2019年11月25日
長崎市長 田上富久さん
熱々の議論呼ぶ! ソウルフード
2019年11月25日
「永田町・霞が関のサラめし」、きょうは地方出張の第2弾!
第1弾の北海道・網走に続くのは…。
「ズルズルズルー」
お昼どき、長崎市役所の会議室から聞こえてくるのは、集まった20人近くが長崎名物のちゃんぽんを一斉にすする音。
その中心にいたのは、長崎市長の田上富久さん(62)。
田上さんの就任当初から12年以上続けているという、ある会議が始まっていました。
「ちゃんぽんでもすすりながら、市民の皆さんの関心事を広く知る機会がほしいと思ってはじめました」
こう語る田上さん。
実はこの長崎ちゃんぽん、市役所の食堂から取り寄せたもの。
ちゃんぽんは、そもそも「混ぜ合わせる」という意味。参加者は市民なら誰でもOK!テーマもその日に合わせて何でもOK!みんなごちゃ混ぜにして、意見交換しましょうということで、「ちゃんぽんミーティング」と名付けました。
そして、この日のテーマは。
「来年の被爆75年に向けて私たちにできること」
気軽なミーティングだと聞いて来たのに、テーマはずっしりと重めなんですね。
その裏には。
実は、この3日後に、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇の長崎訪問が控えていたんです。教皇が発信する核廃絶に向けたメッセージに注目が集まっているタイミングだけに、議論は大いに盛り上がりましたよ。
田上さんが、さっそく「子どもたちに、原爆の歴史や平和について伝えるためには、どうしたらいい」と問いかけると。
「子どもたちの受け止め方を尊重し、自分の考えを押しつけてはいけないのでは」
こう語ったのは、子ども向けに1人演劇を披露しているという川下祐司さん。
子どもに読み聞かせをしているという平野妙子さんは。
「絵本などを通して考える題材を提供すれば、子どもたちは自然と考えてくれる」
ミーティングのあと話を聞くと。
田上さんは、「子どもたちの心に、平和の種を植えるような活動ができればいいと思った」と振り返りました。
そして、教皇の長崎訪問に向けて。
「『長崎を最後の被爆地に』というメッセージを発信してほしい。そのことばが、未来に向けた永遠のメッセージになり、人々の心に残ってほしい」
来年は原爆投下から75年。
みずからの被爆体験を話す人も減ってしまう中で、ちゃんぽんでもすすりながら、平和について真剣に語るのも大切だなと感じました。
市長と市民の垣根を越えた熱々の議論の秘けつは、長崎のソウルフード。
そう、ちゃんぽん。
でも田上さん、「実は僕は細麺の皿うどん派なんです」
えっ、そうだったんですか…。
ごちそうさまでした!