2019年10月21日
農林水産省 松尾真奈さん
玄米おむすびで健康に? ただいま実験中!
2019年10月21日
臨時国会が始まり、連日、朝から晩までせわしない霞が関。
省庁近くの屋外のフリースペースで、1人の女性がお弁当を広げています。
きょうのサラめし、ご飯は…玄米のおにぎり2つ。
なんというか、素朴なお昼ですね。
「私いま、実験中なんです!」
実験中??
おにぎりを食べているのは、農林水産省の若手官僚、松尾真奈さん(30)。
普段はロボットやAIなどの最先端技術を活用する「スマート農業」の政策などに携わっています。
実験名は「玄米おむすび健康調査プロジェクト」。
ボランティアの職員有志30人が、12週間にわたって週に4日以上、お昼ご飯に玄米のおにぎりを食べ続けて健康状態を調べるのだとか。
メニューは、お総菜と漬け物が添えられた玄米おにぎり2個にお味噌汁。
1人500円で、居室に届けられたおにぎりから日替わりで好きな具が選べます。
この日、松尾さんが選んだ具は、「めんたいこ」と「のりわさび」。
研究機関が主体となって、体重や血圧を定期的に測り、日々の生活の記録もつけながら、腸内の細菌が増えているのか調べるそうです。
って、ボランティアの割に結構大変ですね。なぜこんな取り組みを?
「玄米は健康にいいとよく言われますが、もっと研究が進まないとわからないことも多いんです。農林水産省に勤める私たちも、日々の仕事もあって皆健康とは限らないので、まずは自ら実践してみようということでプロジェクトに協力しています」
調査結果が出るのは来年春の予定。
実験の結果、玄米食が体にいいことがデータで証明されれば、健康促進にもつながり、医療費の削減効果も出ると言います。
「食と医療は本来は関連が深いものです。食事を変えれば、糖尿病の予防など改善できることも多い。けれど霞が関の中央省庁では、担当が違ってなかなか関連をもって取り組むのが難しいんです」
松尾さん、実は去年から「霞ヶ関ばたけ」という早朝の勉強会も主宰しています。
2週間に1回、水曜日の朝に大手町や霞が関に、中央官庁の官僚をはじめ、会社員や農家の人など幅広い人たちが集まり、ITを活用した営農の仕組みや、食に関する民間の取り組みなどを紹介しあっているのだとか。
それぞれの人の取り組みをつなげる場にしたいという思いがあるそうです。
「霞が関にいると、農業の現場に行く時間は限られてしまうけれど、現場の人から直接話しを聞くってとても大事だと思うんです」
「玄米もそうですが、多くの人が美味しく健康なものに関心を持つようになれば、生産者にも、私たちにも、医療にも還元できるかもしれない。そういう機会を増やしていきたいですね」
若手官僚の地道なチャレンジが新たな成果を生む日が来るかも?
まずは実験の結果がどうなるかが楽しみです。
ごちそうさまでした!