2019年10月28日

法務省 国際課長 柴田紀子さん

京都で食のおもてなしを! 準備メシ

2019年10月28日

皇居も一望できる見晴らし抜群なこちらの場所。

霞が関にある法務省20階の食堂です。

ランチでにぎわう時間帯を過ぎたころに現れたのは、法務省国際課長の柴田紀子さん。

課の皆さんと一緒に、普段とは、ちょっと違うメニューを食べに来ました。

早速、出てきたのは、「さわらの西京焼き」や「きのことこんにゃくの白あえ」といった、この日限定の和食定食で、650円。

「京都らしいメニューを」と、柴田さんたちが事前にお願いしたそうなんです。

でも、なぜ、京都?

「来年4月に京都で大きな国際会議があるんです。世界各国から、たくさんの人たちが来るので、会場でのおもてなしとして、京都の料理を食べてもらいたいと、メニューの検討をしようと思ったんです」

食堂にも、ポスターが貼ってありますね。

「国連犯罪防止刑事司法会議」通称“京都コングレス”が、来年4月20日から1週間、京都の国立京都国際会館で開催されるんですね。

国際的な犯罪対策を話し合うため、5年に1度、開かれていて、約150の国と地域から司法大臣や検事総長などが出席。この分野での国連最大規模の国際会議です。

日本でかつて開かれたのは、1970年の第4回コングレス。

それ以来、50年ぶり2回目の開催に向けて、準備を進めているのが国際課の皆さんなんです。

国際会議では、食のおもてなしも重要な仕事ということで、法務省の食堂にも協力してもらって、京都らしい和食定食を試食してみることにしたそうです。

早速、さわらの西京焼きを食べてみると。

さわらのうまみと、みその絶妙なバランスが皆さんにも好評なようです。

それにしても柴田さん、誰よりも箸の進みが早くないですか?

「私、もともと検察官で、忙しいときが多かったからか、食べるのも早いんです」

検察官でもある柴田さんは、途上国の法律の整備を支援する仕事などで、多くの海外赴任も経験しました。

赴任先のカンボジアやタイでは、現地ならではの食文化を学んだことや、家庭での温かい食のおもてなしを受けたことが忘れられず、今回の企画にもつながったといいます。

「やっぱり、海外に行く楽しみのひとつは現地の食ですよね。特に日本は、『和食』がユネスコの無形文化遺産に登録されましたし、注目度は高いと思います」

この日(10月23日)は、会議の開催まで、ちょうど180日ということで、180円というお値打ち価格の「かにたまごのあんかけ豆腐」も用意されていました。

「湯豆腐よりも、あんかけみたいに味がしっかり付いているほうがいいかも」

「みそ料理のように味が濃いほうが受け入れられやすいかもしれないけど、和食ならではの薄味の料理も提供してみては」

みんなで実際に食べてみることで、具体的な意見交換が進んだようです。

この検討会は、1か月後にも開催することにしているといいます。

「国際課は、去年できたばかりの新しい部署なので、コミュニケーションの場としても、みんなが集まる機会は大切にしたいです。せっかく京都で開催する以上は、ちょうど桜が咲いていることも願って、メニューを考えます」

会議の成功の鍵を握るのは、心を込めた食のおもてなしなのかもしれませんね。

ごちそうさまでした!