2019年9月27日

厚生労働省 安武寿和さん 野呂田朋恵さん

「拘牢省」を変える! アツい改革メシ

2019年9月27日

「生きながら人生の墓場に入った」「暑い、狭い、暗い」「これじゃあ“拘牢省”だ」

なんだか暗い気持ちになってくるネガティブな言葉…どこの話ですか?

これ、厚生労働省の職員がアンケートに寄せた生の声なんです。

アンケートを行ったのは省内の若手職員38人でつくる「改革若手チーム」。
今回は、そのメンバーの2人とランチをご一緒しました。

入省12年目の安武寿和さん(34)と、入省9年目の野呂田朋恵さん(32)です。
暑さも少し和らぎだしたお昼休み、役所近くの法曹会館の食堂でランチです。

「ふだんは役所内の食堂やコンビニで済ますことが多いですが、たまには気分転換で外にいかないと」と安武さん。

安武さんが注文したのはハンバーグや魚のムニエルが盛り付けられたランチセット、1200円。

野呂田さんはカツカレー、1000円。

やや高めですが、どちらもサラダ付きで、納得のボリューム感です。
味も本格派!取材した私もランチセットをいただきましたが、箸が進む進む。

この流れで、どうしてこのチームに入ったのか、聞いてみました。

「役所は薄暗いし、仕事の量がとにかく多い。できることから職場環境を変えたい、と思いチームに入りました」

職員からの悲痛な声、どう受け止めましたか。

「ここまで本音を打ち明けてくれるとは思っていませんでした。役所はいまだに紙文化。昔ながらの働き方が残っていることもあり、効率化が進んでいないんです」

改革チームは、4月から週に1、2回のペースで、昼休みにお弁当を持って集まり、職場をよくするにはどうしたらよいか、アツい意見交換をしていたんだとか。

意見を聞いた職員は、のべ2200人。
こうした声をもとに緊急提言をまとめ、8月に厚生労働大臣に提出。
トップに直談判しました。

すると、大臣も心が動かされたのか、さっそく目に見える効果が。
節電していた廊下の蛍光灯をスイッチオン。薄暗かった廊下が若干明るくなりました。

蒸し暑かった室内も、冷房の設定温度を下げてくれるようになりました。

でも、安武さんはこうも。
「さっそく効果が出たのはうれしいです。しかし、これだけじゃ改革とは言えません。誰もが意見を言いやすい環境が整うことで、本当の働き方改革が始まっていく。『人を大事にする組織』に変えていきたいです」

厚労省は、年金、医療、介護など国民の暮らしに直結する政策を担う役所で、仕事自体のやりがいや満足度は高いといいます。それだけに、働きやすい職場に変えていくことが切実な願いなんです。


「これって厚労省だけの問題ではありません。働きたいと思われる職場を目指すのは、一般企業でも、NHKでも、どんな組織でも共通していると思いますよ」と、野呂田さん。

そのとおりですね!

ランチをしながらでも、熱っぽく語り合う若き改革チームの志。
秋に入っても、“アツい”ままです。

ごちそうさまでした!