2019年12月23日

自民党 元国会対策委員長 逢沢一郎さん

英気養うロシアの味

2019年12月23日

師走のお昼どき。
東京駅にほど近いオフィス街のレストランでメニューをのぞき込んでいるのは、自民党の元国会対策委員長、逢沢一郎衆議院議員(65)です。

このレストラン、ロシア料理の専門店で、モスクワにある老舗レストランが、1年半ほど前に、日本に初めて出店しました。

逢沢さんは、超党派の国会議員で作る日ロ友好議員連盟の会長を務めるロシア通。
ことしの夏には極東のカムチャツカ半島を訪れ、ロシアの議員らと交流を深めました。

この日、逢沢さんが選んだのは、ビーフストロガノフにボルシチがついたランチセット。税抜き1450円です。

まずは、鮮やかな色合いのボルシチをひとくち。

「うん、おいしい。ロシアの味がするよ」

そのロシアとは現在も北方領土問題を含む平和条約交渉が続いていて、両国を取り巻く環境は複雑です。議員連盟の会長として、どんなことを心がけているのでしょうか。

「領土問題は、政府対政府のテーマだから、周りがあまり騒がないほうがいいという面もあるんだけど、われわれ国会議員は国民の代表として、日本国民がどんな気持ちでいるのかをきちんと伝え、ロシアの考えを冷静に聞く必要があると思う」

「人間だから、1回より2回、2回より5回会ったほうが理解が進んでいく。『2、3回、会議室で会うより、1回の食事のほうが仲良くなる』なんていう表現もあるし。食事をして酒を酌み交わし、肩を組んで。食事を伴うほうが交流が進むと思う」

話が弾む中、テーブルにはメイン料理のビーフストロガノフが。

煮込んだ牛肉とタマネギに、サワークリームが入って、お味のほうは…。

「うん、ロシアの味だね」

本場「ロシアの味」をかみしめる逢沢さん。
実はロシアのほかにも、アフリカやミャンマーなど23の外交分野の議員連盟の幹部も務めているんです。

「子どものころから地図帳を広げて見るのが好きで。『どんな国かな、どんな人が住んでいて、どんな風景が広がっているんだろう』と、そういうことに思いをめぐらすのが好きだったんだよね」

食後のコーヒーが出てきたところで、話題は今後の政治活動に。

逢沢さんが所属する谷垣グループは、このほど幹部の体制を改めました。
これまで代表世話人として運営にあたってきた逢沢さんは顧問に退き、今後は「一兵卒」として頑張ると言います。

「僕にとっても仲間にとっても大切なグループ。そのグループのこれからや、所属議員全員の最大利益というとあれかもしれないけど、そういう全体を常に考えていて、その中で判断しました」

「政権を取り戻してから、安倍さんは大変努力してこられた。だけど、ずっとこの路線で日本を切り開くことができるかというと、そうではないし、状況も変わってくる。『桜を見る会』のこともそうかもしれないけど、『うみ』や『おり』がたまってきている。次の政治を誰が継ぐべきなのか、そこを考えなければいけない」

外交と内政の先を見据えて、ロシア料理で英気を養う逢沢さん。

ごちそうさまでした!