2020年2月7日

駐日韓国大使 ナム・グァンピョ(南官杓)さん

日韓関係の改善願う大使のそば

2020年2月7日

東京・麻布十番にある老舗のそば屋を訪ねると、奥の個室から聞こえてくるのは、韓国語のようですね…。

真ん中に座っていたのは、去年から駐日韓国大使を務めるナム・グァンピョさん(63)です。

きょうは、韓国大使館の皆さんでランチなんですね?
「はい。職員との食事の時間は、考えを直接聞ける大切な時間なんです。私がずっとしゃべってしまうことが多く、毎回、後悔しますが…。自然と話をしてくれるまで、こういった場を作り続けるつもりです」

たしかに、ナムさん以外の皆さんは、かなり緊張されているご様子…。

そこへ、食事が運ばれてきました。
ナムさんのオーダーは、天ぷらそばですね。

目の前に運ばれてきたそばを見て、にんまりとほほえんだナムさん。

そばつゆにちょっとだけ麺をひたし、ゆっくりとすすって…。

はい、親指を立てて「おいしい!」のサインをいただきました。

かみしめるように、時間をかけて食べるのがナムさん流のようです。

日本食は、そばがお気に入りなんでしょうか。
「麺類全般が好きですね。(韓国大使館に近い)麻布十番には、おいしいそば屋がほかにもあって、順繰りに訪問しています」

「でも一番の好物は、実は“うな丼”なんです。カツ丼や親子丼など日本の“どんぶり”ものは非常に好きです。日本食と韓国料理は、五分五分で、両方好きですね」

外交官出身のナムさん。実はこれが2回目の日本での勤務です。
1992年から3年近く、大使館で1等書記官として勤務した経験があります。

当時は、丸ノ内線沿線の中野新橋で暮らしたそうです。
「“下町”感がある中野新橋を、家族全員、気に入りました。当時よく通っていた、とんかつ屋に最近行ってみたんですが、25年前と変わらない味、ほぼ変わらない値段に驚きました。東京の中でも庶民的な町で暮らしたことで、日本に、日本人にとても良い感情を抱きました」

初めての外国訪問も日本だったと明かすナムさん。話は、幼少時代にまでさかのぼりました。

「プサン(釜山)で育ちましたが、テレビでは日本の番組がよく放送されていたんです。プサンと福岡は距離的に近いので、電波の関係で映ったのだと思います。日本のマンガなどをよく見ました。幼少期のいい思い出ですが、今にして思えば、駐日大使になるための準備をあの頃からしていたのか、とも思いますね(笑)」

去年、駐日大使に就くことが決まったのは、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題などで、日韓関係が悪化していった、まさにそのさなか。

「日韓関係が非常に難しい時期なだけに、大きな責任を感じた」というナムさん。それでも、今、両国関係は良くなっていくという確信を持っているといいます。

「今は両国関係が難しい状況になっていますが、両国は最も近い隣国です。一日でも早く正常な関係に戻るべきです。日本の皆さんには、『韓国は、隣人として日本と近い関係になりたいと思っているんだ』と、しっかりと伝えていきたい。それが外交の仕事だと思っています」

その穏やかなまなざしは、良好な日韓関係が戻る日をしっかりと見据えているように思えました。

ごちそうさまでした!