寒くて外に洗濯物なんて干せません。

ベランダに出ると、鉄製のテーブルにグリルを備え付け、着火。

えっ、焼肉!!

ランチには田澤さんのご主人と、出産のために帰省している娘さんも参加しました。

焼肉の町としても知られる北見市。
天気の良い日に町を歩けば、ほのかに焼ける肉の香ばしい香りをかぐこともある北見市ならではの光景です。

分厚い牛肉に、玉ねぎ、焼きおにぎり、いい香りとともに、焼きあがってきました。うーん、美味しそう!!

そうそう、焼肉にはビール!あれ、午後の仕事、大丈夫ですか?

あ、ノンアルコールビールですね。焼き上がった分厚い牛肉も一口にぱくり。
昼から、自宅で焼肉ランチなんて贅沢ですね

「会社に行かなくても働くことができる『テレワーク』なら、家族との時間も大事にできます。仕事の合間に家族と焼肉なんて普通できませんよね」

午後には、神奈川県の中小企業団体が主催する講演会にテレワークで出席する予定だそうです。仕事の合間に、家族と焼肉を楽しむ田澤さんに、テレワークの今後について、聞きました。

「日本では少子高齢化が進みます。そうした中で、働きたくても働くことが出来ない人がたくさんいます。地方にいようが、子育てしようが、病気療養中だろうが、会社に行かずとも働くことができるよう社会になれば、少子高齢化の処方箋になると思います」

さらに、話題はデジタル庁に及びます。

「デジタル化はテレワークの基礎になります。ただ、そこで終わるのではなく、デジタル化で、働き方、生活の仕方も変えていく、そのための方針、施策を打ち出すことができるかが重要だと思います」

テレワークを熱く語り続ける田澤さんですが、焼肉は特別な日にすることが多いそうです。
そこで、きょうは何の日か尋ねたところ、30年目の「結婚記念日」だということ。

焼肉の町の夫婦は、「テレ」る(離れる)ことなく、あつあつでした。

ごちそうさまでした。
( 2020年11月取材)