2018年10月29日

公明党顧問 元衆議院議員 漆原良夫さん

「越後屋、おぬしも…昼メシよのう」

2018年10月29日

永田町の衆議院議員会館9階にある公明党 太田昌孝さんの事務所。
太田さんは、去年の衆議院選挙で初当選した1年生議員ですが、ここには多くの政界関係者が足を運ぶ“奥の院”があります。

間仕切りされたついたてを開けると…。

「どもども~!」

鎮座していたのは、公明党の元国会対策委員長、漆原良夫さん(73)です。
「うるさん」の愛称で親しまれた漆原さん。

政界を引退して1年がたった今も、毎日のように、現役時代に使っていたこの部屋に通っています。
ここを拠点にして、日々、永田町の政治の動きを見つめています。

早速、ランチは何かな?のぞいてみると…。

ピーナツクリームが入ったパンとヨーグルト!!
顔に似合わず、といったら失礼かもしれませんが、軽めですね。
なぜパンなんですか?

「国対委員長を務めていた頃は、国会の開会中は、審議でいつトラブルが起きるか分からないので、一日中ずっと国会内の控え室にいた。昼ご飯をゆっくり食べていられなかったから、パンかおにぎりで済ませていた。その頃の習慣が抜けないんですよ」

平成18年から8年間にわたって国会対策委員長を務めた漆原さん。
連立を組む自民党との関係を大事にしてきました。
カウンターパートとなった自民党の国会対策委員長は、二階幹事長や、大島衆議院議長など8人に上ります。

中でも大島さんとのコンビは、大島さんを「悪代官」、新潟出身の漆原さんを「越後屋」と呼び合う関係で、2人の親密さを象徴していました。

「大島さんからは今でも電話が来ますよ。野党に転落した時代のつらさ、政権を奪還するまでの苦しさを忘れず、冬の時代をともに乗り越えた自公関係を大切にしなきゃいけない。若い議員にも伝えていかなきゃならない。いつもその話になるんです」

ただ最近、心配なことがあると言います。
「憲法改正では『公明党は自民党についていくんじゃないか。平和の党是がどこかに行ってしまったんじゃないか』と心配する声が届きます。自民党に引っ張られて、ウチの党是がかすんでしまっては意味がない。連立合意を読み直すべきだ」

でも臨時国会では、憲法改正が論戦の大きなテーマになりそうですが。
「心配ごとがあるうちは、ここにいようと思う。もう、ここを離れても大丈夫と思えるまでは。バッジを外した立場だから言えることもある。『連立の原点に戻れ!』と発信していきたい」

「うるさん」が永田町に通う日々は、しばらく続きそうです。

ごちそうさまでした!